子供の叱り方(モンテッソーリ&アドラーに学ぶ)【自律した子に育つ】

アドラー心理学

・子どもがイヤイヤ期で、どう声かけしていいか迷っている

・子どものためを思って必死に伝えているのに、うまくいかない

・ついカッとなって、感情的に叱ってしまう

子どもの叱り方って、本当に本当に難しいですよね…。

筆者(@atsukuteyurui)は元教師(今でも子どもの教育に携わる立場)ですが、教師になりたての頃はカッとなることも多く、子どもの反発を招くだけでなく、保護者からのクレームへと大炎上した苦い経験があります。

そして、このままではいけないと必死に勉強する中でアドラー心理学と出会いました。

その後、大学院進学でアドラーやデューイを始め、さまざまな教育思想に触れる中で少しずつ“叱り方”のようなこともわかってきた気がします。(と言ってもまだまだ悩むことも多いですが…)

この記事では、そんな筆者のアドラー研究の知見も踏まえながら「自律した子に育つ、子供の叱り方」についてわかりやすく解説。

また、アドラーだけでなく、10万部超のベストセラーになっているこちらの本も参照していきます。


「叱り方」のヒントをたくさん詰め込んでいますので、子育てで悩むお母さんお父さん、指導で悩む学校の先生にお役立ていただけると嬉しいです。

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子供の叱り方(モンテッソーリ&アドラーに学ぶ)【自律した子に育つ】

【基本原則】罰を与える叱り方をしない

まず、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育、アドラー心理学すべてにおいて賞罰を与える方法は一貫して否定されることを確認しておきましょう。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』の中では、子育てにおける罰1には4つの問題点があるとまとめられています。

子育てにおける罰の4つの問題点
  1. より攻撃的、反発的な態度を生みだす
    罰は子どもの攻撃的な行動を誘発し、親がさらに罰を与えることを繰り返すという負の連鎖に陥りやすくなる。
  2. 力を使った問題解決方法が正当化される
    罰を使った子育ては、暴力や圧力で問題が解決できるというメッセージを子どもに送っているのと同じ。このような子育てを経験した子どもは、自身が親になったときも同様に権力を行使する専制的な接し方をすることが多く、罰の連鎖は世代を超える。
  3. 親子関係にヒビが入る
    子どもにとっていちばん頼りになる存在で、いちばん愛してほしい親が急に自分を無視したり、脅したりする罰というのは、子どもの心を混乱させる行為。
  4. 罰を与えても反省を促さない
    話し合いや説明なしに一方的に罰を与えられたとしても、子どもにとってはいわゆる「問題行為」と罰の間の関係性が明確ではないため、反省にはつながらない。


「罰」と対置されるもので「褒美」もありますが、これらはともに子どもの行動を上からコントロールする方法であるという点でよく似ています。

罰と褒美は、どちらも与え続けないと効果を発揮しないという大きな問題点があるのです2

アルフレッド・アドラー

罰について、アドラー心理学の生みの親、アルフレッド・アドラーも一貫して反対の立場をとっています。

アドラー
アドラー

罰することで怠惰な子どもを矯正できると考えている教師は、いつも失望することになる。
どんな厳しい罰であっても、怠惰な子どもを勤勉な子どもに変えることはできないからである。

子どもの教育』アルフレッド・アドラー著 岸見一朗訳 p55


アドラー心理学では罰や褒美というものは、子どもに対し「あなたには自分でやれる力がない」というメッセージを与えることであり、勇気をくじくことにつながると考えます。

たとえどれだけ子どもができていないことが多かったとしても、それを責めたり罰したりしても事態は悪くなるだけ…。

アドラー心理学はどんなときも、相手のできていることに努めて焦点を当て、勇気づけしていくことを提案するのです。

ゆるい
ゆるい

そうは言っても、よくないことはよくないと伝えていく必要もありますよね?
アドラー心理学では子どもの不適切な行動を分析し、適切に対処していく方法も提案されています。

くわしくはこの記事の後半で!


勇気づけについても、本ブログでくわしく書いていますので、ぜひ合わせてお読みください。

【モンテッソーリ/レッジョ・エミリア】上手な叱り方4つのポイント

叱り方4箇条
  1. 「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない
  2. 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
  3. 好ましくない行動の理由を説明する
  4. 親の気持ちを正直に伝える

「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない

ゆるい
ゆるい

子どもに対して、つい「それダメ!」「これダメ!」と否定的な言葉を使って叱ることが口ぐせになっていませんか?

上手な叱り方1つ目のポイントは「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わないこと。

ときには、道路に飛び出しそうなときなど緊急事態では「ダメ!」と言うことも必要かもしれません。

けれども、そのような特殊な状況でない限り、子どもに否定的な言葉を浴びせないように気をつけます。

ゆるい
ゆるい

著者は先行研究を参照しつつ、子どもは「ダメ」「やめて」「違う」といった言葉を聞き続けると、脳が脅威を感じて戦闘モードになってしまい、フラストレーションが爆発しやすい状態になると言います。


否定的な言葉をできるだけ避けたうえで、「そうだったんだね」「わかるよ」から始めることが大切なのです。

「そうだったんだね」「わかるよ」から始めるって、子どもを叱らずに野放しにする、わがままを認めるってことなんじゃないの?


このような疑問を持たれる人もいらっしゃるかもしれません。

けれども、決してそういう意味ではないと、著者は言います。

まず「ダメ!」と口走る前に、子どもが何をしたかったのか、何を言いたかったのかを理解する。

ありのままの子どもを受け入れたうえで、手を差し伸べていくのです。

「そうだったんだね」「わかるよ」から始める

ex)幼児がタンスの洋服を片っぱしから引っ張り出して遊んでいる。
「ダメダメ!何しているの!」→「そっか!洋服を引っ張り出したかったのね!」というように、まず子どもの気持ちを肯定する。それから「このお洋服はこの引きだしにしまうから、終わったら一緒に片付けようね」と声かけしてみる。

結果ではなく努力やプロセスに目を向ける

上手な叱り方2つ目のポイントは「人中心」の批判を避けて「プロセス中心」に声をかけること。

「人中心」の批判とは、子どもの性格・能力・外見の欠点や短所を責めることです。

そうではなく、結果に至るまでの努力(努力の足りなさ)やり方(やり方の未熟さ)に対して、ネガティヴな評価なしに具体的にフィードバックを与える「プロセス中心」の声かけをしていきます。

結果ではなく努力やプロセスに目を向ける

ex)子どもがテストで40点をとってきた
「40点しかとれないなんて、ひどいわね。頭が悪い!」→「40点だったのね。自分の目標には届かなかったみたいだね。次はどういうやり方をしたらもっと学べるようになるかな?」
などの声かけをしてみる。

ゆるい
ゆるい

ここらへんのお話は、アドラー心理学の勇気づけとも大きく重なります。
勇気づけについてくわしく書いた次の記事も、ぜひあわせてお読みください。

好ましくない行動の理由を説明する

上手な叱り方3つ目のポイントは、子どもに、好ましくない行動の理由を説明することです。

罰を与えたり、一方的な叱り方をしたとき、子どもの意識はいかに罰を逃れるかということに向いてしまいます。

すると、自分の誤った行動を振り返ることなどできません。

一方で冷静になって、具体的な理由で説明された場合、自分の行動がどのような結果を引き起こすのかを初めて理解します。

また、他者への影響を指摘することで、相手を思いやる気もちも生まれてくるのです。

好ましくない行動の理由を説明する

ex)子どもがスーパーで走りだした
つい「危ない!ダメだよ!」と口走りそうですが、代わりに「走るとぶつかったりして、あなただけじゃなく、ほかの人もけがするかもしれないから、ここは一緒に歩こうね」というような声かけをしてあげましょう。

親の気持ちを正直に伝える

上手な叱り方4つ目のポイントは、親の気持ちを正直に伝えることです。

そのとき「わたしメッセージ(I message)」を活用することを筆者は提案します。

わたしメッセージ(I message)とは?

相手を批判したり否定したりせずに、「私」自身の気もちを中心に、自分自身がどう感じているか、またその理由は何であるかということを伝えながらコミュニケーションをとる方法


たとえば、外出前にスムーズに支度をしてくれない子どもに対して、

「朝、時間どおりにおうちを出られたら、私は安心するんだけどな。遅刻すると教室の邪魔になるから、次からは時間通りにおうちを出られるように一緒にがんばってみようか」

というように、あくまでも親自身の「私の」正直な気持ちとして伝えていくのです。

ゆるい
ゆるい

このように、親自身が自分の気もちを正直に伝え、開放することは、子どもが相手の感情を思いやるきっかけとなり、円滑な人間関係を築く力が身につくといわれているそうです。



同じことを例えば、

(あなたが)朝にダラダラしていたから、遅刻しちゃうじゃないの!


のように相手中心で伝えることを、「あなたメッセージ(YOU message)」といいます。

「あなたメッセージ」は〝人中心の批判〟と同じように、受け手側は「責められた」と感じやすく、攻撃的になったり、言い訳をしたりと、自己防衛の反応をとりやすくなってしまうのです。

親の気持ちを正直に伝える
「わたしメッセージ」を使って子どもに「自分の気持ち」として伝える。

効果的な「わたしメッセージ」の4要素は次の通り

①行動:避難や否定の言葉を使わずに、子どもの行動を客観的に描写
×「弟を叩くなんてひどいわね」
○「おもちゃの取り合いになって、弟のことを蹴ったのね」

②感情:正直に自分(親)、あるいは関わった人がどう感じたかを伝える
×「やめなさい!」
○「蹴ったりして暴力を振るうのを見ると、ママはとても悲しい気持ちになるよ」

③影響:なぜその行動に問題があるのかを、自分(親)、あるいは関わった人に与える影響を例に説明する
○「蹴られて、弟は落ち込んでずっと泣いちゃってたよ」

④提案:次はどうしたら同じできごとを回避できるかについて解決策を話し合う
×「今度また弟のことを蹴ったら、お小遣いを取り上げるからね」
○「暴力を使わずにおもちゃを2人で使う方法をみんなで一緒に考えよう」

ゆるい
ゆるい

「わたしメッセージ(I message)」が大事だというのは、アドラー心理学でも同じ。
くわしくは、以下の記事に書いていますので、あわせて読んでみられてください。

【アドラー心理学】上手な叱り方2つのアイデア

ゆるい
ゆるい

もう1つ、筆者の専門的な知見からアドラー式の考え方をお伝えします。

子どもが不適切な行動をする目的を理解する

アドラー心理学には目的論という基本的な考え方があります。

つまり、目の前の子どもが何か不適切な行動をしたとき「それらの行動には必ず何か目標や目的があるよ!」と考えるわけです。

そして、子どもの不適切な行動は、

・関心をひく

・主導権を握る

・仕返し、復讐

・無気力な態度を示す

の4つのどれかに分類されます。

また、これらの行動に含まれる子どもの本音は、次のようなものだと分析されるのです。

ゆるい
ゆるい

例えば、クラスで授業中におしゃべりをやめない子どもは、教師の関心を引くという目標をもって行動している可能性があります。

また、不登校や引きこもりをする子どもは、無気力な態度を示し、親を落胆・絶望させることを目標としているかもしれないと考えます。

次の表は、子どもの行動に対して、親や教師の感情やとりがちな対応、またそのときの子どもの反応をあらわしています。

目的論の考え方に立つとき、子どもの不適切行動は、誤った目標へ向かっていると考えます。

例)不適切行動=子どもが泣きわめく

  誤った目標=親の関心を引く

つまり、親がやみくもに叱ったりしたところで、子どもは誤った目標を達成するだけということになってしまうわけです。

例)不適切行動=子どもが泣きわめく

  誤った目標=親の関心を引く

  親や教師のとりがちな対応=注意をしてやめさせようとする

「子どもの誤った目標=親の関心を引く」は達成されてしまう!

このように、親や教師が、子どものねらい通りの「とりがちな対応」を続けているかぎり、子どもは不適切行動をやめるどころか、エスカレートする可能性だってあります。

では、子どもの不適切行動をやめさせようとしたら、どうすればよいのか?

アドラー心理学では、以下のように対処の仕方を変えることを提案します。

例えば、「子どもが授業中にしゃべる」という例では以下のように考えます。

例)不適切行動=子どもが泣きわめく

  誤った目標=親の関心を引く

  よりよい対処=相手の思惑通りには反応しない

→「子どもの誤った目標=親の関心を引く」は達成されない!

ただこれだけだと、また別の手段で(そして、より過激な方法で)親の関心を引こうとしてくるかもしれません。

なので、それを防ぐためにも、まずはその子どもが適切な“よい行動”をとったときに注目や反応し勇気づけるようにします。

そして子どもが、

不適切な行動ではなくて、適切な“よい行動”をしたときに注目してもらえるんだ!

と学習していくようにします。

また「他者の関心を引く」ことを過剰に追求するのは、そもそも誤った目標でもあります。

その点、子どもが勇気づけられ自信をつけていけば、「関心を引く」という誤った目標に向かって行動することそのものがなくなっていくというわけです。

やみくもに叱っても、逆に子どもの行動の目標(ex. 親の関心を引く)を達成しているだけ。子どもの行動の目的を分析して、適切に対処していこう。

自然の結末と論理的結末(現在執筆中)

現在執筆中

まとめ − 感情的になってしまうとき、ひと休みするのも大事!

この記事は「自律した子に育つ、子供の叱り方」というテーマで、アドラー心理学やモンテッソーリ教育の知恵を参考に書いてきました。

ここまでいろいろ書いてきましたが、一番大事だと思うことがあります!

それは、ご自身(親・先生)の心の余裕が最終的には一番大事ということ。

もちろん、今回紹介した知識とかって絶対役には立つんです。

けれども、自分自身を振り返るといつも「しまったな…」って後から反省するような叱り方をしたときって、寝不足だったり自分が疲れているときばかりなんです。

本当、自分自身のコンディションってめちゃめちゃ大事。

ぶっちゃけ、自分のコンディションさえよければそんなにイライラしないだろうことってたくさんあります。

そうは言っても、次から次へといろんなことが降りかかってなかなか休めないのさ…


すごくすごくわかります。

けれども「自分が疲れる→叱り方で失敗する→問題が大きくなる→さらに疲れる→さらに叱り方で失敗する→さらに問題が大きくなる」という負のループになってしまうんです。

だから、なんとかご自身が息抜きして、負担を減らして、リフレッシュすることを忘れないでほしいなって思います。

この記事を読んでいるほとんどの人は、すでにとってもとっても頑張っていると思うんですね。

なので、これ以上「もっと頑張ろう」という“足し算”だけでなく、少しひと休みしよう・負荷を減らそうと言う“引き算”も考えてみてください。


ちなみに、筆者は不必要な生活の負荷を減らして効率化していくことにとっても興味があります。

それはすべて心のゆとりを保って、幸せな生活を送っていくため。

その一環としてやっているのが、家事の効率化です。

毎日の家事に追われて苦しいよう…という人は、次の2記事が参考になると思うので、あわせて読んでみてください。




また、今回参考にした『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は子育ての知恵にあふれた名著ですので、読んでみられることをオススメします。


なお、この本はAmazonの電子書籍読み放題サービス、Kindle Unlimitedで無料で読めます。登録から30日間無料で、スマホ、タブレット、PCで読めます(Kindle端末を持ってなくてもOK)ので、こちらがオススメです。

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アドラー心理学については、当ブログがどのサイト・本よりくわしいと自負しています。ぜひ以下のまとめ記事からお読みいただけるとうれしいです。