【聴くべき】Audible(オーディブル)おすすめ本84選【聴き放題2024年最新】

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オーディブル暦3年超のヘビーユーザーが、聴くべきオススメ本を厳選しました。

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【聴くべき】Audible(オーディブル)おすすめ本

1. 「ビジネス・キャリア」のおすすめ

GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代

著:アダム・グラント, 著:楠木 建, ナレーション:中村 友紀, 出版社:三笠書房
¥3,500 (2021/12/04 14:35時点 | Amazon調べ)

仕事、家族、友人など人間関係で「これだけ尽くしているのに、なにも返ってこない…」「やってもらったから、お返ししないと…」みたいに “Give&Take” を意識したことは誰しもあるはず。

“Give&Take”の関係には

  • ギバー(Giver)受け取る以上に与えようとする人
  • テイカー(Taker)与えるより受け取ろうとする人
  • マッチャー(Matcher)与えるとことと受け取ることのバランスを取ろうとする人

の3種類の人がいるといいます。そして、著者の研究によると、最も成功するのも最も失敗するのもギバーなのです。「最も成功するし、最も失敗する」とはどういう意味なのか?私たちはどのように他者に与えていけばよいのか?“Give&Take”という身近な視点から、自分自身の生き方や、他者との関係性まで深く振り返させられる名著。

もしアドラーが上司だったら

「仕事がうまくいかずに、自信をなくしている…」そんな悩みを抱える人に絶対に聴いてもらいたい。有名な『嫌われる勇気』よりも、あたたかいアドラー心理学が描かれており、読んでいるだけで自分自身が勇気づけられます。ドラさんとリョウくんの会話を中心に物語が進んでいくので、オーディオブックにもぴったり!

ハイパワー・マーケティング

『ハイパワー・マーケティング』はいろんなマーケ本の元ネタにもなっているマーケティング本の古典。

この本のすごいのは、マーケティングのテクニックはもちろん、その根幹にあるマインドにも焦点を当てているところ。まずはマインドに焦点を当てた15章「卓越論1」から聴くのもいいかと思います。

イシューからはじめよ― 知的生産の「シンプルな本質」

著:安宅和人
¥1,980 (2022/08/12 14:44時点 | Amazon調べ)

課題解決のロングセラー本。レビューに賛否あるのは、すごく賢い人が書いた本なこともあり、一般人は煙に巻かれるというか「わかった気になるけどわからない」みたいな読後感になるからなのではと感じましたやみくもに問題に取り組むのではなく「イシューはなんだろう?」という問いの大切さを知る。まずはそこがわかるだけでも、価値あるように思います。

ジェイソン流お金の増やし方

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¥3,000 (2022/03/19 11:50時点 | Amazon調べ)

最近話題の「FIRE2」や節約、資産形成に関心のある方は聴く価値のある1冊。

  • 支出を徹底的に減らす
  • 浮いたお金を低コストのインデックスファンドで積み立て投資する


という、ごくごくシンプルな方法が紹介されています。

投資初心者だけでなく、すでに積み立て投資をやっているよ!という人にとっても、ジェイソンさんの節約っぷりとかがやりすぎなところも面白く、「自分もやらないと!」という刺激がもらえます。

バビロンの大富豪

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¥3,000 (2022/11/01 07:08時点 | Amazon調べ)

初版は1926年なので、実に100年近くも読み継がれている資産形成本の古典。よく働き、節制し、貯蓄し、それを運用する。最近のFIREや積立投資を推す風潮にもマッチする内容。資産形成の本質は100年前から何も変わらないんだと実感したし、改めて基本的なことをコツコツと続けていこうと決意を固めることができました。

センスは知識から始まる

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¥2,500 (2022/03/27 11:10時点 | Amazon調べ)

センスってどこか感覚的で、才能なものだと思いがち。しかし、著者はセンスは知識量によって磨くことができるし、言語化もできるといいます。さらっと読めるけど、なかなか奥が深い1冊。「センスがない」と嘆く前に、まずは圧倒的な知識量をつけてみようという気持ちにさせられました。

模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書

Audible
¥3,000 (2022/07/27 07:40時点 | Amazon調べ)

「センスがない」とお嘆きのあなた。いきなりつくり出すのではなく、まずは好きな作品をどんどん「模倣」してみませんか?デザインやクリエイティブに興味はあるけど、苦手だという人は読んで損のない1冊。

世界インフレの謎

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¥3,000 (2023/04/01 15:08時点 | Amazon調べ)

だれもが影響を受けているインフレ。コロナ禍やウクライナの戦争を頭に浮かべ、なんとなく「このご時世だから」みたいに、ぼんやりと理解している人も多いかと思います。この本は私たちに身近な物価やインフレをテーマに、経済への解像度を上げられる1冊です。

2. 「自己啓発」のおすすめ

ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣

あなたも“ダメな習慣”を断ち、“よい習慣”を身につけることができる。そう感じさせてくれる、すばらしい良書。

“Atomic Habits”(最小習慣)というのは、ごくごく小さな習慣のこと。ごく小さなよい習慣を身につけることで、複利的に人生に大きな差がついていくというのが、ざっくりとしたコンセプト。そしてそのための具体的で段階的な方法が、認知科学と行動科学から説明されます。

自分が面白いと感じたのは、この本は “意志の力” を強調しないところ。モチベーションを高めよう!やる気を出そう!と気持ちに訴えかけるのではなく、習慣が起こりやすいよう徹底的に仕組み化することにフォーカスします。

達成の科学

著:マイケル・ボルダック, 翻訳:吉田裕澄, 翻訳:高野内謙伍
¥1,760 (2022/08/03 08:04時点 | Amazon調べ)

習慣化や目標達成のための技術にあふれた1冊。人間の行動を”快-不快”のバランスでみていく考え方は、1つの考え方として知っておく価値あり。

先に紹介した名著『複利で伸びる1つの習慣』と重なるところもありつつ、こちらの本はモチベーションを重視しているのが違いです。(個人的にはモチベーションに頼らないやり方の方を支持しますが…)

反応しない練習

私たちが生きる上での本質的な悩みの数々…。それらを一気に解決するために書かれた本。「なんでも悩みを解決してくれるだなんて、そんな都合のいいことあるの?」と思われるかもしれません。

しかしそれが実現できるのは、この本が2500年以上の歴史を耐え抜いてきた、仏教の「すべては刺激に対するあなたの反応で決まっている」という根本原理にまで遡っているから。しかも、それがとにかくわかりやすく説かれているのがこの本のすごいところ。

超筋トレが最強のソリューションである

著:TESTOSTERONE, ナレーション:岡本 和浩, 出版社:Audible Studios
¥2,500 (2021/08/13 00:05時点 | Amazon調べ)

この本は、運動しながら聞くとモチベーションが爆上がりします。内容はとにかく「筋トレ=最強」「筋トレがなぜすごいのか」というワンメッセージ。

ただ、これをオーディオブックで聴くっていうのはかなり画期的。「しんどい!苦しい!」という極限状態で「なぜ筋トレをやらないんだ?」「筋トレ最強!」みたいなことを何度も何度も熱くいわれると、これはもはや洗脳です。

オーディブル×運動を実践する人は、ぜひ一度お試しあれ!

デール・カーネギーの人を動かす方法(人を動かす)

著:デール カーネギー, 著:関岡 孝平, ナレーション:佐々木 健, 出版社:パンローリング株式会社
¥3,500 (2021/08/28 17:22時点 | Amazon調べ)

「人間関係が苦手なので、もっと上手くなりたい」「営業でもっと成果を上げたい」そんなあなたにおすすめ。対人関係がうまくいくコツが豊富なエピソードとともに多数紹介されています。筆者も20代前半、社会人になりたての頃にはじめて読みましたが、かなり衝撃を受けました。ここに書かれていることは人間関係の基礎・基本。とくに学生や社会人なりたての人は、手に取る価値のある1冊です。

勝ち続ける意志力

プロゲーマー梅原大吾さんの著書。いまでこそeスポーツが市民権を得つつありますが、梅原さんの時代は特に周囲の理解も得づらいゲームの世界。そこで彼がいかに世界一にまで登り詰め、勝ち続けることができるかが熱く語られます。

もがき苦しみ、ときにゲームから離れ、麻雀や介護の道に進んだこともあるという梅原さん。彼の言葉は、決してゲームの世界のみならず、すべての物事に通じるものがあると感じます。

大会に勝って大喜びしたり、負けて落ち込んだりするのは右肩上がりの成長の邪魔だと考えている。もちろん、負けるより、勝つ方がいい。ただし、個々の試合の勝ちには大きな喜びを見出さない。喜びは日々の練習にこそ感じたい。

『勝ち続ける意志力』梅原大吾 著


心が折れそうで挫けそうになったとき、勇気がもらえる名言のたくさん詰まった1冊です。

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法

Audible
¥2,500 (2022/01/27 19:54時点 | Amazon調べ)

10年以上前に書かれた人気ブロガーちきりんさんの処女作。いま読んでも全然色褪せていない名著です。「ゆるく考える」とは、今までの思い込みや常識を捨て去ること。そして、自分基準の「好き」「楽しい」「ラク」を優先して生きていくこと。エッセイのように気軽に聴けて、心がスッと軽くなる。

3. 「政治学・社会科学」のおすすめ

飲茶の「最強!」のニーチェ

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¥2,600 (2022/02/08 19:41時点 | Amazon調べ)

誰もが名前は耳にしたことのある哲学者ニーチェ。社会の“あるべき”や常識”といったものに悩まされている人は、ニーチェの哲学はきっと響くでしょう。特にこの本は、哲学はまったくかじったことがないという人でも挫折することなく楽しく学べます。

これからの世界をつくる仲間たちへ

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¥2,500 (2023/01/26 07:29時点 | Amazon調べ)

いろんな絵を一瞬で描いてくれるAIや、ナチュラルな言葉で知りたい情報をなんでも返してくれる対話型 bot ChatGPT など、AIの発展が目まぐるしい昨今。そのような環境下で、どのように生きていけばいいのかわからなくなってきている人もたくさんいるはず…。

この本はそんなあなたにおすすめの1冊です。落合さんの言うような生き方ができる人は、やはり才能のある一握りのような気もしますが、シンギュラリティ3も現実味を帯びてきた今、一読の価値はあると思います。

現代思想入門

著:千葉雅也
¥935 (2023/01/06 09:39時点 | Amazon調べ)
  • 仕事やSNSなどで何をやっても他人に批判される…。
  • コンプライアンスにガチガチに固められて、どこか息苦しい…。

そんなことを少しでも思っている人に刺さる1冊。哲学系の本ですが、初心者でもかなりわかりやすくは書いてくれていると思います。おすすめ。

池上彰の世界の見方 ロシア

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¥3,000 (2022/04/03 11:45時点 | Amazon調べ)

ロシアがウクライナと戦争中の今だからこそ読むべき1冊。池上彰さんが中高生向けに実際におこなった授業をもとに書かれているので、とてもわかりやすくロシアのことを学べます。

史上最強の哲学入門

「哲学」って興味はあるけれども、ハードルが高くて…。そんなあなたにピッタリなのが、飲茶さんの『史上最強の哲学入門』です。31人もの哲学者の思想をおもしろおかしく、そしてわかりやすく、ポイントをしぼって解説してくれるのが飲茶流。もちろんこの本だけで、その哲学者をわかった気になるのは違うと思うのですが、それでも「哲学」に触れるきっかけとして最適です。

自省録

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¥3,000 (2022/09/21 07:12時点 | Amazon調べ)

2,000年近く前に書かれ、数多くの哲学者や政治家たちの座右の書として愛読されてきた名著of名著。人生でぶち当たる困難に効く至極の名言に、あなたも痺れること間違いなし!

ただ朗読の途中に「注」が読まれるのですが、それによって聴きづらくなってしまっているのが非常にもったいない。特に第1巻は「注」が多いので、気になる人は第2章から聴くことをおすすめします。

「注」が読まれるのがやっぱり気になる、内容が少し難しいかも…と思う人は、超訳版をお試しください。

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

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¥3,000 (2021/12/11 10:03時点 | Amazon調べ)

哲学って日常とは関係ない「机上の空論」だとなんとなく感じている人も多いのではないでしょうか?しかし、実はまったくそんなことはありません。哲学者だってただの人間。私たちと同じような悩みを抱え、それに一生懸命答えを出そうとしてきたのです。

この本では、実に26人の哲学者が、

  • お金持ちになりたい
  • 自分の顔が醜い
  • 他人から認められたい。チヤホヤされたい
  • 嫌いな上司がいる。上司とうまくいっていない
  • 重い病気にかかっている

などといった、私たちが抱えがちな悩みに答えてくれます。「哲学って自分自身の生活に役立つんだ!」と、哲学がちょっと身近に感じられる1冊です。

4. 「歴史」のおすすめ

サピエンス全史

歴史だけでなく生物学や科学など、さまざまな学問分野の知見を駆使しながら、「私たち(ホモ・サピエンス)はどこからきたのか」という壮大なスケールの歴史観を解き明かします。

上巻では、数多くいた人類種の中でなぜホモ・サピエンスだけが地球を制圧できたのかを約7万年前の「認知革命」という考え方を用いて解説されるのが一番の見どころ。さらに「農業革命」や「貨幣」など、サピエンスの生活を一変させることとなった発明についても説かれます。

ホモ・デウス : テクノロジーとサピエンスの未来

『サピエンス全史』と同じく、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著作。『サピエンス全史』が人類の “過去” がテーマだとしたら、『ホモ・デウス』は人類の “未来” がテーマ。タイトルの『ホモ・デウス』は「ホモ=ヒト」「デウス=神」から成る「神のヒト」という造語。つまり人間は、不死を目指し、絶え間ない幸福を追求する「神」へと進化していくというのです。

『ホモ・デウス』の見どころ
  • 人間に自由意志などなく、他の生命同様ただのアルゴリズムにすぎない?
  • 「人間至上主義」の次は「データ至上主義」?データにすべてを決めてもらう時代が、すぐそこまで来ている?
  • AIなど知能の高いアルゴリズムが発達すれば、多くの人間は“無用者階級”に?
  • 一部の人類(ホモ・サピエンス)だけがアップデートされた「ホモ・デウス」となり、その他大勢は家畜化される?

ちなみに『ホモ・デウス』は、上巻はなかなか核心に入っていかず、モヤモヤするかもしれません。思い切って下巻の9章くらいから聴いた方が、むしろ挫折しないかと…。そのうえで、改めて上巻に戻ることで、なぜ宗教やアルゴリズムや家畜の話をするのか…というあたりがわかりやすくなると感じます。

5. 「小説(日本人作家)」のおすすめ

▼池井戸 潤作品

ハヤブサ消防団

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東京から父の郷里・ハヤブサ地区に移住した売れない作家の三馬太郎。 田舎暮らしを楽しむはずが、地元の消防団入りした彼を待ち受けていたのは連続放火事件だった。

いままでの池井戸潤作品にはない作風で楽しんで聴けた。カルト宗教が1つのテーマになっているのもタイムリーであり、ラストは少し切ない気持ちにもなる。

陸王

創業百年の老舗足袋メーカー「こはぜ屋」は、新たな可能性を求め、ランニングシューズの開発に乗り出す。困難や不安に直面しながらも、信念を貫き、最後まで戦い抜く社長の宮沢をはじめ、こはぜ屋の仲間たち。怪我に苦しむマラソンランナーの情熱的な走りも絡み合い、深い感動を覚えた。挑戦と努力、信念を称える物語。

鉄の骨

『鉄の骨』で描かれるのは多くの人が知らないであろう「談合」の世界。主人公である富島平太と彼の上司たち、建設業界の影のフィクサー三橋など登場人物が魅力的。

くわえて注目したいのが、富島の恋人、萌の悪女っぷり。すれ違っていく恋の行方も気になりすぎて、長めの作品ではあるのですがあっという間に聴いてしまうことでしょう。

空飛ぶタイヤ

三菱自動車リコール隠しという、現実の事件が題材となっている傑作小説ですが…とっても面白かった!総再生時間20時間の大作ですが、その分作品としても非常に厚みがあります。登場人物の描写もとても緻密。主人公に感情移入もできるし、敵役もとことん憎くなることでしょう。

七つの会議

きっかけはパワハラだった。万年係長がエリート課長を社内委員会に訴える。しかし役員会が下したのは、不可解な人事。二人に何かあったのか。この会社には何が起きているのか――。

腐敗しまくった会社が舞台となる、ビジネス系ミステリー。「この件、隠蔽する」「この会議に、議事録はない!」といった “逆名言” が満載。

下町ロケット

著:池井戸 潤, ナレーション:平川 正三, 出版社:Audible Studios
¥3,600 (2021/10/25 18:48時点 | Amazon調べ)

直木賞も受賞した、いわずもがなの池井戸潤代表作。下町の小さな町工場が、数多くのピンチを乗り越えて、ロケット開発へと参画していく物語。とっても面白いですが、すでにドラマに観ている人はもしかしたら物足りなさを感じるかも。

下町ロケット ゴースト

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ドラマも見ていてストーリーは知っていましたが、個人的には1・2作目よりも断然面白かったです。中盤以降、悪徳弁護士をやっつける展開は痛快の極み。3作目『ゴースト』は4作目『ヤタガラス』の上巻のポジションですので、必ずセットでお楽しみください。

半沢直樹2 オレたち花のバブル組

著:池井戸 潤, ナレーション:吉田 健太郎, 出版社:Audible Studios
¥3,600 (2021/08/26 10:12時点 | Amazon調べ)

ドラマの大ヒットも記憶に新しい『半沢直樹』シリーズ原作第2作。
120億円もの巨大損失を出した伊勢島ホテルの立て直しを命じられた半沢直樹が、その裏側に潜む闇へと立ち向かっていく、お馴染みの勧善懲悪ストーリー。

ただ、この作品を傑出させているのは、本作品のもう1人の主人公、半沢の同期・近藤の存在だ。上司のパワハラをきっかけに心を病み、出資先の小さな会社へと出向を命じられた近藤。

彼の挫折とそこからの復活劇に、なにかしらの理不尽を感じながらも一生懸命働く全サラリーマンはきっと胸が熱くなる。大和田常務、黒崎検査官などお馴染みのキャラも本作で登場。

半沢直樹 アルルカンと道化師

半沢直樹シリーズの最新作『半沢直樹 アルルカンと道化師』は、時系列でいうと『半沢直樹1 オレたちバブル入行組』のさらに前にまで戻ります。半沢直樹がまだ東京中央銀行大阪西支店の融資課長だったときの物語なので、国家権力と立ち向かった前作を思うとスケールはそこまで大きくありません。

しかしスケールダウンしたことで、単なる陰謀や策略的な話にとどまらず、登場人物の人間模様がゆたかに描写されるのがその魅力。とくに、物語のキーパーソンとなる画家たちの友情に、グッと込み上げてくるものがありました。

▼ 伊坂幸太郎作品

ペッパーズ・ゴースト|伊坂 幸太郎

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¥3,500 (2021/12/06 07:27時点 | Amazon調べ)

少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。
生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。
伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!

最初はなにがなんだかわからないまま話は進んでいくのだけれど、それが少しずつ一点に集結していく伏線&回収のストーリー展開がすごい。作中の1つのテーマであるニーチェ思想を学んだあと、またぜひ読み返してみたいとも思いました。

グラスホッパー|伊坂 幸太郎

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復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

殺し屋シリーズ”最初の作品。これぞ極上のエンタメ小説!という感じで、とてもおもしろかったです。バラバラだった伏線が1つにつながっていくのがとても気持ちいい。

マリアビートル|伊坂 幸太郎

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¥4,500 (2023/01/21 22:24時点 | Amazon調べ)

『グラスホッパー』に続く、殺し屋シリーズ2作目。舞台は北へと疾走する、東北新幹線の車中。一癖も二癖もある殺し屋たちが、1つのトランクをめぐり、騙し合い、殺し合う。中でも、クラスに1人はいた大人の前で表裏を上手に使い分ける子ども、その頂点に立ちそうな悪童「王子」のサイコパスっぷりには、ぜひ注目してほしい。手に汗握るスリリングな展開とともに、疑心暗鬼へと陥っていく人間心理をえぐり出す、至極のエンタテイメント小説。

AX|伊坂 幸太郎

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“殺し屋シリーズ” でも本作は異色。テーマは家族愛。普段は文房具メーカーのサラリーマン、裏は敏腕殺し屋という顔を持つ、主人公<兜>。彼には愛する妻と息子がおり、妻にはまったく頭が上がらない尻に敷かれた夫としての一面も持ち合わせる。殺し屋稼業と、家族との間で葛藤する<兜>の運命はいかに。殺人と家族愛、そしてユーモア、緊張と緩和が織りなす、パパ必涙の物語。

トリプルセブン|伊坂 幸太郎

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不運の殺し屋・天道虫が高級ホテルを舞台に繰り広げる、笑いと涙と驚きに満ちた物語。簡単な仕事のはずが、不運が重なり窮地に陥る天道虫。ホテルからの脱出を図るが、そこに美男美女の殺し屋集団が立ちはだかる。天道虫の機転と度胸が試される。読めば、きっとあなたも天道虫と共に戦い、悩み、そして何かを掴んでいくだろう。ラストに待ち受ける衝撃の展開は、あなたの心に深く刻まれるに違いない。

▼ 吉田修一作品

国宝|吉田 修一

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極道の生まれである喜久雄きくおが、歌舞伎の名家に引き取られ、芸の道を歩む物語。どんな困難が降りかかっても、何度でも立ち上がる彼の姿に感動を覚える。梨園を舞台にした、波乱万丈・豪華絢爛な物語には友情や恋模様、歌舞伎の裏話が散りばめられ、非日常の世界へと読者を誘う。

さらに驚くべきは、この作品を朗読するのが歌舞伎役者の尾上菊之助さんであること。その朗読からは、まるで目の前で歌舞伎が演じられているかのような臨場感が伝わり、物語にさらに厚みが加わっていると感じた。audible でこそ味わうべき、芸術的傑作小説。

悪人|吉田 修一

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罪には問われない “悪” の数々。その連鎖は、ふとしたきっかけで、1つの犯罪行為として萌芽する。舞台は九州北部。土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。彼はなぜ罪を犯したのか。複雑な心理、過去のトラウマ、彼を犯罪へと走らせた過程が、張りつめた文体と緊密な構成で描写される。この作品における悪人は、きっと彼だけではない。

路|吉田 修一

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台湾と日本の仕事のやり方の違いに翻弄される日本人商社員、車輛工場の建設をグアバ畑の中から眺めていた台湾人学生、台湾で生まれ育ち終戦後に日本に帰ってきた日本人老人、そして日本に留学し建築士として日本で働く台湾人青年。
それぞれをめぐる深いドラマが台湾新幹線の着工から開業までの大きなプロジェクトに絡んでゆく。政治では問題を抱えていても、日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、台湾の風土とともに色鮮やかに描く渾身の力作。

NHKでドラマ化もされている作品。台湾新幹線プロジェクトを軸にしつつ、台湾人と日本人とのあたたかい人間模様が描かれます。台湾の情景が目の前に浮かんでくるようで、読了後はきっと台湾に行きたくなるでしょう。

▼ 宮部みゆき作品

ソロモンの偽証|宮部 みゆき

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雪の舞うクリスマスの夜、中学校の校舎から1人の男子生徒が落下する。彼の死の真相を究明するため、生徒による模擬裁判が開廷される。裁判に真剣に向き合う過程で、生々しい人間関係や複雑な家庭事情が明らかになり、単純な善悪の対立を超えた真実が浮かび上がる。全6巻、文庫版の総ページ数3,199。オーディブル版の総再生時間およそ79時間の大作ではあるが、その長さを感じさせない、青春法廷小説。

火車|宮部 みゆき

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カードローン、リボ払い、後払いアプリ…借金に頼って生活をする人々の末路は、依然として悲惨だ。『火車』は、20年以上前に発表された作品でありながら、そのテーマは今も色あせることがない。失踪した女性を巡る物語が、カード・ローン地獄に飲み込まれた1人の人間の人生を描きだす。ヒリヒリとした緊張感と、宮部みゆきならではの濃密な人物描写に圧倒される。俳優の三浦友和さんの朗読も、作品の雰囲気を見事に引き立てていると感じた。

▼ 平野啓一郎作品

本心|平野 啓一郎

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愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは──急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。

格差問題、VR、死の自己決定性(安楽死)などがテーマの、2040年代が舞台の近未来小説。それだけ聞くと重く思えるかもしれませんが、割とさらりと聴けるさわやかな作品だと感じました。

また著者の提唱する「分人主義4が哲学的な主題として貫かれているそう…。(初読でそうした哲学的なテーマまで、100パーセント読み解くのは自分は難しかったです)

参考:平野啓一郎『本心』ロングインタビュー!「強調したかったのは、愛する人が他者であるということはどういうことなのかというテーマです」

娯楽として楽しむのもよし。何度か読み返して哲学的に思索する価値もある作品。

ある男|平野 啓一郎

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弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。愛にとって過去とは何か? 人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?「ある男」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。

しがらみを捨て “ちがう自分” になりたいときがあります。この本はその究極形。自分の過去や出自そのものを捨てるため、戸籍交換して別の自分になった “ある男” 。“ある男”が戸籍交換をしてまで捨てたかった過去は? 自分ならその過去を知って、それでも彼を愛せるだろうか?そんなことを考えさせられる作品。

▼ 村上 春樹作品

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド|村上 春樹

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“世界の終り” と “ハードボイルド・ワンダーランド” 2つの世界を交互に行き来しながら進行する不思議な物語。現実と幻想が交錯するプロットは複雑かつ、哲学的・心理学的なテーマが込められており、その意味すべてを理解するのはかなり難しい。が、すべてをたとえ理解しなくとも、村上春樹の優れた文章技術によって描かれる、謎めいた世界への冒険を、あなたもきっと楽しめるだろう。

ノルウェイの森|村上 春樹

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登場人物たちの内面の葛藤と喪失感が、殺伐とした都会の景色や京都の山奥の透き通った美しさが、深く繊細に描かれる恋愛小説。作品の世界に一度引き込まれたら最後、ラストまできっと戻ってこられない。個人的には、恋愛モノはどちらかと言えば苦手だし、登場人物たちにめちゃくちゃ共感できたわけでもないが、これはすごくよかった。

ねじまき鳥クロニクル|村上 春樹

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ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める…。魅力的な登場人物や独創的なエピソードの数々にずんずん引き込まれるが、比喩表現が多すぎて難解な印象を受ける部分も。しかし、その奥深さがまた楽しさでもあり。戦争や暴力、悪がテーマの1つになっており、著者の表現力も相まって、身の毛もよだつ描写も多数。苦手な人は十分注意して読まれることをおすすめする。

辺境・近境|村上 春樹

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¥3,000 (2022/12/29 15:33時点 | Amazon調べ)

久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町……。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃! 旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。

村上春樹さんのディープな旅の記録。氏の巧みな表現力も相まって、自分も遠くに旅しているような気分が味わえます。小説だとややとっつきにくさもある村上春樹さんですが、この本はすごく読みやすい。俳優永山瑛太さんのナイスボイスな朗読もGood。

▼ 青山 美智子作品

リカバリー・カバヒコ|青山 美智子

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現代社会に蔓延する言葉にできない「病み」を抱えた人々の物語。彼らは公園のカバの遊具「カバヒコ」と交流することで、少しずつ立ち直っていく。私たちは誰しも、心の奥にカバヒコを求めているのかもしれない。そっと触れることで、癒しと再生を手に入れられるような存在を。青山さんの描く「リカバリー」の物語は、そんな希望の光を与えてくれる。

月の立つ林で|青山 美智子

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日常の中に潜む見えない人とのつながりと、人間の心の奥深さを描いた感動作。連作短編の各章に出てくる、モヤモヤとした思いを抱えた主人公たち。彼らが共通して聴く、月をテーマにしたポッドキャスト『ツキない話』がハブとなり、主人公たちに新しい気づきをもたらし、ストーリーを絶妙につなげていく。月の立つ夜、心の内側が照らされる。

▼ その他作家の作品

成瀬は天下を取りにいく|宮島 未奈

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滋賀の膳所に住む、型破りな少女・成瀬の青春を描いた物語。彼女は、周囲の反応など気にせず、次々と奇想天外な行動に出る。閉店間近のデパートに通い詰めたり、唐突にお笑いの頂点を目指し始めたり。

成瀬のように生きる強さを、私たちは持っているだろうか。彼女の言葉や行動に触れるたび、私たちは自分に正直に生きることの尊さを思い出す。本屋大賞2024 大賞受賞作。

すべてがFになる|森 博嗣

孤島の研究所で起こる密室殺人。最初の殺人が起こるシーンで、まず度肝を抜かれる。ちょっぴりミステリアスな登場人物たち、作中の独自の世界観と緻密なプロットに、ミステリー愛好家ならきっと虜になってしまうだろう。はたまた SF やファンタジーにも通じる要素があるのも、幅広く人気を集める理由なのだと感じた。

六人の嘘つきな大学生|浅倉 秋成

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リアルな就活の舞台に、ミステリーの要素を巧みに織り交ぜた大人気小説。登場人物は、一見すると優秀で理想的な学生たち。しかし、物語を追うごとに、彼らの内に秘められた嘘や葛藤が、徐々に露わにされていく。内定を巡る争いのなかで、競争社会や倫理観の問題も浮き彫りになっていく、社会派な作品でもあると感じた。就活に葛藤を抱えた経験のある人には特におすすめ。

アリアドネの声|井上 真偽

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地下都市の迷宮で繰り広げられる、息をのむような救出劇。主人公ハルオと彼の仲間たちは、見ることも聞くことも話すこともできない女性を救うべく、ドローンを操り壮絶な戦いに挑む。極限の中で輝く、人間の不屈の精神と、他者を想う深い慈しみが、私たちの心を強く打つ。大人から子どもまで、幅広い世代の人におすすめしたい。

店長がバカすぎて|早見 和真

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舞台は架空の書店、契約社員の谷原京子の奮闘を通して、現代の出版業界や書店のリアルな姿が描かれる。笑い、感動、謎解き、ちょっぴりロマンス(?)など、いろんな要素を含んだ魅力的な1冊であり、引き込まれること間違いなし。本は本屋で買う派のあなたにも、アマゾンでポチる派あなたにも、絶対に読んでほしい。本好き必読の物語。

ロクヨン|横山 秀夫

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7日間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件(通称 “ロクヨン”)をめぐる、警察ミステリー。警察広報と記者クラブの対立や、未解決事件の影響が交錯する中、主人公である三上義信警視の内省と行動が、迫真のリアリティを持って描かれる。いろんな要素が複雑に絡み合い「これ、どう帰結するんだ?」と思えてくる‥‥が、ラスト、息をのむ展開に。熱気冷めやらぬ読後感を、あなたもぜひ。

ピアノマン:『BLUE GIANT』雪祈の物語|南波 永人

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読むとジャズが聴きたくなる。本家『BLUE GIANT』は未読のため、予備知識はゼロ。よくある非凡な主人公の成功ストーリーかと、少し冷めた気持ちで読み始めたが… いやはや何度も心が熱くなった。リズムが、音色が、演者たちの躍動が、文章から溢れ出す。圧巻の青春音楽小説。

汝、星のごとく

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瀬戸内海の小さな島を舞台に、家族の問題に直面しながらも愛を育んでいく2人の若者の物語。恋愛に限らず、ヤングケアラーや地域共同体、人生の選択といった多彩なテーマが網羅される。読者は自身の人生と重ね合わせながら、さまざまな思索に耽ることだろう。登場人物の抱えるものの重さとは裏腹に、筆致が見事に美しい。その対比に、不思議な魅力を感じた。

爆弾|呉勝浩

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物語の主人公であり、爆弾犯を自供するスズキタゴサクが強烈。酒に酔って暴行事件を起こして警察に捕まったスズキは、突如、都内で起こる爆破事件を予言し始める。彼は、自分を愚鈍でダメな人間だと卑下しながらも、巧みな話術で刑事たちの心を翻弄する。冴えない中年男が仕掛ける、狂気の心理戦をお楽しみあれ。

可燃物|米澤 穂信

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2023年ミステリーランキング3冠を達成。
主人公の葛警部は、無駄な言葉を使わず、ひたすら事件解決に向けて突き進む。その孤高な姿に、惹きつけられずにはいられない。緻密な謎解きと、警察組織の内部を描写したリアリティーも見事な短編集。

正体

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かつてこんなにも主人公に感情移入してしまったことはあっただろうか。埼玉一家惨殺事件の未成年死刑囚、彼の脱獄488日を追う。東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、人手不足の介護施設…。逃亡と潜伏をくり返す彼の目的とは? 転々とする中で彼が出会う社会的に弱い人々の姿も、深く描かれる。また1つ、忘れられない作品に出会った。

方舟|夕木 春央

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山奥の地下建築に閉じ込められた主人公たち。しかもそこは1週間後に水没するという厳しい状況の中で、殺人事件が発生する。息が詰まるような極限状況での謎解きに引き込まれ、寝る間を惜しんで一気聴きすること必至。(といっても、なかなかに怖いので、夜中に聴くことは本当はおすすめしないが…)衝撃のラストシーンもお見逃しなく。

告白|湊 かなえ

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「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

湊 かなえさんのデビュー作にして、本屋大賞も受賞した超有名作。設定がガバガバだという批判もありますが、細かいところは置いておけば、十分楽しめる作品だと感じました。登場人物1人1人の主観によって語られていくのですが、同じ出来事でも全然とらえ方が異なっており、そうした違いが面白くもあり怖くもあり…。

沈黙|遠藤 周作

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もし神が実在するとしたら、なぜこんなにも理不尽な不幸が絶えないのか。そんな疑問に考えを巡らせたことはないだろうか。物語は江戸初期の長崎、キリスト教が厳しく禁じられた時代に、日本にやってきたポルトガル人宣教師ロドリゴたち。彼らは迫害を受ける日本の信者たちを目の当たりにする。「主よ。あなたがいつも沈黙していられるのを恨んでいました」「私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」〈神の沈黙〉という永遠のテーマに深い問いを投げかける、重厚な歴史小説。

#真相をお話しします

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不妊治療、リモート飲み会、YouTuber など、 “今” っぽいテーマを軸に話が展開されていく短編集。1つ1つはサクッと聞けるし、エンターテイメントとして気軽に楽しめる1冊。昨年もっとも売れたミステリー小説とのことで、2023年本屋大賞にもノミネートされています。

同志少女よ、敵を撃て|逢坂 冬馬

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第二次世界大戦下のソ連を舞台に、少女の復讐と成長を描いた戦記小説。独ソ戦が激化する中、母を惨殺されたセラフィマは、赤軍の女性狙撃兵イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」という問いかけに、彼女は一流の狙撃兵になることを決意する。
著者の緻密な取材に基づく、リアルな戦場描写が圧巻。読者は、セラフィマとともに過酷な訓練を乗り越え、次第に一人前の狙撃兵へと成長していく。戦争の悲惨さと、それでも生き抜こうとする人間の強さを描き切った、2022年本屋大賞受賞作。

歌われなかった海賊へ|逢坂 冬馬

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1944年、終戦が迫るナチス支配下のドイツで、自由を求め反旗を翻した若者たちの姿を追う。ヴェルナー、レオ、フリーデの3人が中心となり展開する物語は、ただの若者の反抗記ではない。線路の先に広がる残酷な現実と対峙する中で、何が真の勇気かを深く掘り下げる。個人的には『同志少女よ、敵を撃て』よりも好き。

硝子の塔の殺人|知念 実希人

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雪深い森に佇む美しく巨大な硝子の塔に、一癖も二癖もある招待客が集められる。そこで起こる連続殺人事件の謎を、名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が解き明かしていく。
緻密に張り巡らされた伏線、読者への挑戦状のような仕掛け、そして衝撃のラストに至るまで、ミステリの醍醐味が存分に詰まった傑作。

八日目の蝉|角田 光代

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実の親子でありながら、子に対してひどい仕打ちをする親がいる。その関係は本当に親子と呼べるのだろうか。誘拐された子が誘拐犯によって愛情深く育てられたとする。彼らの間には親子関係が成立するのだろうか。

不倫相手との子を身ごもり、堕胎した経験をもつ希和子。彼女はある日、不倫相手の男の家に忍び込み、彼の妻が産んだ赤ん坊「薫」を誘拐、世間から逃避しながらわが子として育てていく。希和子の果てしない孤独と焦燥、垣間見える薫への愛、誘拐犯に育てられた薫の心の傷…。すべてがあまりに切ない。小豆島の美しい描写が物語を彩り、この作品はあなたの心に忘れられない感動を残すだろう。

犯罪者|太田 愛

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¥4,000 (2022/10/03 17:26時点 | Amazon調べ)

「読んだ」という記憶をなくし、まっさらの状態でもう一度楽しみたい小説が、ごく稀にある。『犯罪者』は私にとって、そのような作品の1つだ。白昼の駅前で発生した通り魔殺人から幕を開ける物語は、圧倒的な緊張感とスリリングな展開に満ちており、最後まで息をのむような緊迫感が絶えない。説明不要。作品の世界に身を委ね、時が経つのを忘れる読書体験をぜひ味わってほしい。

▼続編の『幻夏』も名作。犯罪者を聴いた後に、あわせてどうぞ。

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少年と犬

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¥3,000 (2022/09/14 07:05時点 | Amazon調べ)

愚愚かな人間、不幸な人間を、”多聞たもん” と呼ばれる1匹の犬が癒してくれる6つの短編集。東日本大震災で飼い主を亡くし、野良犬となった “多聞” は、次々といろんな人に飼われていく。物語の主眼はむしろ飼い主である人間のドラマにあり、 “多聞” の姿を通して、普遍的な人間の葛藤や喜びが描かれる。犬好きの人には特におすすめ。ラストは涙なしに読めないかも…。

推し、燃ゆ

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逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。

あなたには「推し」がいるでしょうか?もしあなた自身、生きがいとなるような「推し」がいるならば、きっとこの物語に共感できることでしょう。これは必ずしもフィクションではなく、この物語の主人公のように「推し」によって生かされている人ってきっとたくさんいる。そんなことを感じさせてくれる作品でした。

天気の子

著:新海 誠, ナレーション:醍醐 虎汰朗, ナレーション:森 七菜, 出版社:KADOKAWA
¥3,000 (2021/08/23 16:43時点 | Amazon調べ)

高校1年の夏、帆高(ほだか)は離島から家出し、東京にやってきた。連日降り続ける雨の中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は不思議な能力を持つ少女・陽菜(ひな)に出会う。
「ねぇ、今から晴れるよ」。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――。

アニメ映画としても有名なこちらの作品。オーディブル版でも、映画で主人公役をしている声優2人が朗読をされており、聞き応えはありました。

ただ肝心のストーリーですが、個人的にはそこまで大きな感動とかはなく…。(ちなみに、映画の『君の名は』は結構ハマった方です)難しいことをあまり考えず、サクッと楽しむのにオススメな作品です。

変な絵|雨穴

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何気なく描かれた絵の奥には、人間の複雑な心理が秘められているという。犯罪者が描いたとされる絵、我が子の誕生を待ちわびる男性のブログにアップされた絵、幼児が描いたマンションの絵。一見無関係な数枚の “変な絵” が、予測不能な展開へと繋がっていく…。audible でも PDF ファイルで “変な絵” を確認できるので、あなたも絵をじっくり見て、謎解きに挑戦してみてほしい。

6. 「小説(外国人作家)」のおすすめ

ザリガニの鳴くところ|ディーリア・オーエンズ

1950年代のアメリカ南東部の湿地に暮らす少女、カイア。家族が去り、父親も暴力で姿を消し、彼女は孤独な生活を送る。母の教えを頼りに生きる中、彼女の苦悩と絶望が描かれる。物語後半はサスペンスに満ち、ラストシーンには大きな衝撃を受ける。

著者のディーリア・オーエンズは動物学者。作中の美しい自然描写や、動植物の専門知識は彼女の経験に裏打ちされており、読者に深い感動を与える。『ザリガニの鳴くところ』は、家族に捨てられた少女の成長物語であり、ミステリー小説であり、差別や環境破壊などがテーマの社会派作品でもあり…さまざまな角度から楽しめる、重層的な作品である。

プロジェクト・ヘイル・メアリー|アンディ・ウィアー

著:アンディ ウィアー, 翻訳:小野田 和子
¥990 (2023/08/17 07:36時点 | Amazon調べ)

未知の宇宙船で目覚めた主人公が、人類の存亡にかかわる使命を果たす、壮大な冒険と出会いを描いた SF 巨編。終末的な状況に瀕しても、前向きな気持ちを忘れない主人公。彼の姿勢と決断に、私たちも大きく勇気づけられる。ラストシーンの美しさも心に残る。科学的なリアリティとキャラクターの魅力が見事に調和し、宇宙探査の冒険を楽しみながら、感動も得られる1冊。

そして誰もいなくなった|アガサ・クリスティ

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『十角館の殺人』に衝撃を受けすぎて、その元ネタということで読んだが、こちらも面白かった。古典というとなんとなく読みにくいイメージを持ちがちだが、そこは心配無用。シンプルな設定ながら、緻密な推理とキャラクターの心理描写が絶妙に組み合わさり、あれよあれよという間に衝撃のラストへと突き進む。人間の心理を探る鋭い洞察力が光る、単なるミステリー小説を超えた、傑作小説。

モモ|ミヒャエル・エンデ

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時の流れや人間関係に対する深い洞察と、幻想的な世界観が見事に融合した、ファンタジーの傑作。主人公モモ、道路清掃夫のベッポ、観光案内のジジ、灰色の男たちなど、独特のキャラクターたちも魅力的。“時間短縮” をしているはずなのに、逆にどんどん慌ただしくなっていると感じることはないだろうか。時間とは、ゆたかに生きるとは。『モモ』の世界にじっくり浸り、考えたい。

ハリー・ポッターと賢者の石

著:Rowling, J.K., 翻訳:Matsuoka, Yuko
¥600 (2022/03/18 19:14時点 | Amazon調べ)

ハリー・ポッターは孤児。意地悪な従兄にいじめられながら11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いだと知る。キングズ・クロス駅、9と4分の3番線から紅色の汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ。ハリーを待ち受けていたのは、夢と、冒険、友情、そして自分の生い立ちをめぐるミステリー。
ハリーはなぜ魔法界で知らぬものが無いほど有名なのか? 額の傷はなぜか? 自分でも気づかなかったハリーの魔法の力が次々と引き出されてゆく。そして邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決。

言わずもなの大人気シリーズ『ハリー・ポッター』も、オーディブルなら全巻聴き放題。作品のおもしろさもさることながら、俳優の風間杜夫さんの朗読も味わい深くてGOOD!子どもの読み聞かせにもおすすめです。

『三体』シリーズ|劉 慈欣

著:劉 慈欣, 著:立原 透耶[監修], 著:大森 望, 著:光吉 さくら, 著:ワン チャイ[訳], ナレーション:祐仙 勇, 出版社:Audible Studios/早川書房
¥4,000 (2021/08/21 23:44時点 | Amazon調べ)

中国 SF の傑作として世界中で高い評価を受けている『三体』シリーズ。1〜3部、しかも2・3部は上下巻ある超・長編小説。長いだけでなく、ストーリーを追うごとに、スケールはどんどん壮大に、SF としての骨太さも増していく。己の思考のスケールはるかに凌駕した、『三体』でしか味わえない打ちのめされるような読書体験ができることを約束する。

物語は第1部である『三体』から幕を開ける。文化大革命で父親を失い、絶望に沈む中国のエリート科学者・葉文潔イエ・ウェンジエ。彼女は巨大なパラボラアンテナを備えた軍事基地にスカウトされ、そこで地球の運命を左右する、驚くべき事態の引き金を引いてしまう…。

なお、個人的にもっとも面白いと感じたのは第2部『三体II 黒暗森林』であるが、このシリーズは第1部から順番に読まなければならない。未読の方は、必ず第1部から始めてほしい。

一九八四年|ジョージ・オーウェル

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「史上最高の文学100」にも選出される、ディストピア小説の金字塔。現代社会の警告と未来への危機感が込められ、情報操作や監視社会の恐怖がリアルに描かれる。後半、怒涛の展開は恐怖そのもので、ただただ圧倒される。読了後の感触もまったく心地良いものではないが、読んだ甲斐はあったと素直に思う。一生に一度は体験する価値のある作品。チャレンジする方は、覚悟の上おためしあれ。

7. 「ライトノベル(ラノベ)」のおすすめ

本好きの下剋上

とある女子大生が転生したのは、識字率が低くて本が少ない世界の兵士の娘。いくら読みたくても周りに本なんてあるはずない。本がないならどうする?作ってしまえばいいじゃない!目指すは図書館司書!本に囲まれて生きるため、本を作るところから始めよう! 緻密な世界観と多くの魅力的なキャラクターで大人気を集める本作が待望の書籍化!本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー!

食わず嫌いだった「ライトノベル」ですが、見事どハマりした作品。ライトノベルによくあるいわゆる「転生もの」なのですが、ストーリーもさることながら登場人物が魅力的です。主人公のマインをはじめ、マインの家族、ルッツやベンノ、1人1人がやさしく一生懸命。笑いあり涙ありで、子どもから大人まで安心して楽しめることでしょう。

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