\この記事を読むメリット/
「オーディブルで小説を聞きたいが、どの本を聴こうか迷っている」
「小説好きでオーディブルに登録したいが、どんな本が聴けるのか知りたい」
そんなあなたのために、Amazonのオーディオブックサービス、Audible(オーディブル)で聴くべきオススメ小説を厳選。
この記事に出会っていただき、心より感謝いたします。オーディブルを活用し、月間10冊以上読むあつくてゆるい(@atsukuteyurui)と申します。
オーディブルといえばビジネス書のイメージが強いのですが、個人的にイチオシなのが小説。声優・俳優さんなどプロの朗読により、小説の登場人物たちに魂が吹き込まれ、新たな作品へと昇華されていくのが実に圧巻です。
筆者がすでに読んで「これはよかった!おすすめしたい!」という作品を中心に、オーディブルで聴けるおすすめ小説をまとめます。

読んでくださった方にご満足いただけるよう、誠実に、わかりやすく書くことを心がけています!しかし、本の内容や、選び方などで質問あればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。精一杯対応させていただきます。
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Audible(オーディブル)おすすめ小説まとめ【作家別】

池井戸 潤
半沢直樹2 オレたち花のバブル組
▼聴き放題 対象

銀行本店営業部に異動した半沢直樹が押しつけられたのは、巨大損失を出した老舗ホテルの再建という頭取命令だった。銀行内の見えざる敵、金融庁検査官・黒崎との対決、出向先での執拗ないびり。やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。その流儀を貫く半沢は、次々に襲いかかる逆境をどう切り抜けるのか――?
半沢直樹シリーズは全巻オーディブルで揃っています。しかし『半沢直樹』はドラマの出来がよすぎて、小説がやや物足りなくか感じるかも…。
そんな中で、おすすめなのが『半沢直樹2 オレたち花のバブル組1』。半沢の同期の近藤がアツい。大和田常務、黒崎検査官などお馴染みのキャラもこの回で登場します。
半沢直樹 アルルカンと道化師
▼聴き放題 対象
東京中央銀行大阪西支店の融資課長、半沢直樹のもとにある案件が持ち込まれる。
大手IT企業ジャッカルが、業績低迷中の美術系出版社・仙波工藝社を買収したいというのだ。大阪営業本部による強引な買収工作に抵抗する半沢だったが、やがて背後にひそむ秘密の存在に気づく。有名な絵に隠された「謎」を解いたとき、半沢がたどりついた驚愕の真実とはーー!?
こちらの最新作もかなりおすすめ。物語は、時系列的にいうと1作目のさらに前まで戻ります。物語のキーパーソンとなる画家たちの友情に、グッと込み上げてくるものがあります。
陸王
▼聴き放題 対象
勝利を、信じろ。
埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、足袋作り百年の老舗。日々資金繰りに頭を悩ませる宮沢社長は、足袋製造の技術を生かしたランニングシューズの開発を思いつく。
伝統と情熱、そして仲間との強い結びつきで、こはぜ屋は一世一代の大勝負に打って出る! ドラマ化(TBS日曜劇場 主演:役所広司)でも話題を呼んだ、感動の物語。
池井戸作品は数多く読みましたが、その中でもトップクラスにおすすめ。ナレーターの高川裕也さんの朗読もうますぎて、もはやラジオドラマ。
○よい感想
下町ロケットと同じように、本当に小さな会社が大手と戦う。
そして、池井戸潤を読んだ方はわかるように必ず、読後、清々しい気持ちにしてくれる。
たしかにロケットと足袋では、全然、内容も違います。
ただ、モノづくりに対する理念は同じ。
たしかに、池井戸潤の作品は読者のかたならわかるように、結果的にはいつもの展開。
でも、やっぱり何か新しいと感じさせられます。
それはネタバレになってしまうので詳細は書きませんが、個人、個人が抱えている悩み、挫折、葛藤、再生、それが下町ロケットとはかなり異なると思います。
とても細かく描写されています。
同じモノづくりでもロケットと靴はコスト、規模、全部、異なります。でも、結果はおなじみのパターン。
でも、やはり斬新さを感じれるのは、今回の作品には、挫折をどう乗り越えるか、個人、個人の抱えている過去、現在があり、とても人間らしいところに焦点が当てられています。
ロケットと靴、だから、靴のほうが身近だから感じれるのではなく、人間が描かれているのです。
それは、誰もが少なからず抱えたことのある感情がどの登場人物にも織り込まれているからだろう。
下町ロケットやアキラとアキラなど池井戸潤作品はどれも面白いい。
だが、この作品は結果はどうであれ、やはり新しさを感じずにはいられない。
●悪い感想
池井戸さんの本をいくつか読んでみて,これもそうですが,善人と悪役がはっきりしすぎていてつまらなかったです。悪役は,これでもかというくらい嫌~な人物で,そして必ず最後はその悪役がギャフンといわされる。子供向けストーリー展開を,ビジネスに置き換えたような印象を受けた。専門分野を知識のない人でも楽しめるように書くセンスは素敵だけど,読んでいて,どれも最終着地(主人公その他善人キャラはハッピー,夢が叶う,悪役は沈んでいく)が丸見えで,やっぱりそうなるのかと最後は残念な気持ちになる。
鉄の骨
▼聴き放題 対象
中堅ゼネコンの若手、富島平太が異動した先は、“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。
恋人の萌との関係もぎくしゃくし、悩みはつきない平太。技術力を武器に、真正面から地下鉄工事の入札に挑もうとする平太らの前に、「談合」の壁が立ちはだかる。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ!
主人公である富島平太と彼の上司たち、建設業界の影のフィクサー三橋など登場人物が魅力的な作品。
くわえて注目したいのが、富島の恋人、萌の悪女っぷり(笑)すれ違っていく恋の行方も気になりすぎて、長めの作品ではあるのですがあっという間に聴いてしまうことでしょう。
空飛ぶタイヤ
▼聴き放題 対象
走行中のトレーラーのタイヤが外れ歩行者の母子を直撃した。車両の製造元であるホープ自動車が出した結論は、「運送会社の整備不良」。納得できない運送会社社長・赤松徳郎は、真相を追及しようとする。赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況に陥るが……!? 本作映画に出演の俳優・高川裕也さんによる朗読版!
三菱自動車リコール隠しという、現実の事件が題材となっている傑作小説。総再生時間20時間の大作ですが、その分作品としても非常に厚みがあります。
登場人物の描写もとても緻密。主人公に感情移入もできるし、敵役もとことん憎くなることでしょう。作品のよさを、高川さんの朗読がさらに引き立てます。オーディブルでこそ聴く価値あり。
七つの会議
▼聴き放題 対象
きっかけはパワハラだった。万年係長がエリート課長を社内委員会に訴える。しかし役員会が下したのは、不可解な人事。二人に何かあったのか。この会社には何が起きているのか――。
夢は捨てろ。会社のために、魂を売れ。”働くこと”の意味に迫る、傑作クライム・ノベル!
舞台となる東京建電、その親会社のゼノックスがとにかく腐敗しまくっており、「この件、隠蔽する」「この会議に、議事録はない!」といった“逆名言”が満載。
映画化もされていますが、原作は少し違うので映画を見た人でも十分楽しめます。ナレーターの平川 正三さんの朗読もすばらしい。
伊坂 幸太郎
グラスホッパー
▼聴き放題 対象
「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
ファンが多い“殺し屋シリーズ”最初の作品が『グラスホッパー』です。生田斗真さん主演で映画化もされています。伊坂作品らしい、バラバラだった伏線が一つにつながっていくのがとても気持ちいい作品。
○よい感想
とても面白いです。
ターゲットを心理的に自殺に追い込む「鯨」、圧倒的身体能力を持つナイフ使い「蝉」といった殺しを生業とする二人の男の描かれ方がハードボイルドな感じでとても良いですね。
本書は、上記二人の殺し屋の、プロとして視点に加え、妻を殺された復讐心から怪しい組織の社員となった、元教師の「鈴木」の視点を合わせた三つの立場からそれぞれ語られていく手法がとられています。
この「鈴木」パートは、復讐という目的がありながら、鈴木のお人好しな性格から、追い詰められた状況にあっても絶望感よりユーモア感が漂う、これまでの伊坂幸太郎を感じさせるパートです。
魅力的なキャラクターの存在、ぐいぐいと読ませる面白さで全体としてバランス良く、読後感も爽快です。
次は、さっそく続編の「マリアビートル」を読んでみたいと思います。
●悪い感想
中盤まではバラバラの殺し屋たちの動きが段々と絡み合ってきてさぁどうなる!って感じで面白かった。けど終盤は「は?」って感じで終わってしまう。
理解ができずもう一度読んで、さらにググって解説を読んで「ふーん。なるほど。」って感じ。
“殺し屋シリーズ”は第2弾『マリアビートル』第3弾『AX アックス』へとつながっていきますが、順番通りに読むのが必須。
ペッパーズ・ゴースト
▼聴き放題 対象
少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。
伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!
2021年に発売された伊坂 幸太郎さんの最新作。最初バラバラに見えた物語が、徐々にひとつにつながっていく見事な伏線回収は圧巻。
逆ソクラテス
▼聴き放題 対象外
【2021年本屋大賞ノミネート作】【第33回柴田錬三郎賞受賞作】
——僕は、そうは、思わない。敵は、先入観。世界をひっくり返せ! 伊坂幸太郎史上、最高の読後感。デビュー20年目の真っ向勝負!無上の短編5編(書き下ろし3編を含む)を収録。
<収録作>「逆ソクラテス」「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」
“自分が知らないことを知っている(無知の知)”がソクラテス。「逆ソクラテス」はその逆。つまり“知ったつもりで、何一つ知らない”ということ。“偏見”や”先入観”がテーマの短編5つの短編集。
死神の精度
▼聴き放題 対象
1、CDショップに入りびたり、 2、苗字が町や市の名前であり、 3、受け答えが微妙にずれていて、 4、素手で他人に触ろうとしない。 ――そんな人物が身近に現れたら、それは死神かもしれません。1週間の調査ののち、その人間の死に〈可〉の判断をくだせば、翌8日目には死が実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。
死神が主人公の6つの短編集。金城武さん主演で映画化もされており、伊坂幸太郎作品のなかでもファンの多い作品の1つ。「死」がテーマではあるものの、決して重い物語ではありません。
▼続編の『死神の浮力』もオーディブルにあります。
カズオ・イシグロ
クララとお日さま
▼聴き放題 対象外
ノーベル文学賞受賞第一作カズオ・イシグロ最新作、2021年3月2日(火)世界同時発売! AIロボットと少女との友情を描く感動作。
カズオイシグロ作品の中ではとっつきやすく、それでいていろいろと考えさせられる傑作。切ない読後感。読んだあとの余韻はこれまで読んだ小説のなかでも随一です。
AI搭載のロボット少女が主人公(語り手)の物語。
科学と人間の在り方について考えさせられる。
物語の始めの方から、なんとなく不穏な雰囲気だ。和やかでほっこりするようなエピソードの時にも、読んでいて不安が常につきまとう。読み進めるうちに、登場人物たちの考えが少しずつ明らかになってきて、背筋が寒くなってくるところもある。が、読後は、穏やかな気持ちに包まれるし、もう一度読んでみたい、とも思わせる。著者の作品の中でも、最高の読後感かもしれない。
人を助けたいと思い、根拠が薄い迷信のようなことでも信じて祈る、という最も人間らしい行動を、AIもするなんて、なんと皮肉で、そしてまた希望を感じさせる。
2017年にノーベル賞を受賞したときの記念講演で、著者は「人工知能」や「遺伝子編集」「野蛮な能力主義社会」などへ危惧を語っていた。それらが形となったのが本作ということか。
▼あわせて読みたい
日の名残り
▼聴き放題 対象外
〔ブッカー賞受賞〕短い旅に出た執事が美しい田園風景のなか古き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された外交会議の数々。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生きる。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞受賞作。
ノーベル賞作家、カズオ・イシグロ氏の1989年の作品。英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞を受賞。ラストシーンの美しさと読後感は、今まで出会った本のなかで3本の指に入ります。
俳優、田辺 誠一さんの朗読も耳に心地いい。
わたしを離さないで
▼聴き放題 対象外

介護人キャシーは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友たちも提供者だった。彼女は、施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。ブッカー賞作家の新たなる傑作。
綾瀬はるかさん、三浦春馬さんなどが出ているドラマにもなっている、カズオ・イシグロ代表作の1つ。
この作品は深く重く、私たちに心に突き刺さってきます。自分は読了直後のショックが大きく、すぐには立ち直れませんでした…。
同じカズオ・イシグロ作品でも、素朴な感動を味わいたい人は『日の名残り』や『クララとお日さま』から始めるのがオススメ。
吉田 修一
国宝
▼聴き放題 対象
俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ!
極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく。
作家生活20周年記念作品として放つ渾身の大作。
極道の家に生まれた喜久雄(きくお)が、歌舞伎の名家の養子になり、芸の道を極めていく物語。
数ある吉田修一作品のなかでもトップクラスの名作なのに加えて、歌舞伎役者の尾上菊之助さんの朗読がすごい。個人的、オーディブルで聴いてよかった作品No.1。
○よい感想
2007年の「悪人」の後、吉田修一は長期低迷に入ったように私には思えた。「路」「怒り」を除けば平凡な作品で、この2作さえ「悪人」の感動には及ばなかった。しかし、考えてみれば「悪人」のような高い完成度の作品を次々に発表するのは無理というものだ。だが、10年たってようやく「悪人」を凌駕する作品が現われた。「国宝」は、歌舞伎界という設定もユニークなら、そのストーリー、構成、文体にも凝った作者渾身の作品である。何より、上下巻700頁を一気読みの面白さなのだ。これは吉田修一の新たな代表作であり、現代日本の小説のなかでひときわ光彩を放つ傑作である。
●悪い感想
『怒り』を戦慄と興奮をおぼえながらひきずりこまれるようにして読んだ。その体験からいうと『国宝』はなぜか最後まで没頭できなかった。極道出身の天才女形を中心とした歌舞伎三代物語という強烈な題材を扱いながら意外と単純な話の展開になっている。そのわりに上方風のねっとりとした語りのクセが強すぎてすっと入ってこない。相当な勉強をして書いたのだと思うが、歌舞伎の解説が多すぎて煩く感じた。最後まで読みとおしたが、ワイドショーを途切れ途切れに見ているような印象しか残っていない。因果がめぐるサーガ系の小説で昨今面白いものに出会わないので期待していただけに残念。新境地にチャレンジしたのだと思うが、あまりよさがでていないと思った。
悪人
▼聴き放題 対象
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――九州地方に珍しく雪が降った夜、ひとりの土木作業員が、保険外交員の女性を殺害してしまう。そして、出会い系サイトで知り合った女性と逃避行に及ぶ。残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。
深津絵里さん、妻夫木聡さん主演で映画化もされている作品。
罪を犯した犯人、それは“悪人”なのでしょう。 しかし、その裏にはさまざまな“悪”の連鎖が渦巻いており、なにかのきっかけでそれが犯罪行為として芽を出している部分が現実世界でもきっとあります。
そうしたテーマが、吉田修一氏の巧みな人間描写によってリアルに描き出されています。
路
▼聴き放題 対象
1999年、台湾に日本の新幹線が走ることになり、入社4年目の商社員、多田春香は現地への出向が決まった。春香には忘れられない思い出があった。台湾を旅した学生時代、よく知らないまま一日を一緒に過ごした青年がいた。連絡先をなくし、それ以後ずっと会えないままだった……。
台湾と日本の仕事のやり方の違いに翻弄される日本人商社員、車輛工場の建設をグアバ畑の中から眺めていた台湾人学生、台湾で生まれ育ち終戦後に日本に帰ってきた日本人老人、そして日本に留学し建築士として日本で働く台湾人青年。
それぞれをめぐる深いドラマが台湾新幹線の着工から開業までの大きなプロジェクトに絡んでゆく。政治では問題を抱えていても、日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、台湾の風土とともに色鮮やかに描く渾身の力作。
NHKでドラマ化もされている作品。台湾新幹線プロジェクトを軸にしつつ、台湾人と日本人とのあたたかい人間模様が描かれます。
台湾の情景が目の前に浮かんでくるよう。読了後私は台湾に行きたくなりました。
宮部 みゆき
火車
▼聴き放題 対象
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作を俳優の三浦友和が朗読。
ヒリヒリと緊張感のある展開&描写にただただ痺れる。 ここまで物語に没入したのも、これまで読んだ小説の中で一、二を争います。
俳優の三浦友和さんの朗読もすばらしく、絶対に聞いてほしい傑作小説。
ソロモンの偽証
▼聴き放題 対象
クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か、自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、真実を求める生徒たちを描いた、現代ミステリーの最高峰。
全6巻、文庫版の総ページ数3,199。オーディブル版の総再生時間およそ79時間の大作。長かったですが、最後まで読んだ甲斐がありました。
ナレーターの羽飼まりさんの朗読も臨場感があって素晴らしかったです。書籍だと挫折しそうな長さですが、オーディブルだとスルスル聞いてしまうこと間違いなし!全力でおすすめします。
角田 光代
八日目の蝉
▼聴き放題 対象
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか……。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。
映画化・ドラマ化もされており、ファンの多い傑作小説。評判に違わず、ストーリーに引き込まれ、最後まで一気聞きしてしまいました。女性や小さい子をもつ親には特におすすめ。かなり切ない物語なので、涙なしには聞けないかも…。
今日も一日きみを見てた
▼聴き放題 対象
どこか飼い主に似たアメショーのトト。このやわらかくてあたたかい、ちいさな生きものの行動のいちいちに目をみはり、トイレの掃除をし、病院に連れていき、駆けずりまわって遊び相手をし、薬を飲ませ、いっしょに眠り、もしこの子がいなくなったらどうしようと家の人と話しては涙ぐむ日々――愛猫へのやさしいまなざしが、誰かを愛しく思うすべての人の心を揺さぶる、感涙のエッセイをオーディオブック化。
新海 誠
君の名は。
▼聴き放題 対象
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉と、東京で暮らす男子高校生・瀧
夢の中で入れ替わっていることに気づいた二人は――。
出会うことのない二人の出逢い。少年と少女の奇跡の物語。
大ヒット映画『君の名は。』の小説版。個人的には映画の方が好きですが、映画版のファン人、まだ映画を見ていない人にもおすすめです。
○よい感想
この小説版を読んで、映画で描かれてたけど気づかなかった心情や風景などが丁寧に書かれていた。
また、そもそも映画に映画では省略されていた描写もあり、「映画 君の名は。」を深く感じて観ることができた。
●悪い感想
映画のストーリーを再確認しつつ、各場面における登場人物の心の動きを文字で追うには良いと思いますが、映画で泣けなかった人がこれを読んで泣くような事は、まぁ起こり得ないと思います。
あくまでもこの映画が好きになった人が読むための本だと思います。
天気の子
▼聴き放題 対象

高校1年の夏、帆高(ほだか)は離島から家出し、東京にやってきた。連日降り続ける雨の中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は不思議な能力を持つ少女・陽菜(ひな)に出会う。
「ねぇ、今から晴れるよ」。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――。
アニメ映画としても有名なこちらの作品。オーディブル版でも、映画で主人公役をしている声優2人が朗読しています。
言の葉の庭
▼聴き放題 対象
雨の朝、高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野は出会った。雨と緑に彩られた一夏を描く青春小説。圧倒的な支持を受けた劇場アニメーション作品を、監督自ら小説化。
『小説 言の葉の庭』は、6人の登場キャラを主軸にした物語で構成され、入野自由や花澤香菜をはじめ、アニメでそれぞれのキャラを演じたキャスト陣を起用しています。
平野 啓一郎
本心
▼聴き放題 対象
愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?
『マチネの終わりに』『ある男』に続く、平野啓一郎 感動の最新長篇!
ロスジェネ世代に生まれ、シングルマザーとして生きてきた母が、生涯隠し続けた事実とは──急逝した母を、AI/VR技術で再生させた青年が経験する魂の遍歴。
格差問題、VR、死の自己決定性(安楽死)などがテーマの、2040年代が舞台の近未来小説。そう聞くと重く思えるかもしれませんが、割とさらりと聴けるさわやかな作品だと感じました。
また著者の提唱する「分人主義3」が哲学的な主題として貫かれています。娯楽として楽しむのもよし。何度か読み返して哲学的に思索する価値もある作品。
ある男
▼聴き放題 対象
弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住んでいる里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。
ところがある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に、「大祐」が全くの別人だという衝撃の事実がもたらされる……。
愛にとって過去とは何か? 人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を負っても、人は愛にたどりつけるのか?
「ある男」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
しがらみを捨て“ちがう自分”になりたいときがあります。この本はその究極形。自分の過去や出自そのものを捨てるため、戸籍交換して別の自分になった“ある男”。
“ある男”が戸籍交換をしてまで捨てたかった過去は? 自分ならその過去を知って、それでも彼を愛せるだろうか?そんなことを考えさせられる作品。
村上 春樹
ねじまき鳥クロニクル
▼聴き放題 対象
ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める…。駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。
初めて読んだ村上春樹作品。なかなかに強烈なインパクトのある長編小説でした。
魅力的な登場人物や独創的なエピソードの数々にずんずん引き込まれすが、比喩表現が多すぎて難解な印象を受ける部分も。しかし、その奥深さがまた楽しさでもあり。
戦争や暴力、悪がテーマの1つになっており、著者の表現力も相まって、身の毛もよだつ描写も多数。そういうものが苦手な人は十分注意して読まれることをおすすめします。
神の子どもたちはみな踊る
▼聴き放題 対象
しんと静まりかえった心の中のいちばん深い場所で、たしかに、それは起こった。生きること、死ぬこと、そして眠ること―1995年2月、あの地震のあとで、まったく関係のない六人の身の上にどんなことが起こったか?連載『地震のあとで』五篇に書下ろし一篇を加えた著者初の連作小説。
森見 登美彦
ペンギン・ハイウェイ
▼聴き放題 対象
ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。
ちょっと変わった10歳の主人公アオヤマくんの一人語りで進む、SFというよりも一夏の冒険&成長物語といった感じ。気軽に楽しめる作品です。描写される世界が美しく、想像力が掻き立てらます。アニメ映画化されており、そちらもあわせて観たくなりました。
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」は名言。
夜は短し歩けよ乙女
▼聴き放題 対象
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
有頂天家族
「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。
世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。
上橋 菜穂子
獣の奏者
▼聴き放題 対象
リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!
鹿の王
▼聴き放題 対象
強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。壮大な冒険が、いまはじまる――!
太田 愛
犯罪者
▼聴き放題 対象
白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う。
幻夏
▼聴き放題 対象
「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのか――少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。
【その他日本の作家】話題作
コンビニ人間/村田 沙耶香
▼聴き放題 対象
第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。
現代の実存を問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。
「30歳を超えてコンビニバイトはおかしい。その年齢だと結婚して子どもがいるのが“普通”である」このような“普通”や“常識”と呼ばれるものに、葛藤している人も多いのではないでしょうか?
『コンビニ人間』は読みやすい作品ですが、扱っているテーマはかなり深い。お笑い芸人、大久保佳代子さんの朗読にも注目です。
そして、バトンは渡された/瀬尾 まいこ
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大絶賛の2019年本屋大賞受賞作!
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。この著者にしか描けない優しい物語。
推し、燃ゆ/宇佐見 りん
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【第164回芥川賞受賞作】
「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。
テスカトリポカ/佐藤 究
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【 第165回直木賞受賞】
鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元!
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。第34回山本周五郎賞受賞。
宝島/真藤 順丈
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◆祝!3冠達成★第9回山田風太郎賞&160回直木賞受賞!&第6回沖縄書店大賞受賞!◆
希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、美しい海を、熱を、人間の力を。【あらすじ】
英雄を失った島に新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり、同じ夢に向かった。
火花/又吉 直樹
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300万部を突破し、第153回芥川賞受賞、同賞受賞作として単行本発行部数歴代1位を獲得した話題作。
売れない芸人徳永は、師として仰ぐべき先輩神谷に出会った。
笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。
笑いとは何か、人間が生きるとは何なのか。
人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ、「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。
少年と犬/馳 星周
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【第163回 直木賞受賞作】
傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。
犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。
ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。
その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。
そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。
だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……。
流浪の月/凪良 ゆう
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2020年本屋大賞受賞作。あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
古典名作集
夏目漱石名作集
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最初の長編小説『吾輩は猫である』から絶筆『明暗』まで
珠玉の14作品を発表順に収録。西欧的近代における自我や孤独、エゴイズム、愛する人や家族との確執……文学 を通して人間の本質を追求し続けた夏目漱石の作品は、現代でもなお多くの 人々の胸を打ち、広く読み継がれています。近代日本を代表する文学者であり、また思想家でもある漱石の言葉を落ち着いた朗読でご堪能下さい。
●収録内容
吾輩は猫である, 倫敦塔, 坊ちゃん, 草枕, 虞美人草, 夢十夜, 三四郎, それから, 門, 行人, 私の個人主義, こころ, 道草, 明暗
太宰治名作選
▼聴き放題 対象
■内容紹介
初期作品『ダス・ゲマイネ』から未完の絶筆『グッド・バイ』まで、珠玉の14作品を発表順に収録しています。
無頼の作家太宰治の名作を、プロの朗読でお楽しみください。■収録作品
ダス・ゲマイネ, 富嶽百景, 葉桜と魔笛, 畜犬談 —伊馬鵜平君に与える—, 駈込み訴え, 走れメロス, きりぎりす, 親友交歓, トカトントン, メリイクリスマス, ヴィヨンの妻, 斜陽, 人間失格, グッド・バイ
芥川龍之介名作選
▼聴き放題 対象
東京帝国大学在学中の作品『羅生門』から晩年の代表作『河童』まで、珠玉の29作品を発表順に収録しています。
今なお日本人を魅了し続ける芥川の名作を、プロの朗読でお楽しみください。◎収録作品
羅生門, 鼻, 芋粥, 煙草と悪魔, 戯作三昧, 地獄変, 蜘蛛の糸, 奉教人の死, 蜜柑, 魔術, 杜子春, 妙な話, 藪の中, トロッコ, 仙人, 侏儒の言葉, 猿蟹合戦, あばばばば, 一塊の土, 桃太郎, ピアノ, 尼提, 河童, 蜃気楼, 春の夜は, しるこ, 機関車を見ながら, 歯車, 或阿呆の一生, 水洟や 鼻の先だけ 暮れ残る(辞世の句)
海外作品
モモ/ミヒャエル・エンデ
▼聴き放題 対象
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。
“時間短縮”をしているはずなのに、逆にどんどん慌ただしくなっていると感じることはありませんか?
「忙しく毎日を過ごすけれども、どこか満ち足りない…」
この本は「時間とは」「ゆたかに生きるとは」などのテーマを考えるきっかけになるはず。
果てしない物語/ミヒャエル・エンデ
▼聴き放題 対象
バスチアンはあかがね色の本を読んでいた-ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前.その国を救うには,人間界から子どもを連れてくるほかない.その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年-ぼくのことだ!叫んだとたんバスチアンは本の中にすいこまれ,この国の滅亡と再生を体験する.
ハリー・ポッターと賢者の石/J.K.ローリング
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ハリー・ポッターは孤児。意地悪な従兄にいじめられながら11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いだと知る。キングズ・クロス駅、9と4分の3番線から紅色の汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ。ハリーを待ち受けていたのは、夢と、冒険、友情、そして自分の生い立ちをめぐるミステリー。
ハリーはなぜ魔法界で知らぬものが無いほど有名なのか? 額の傷はなぜか? 自分でも気づかなかったハリーの魔法の力が次々と引き出されてゆく。そして邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決。
星の王子様/サン=テグジュペリ
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砂漠に不時着した主人公と、彼方の惑星から来た「ちび王子」の物語。人の心をとらえて離さないこの名作は、子供に向けたお伽のように語られてきた。けれど本来サン・テグジュペリの語り口は淡々と、潔い。原文の心を伝えるべく、新たに訳された王子の言葉は、孤独に育った少年そのもの。ちょっと生意気で、それゆえに際立つ純真さが強く深く胸を打つ――。「大切なことって目にはみえない」。感動を、言葉通り、新たにする。
三体/劉 慈欣
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尊敬する物理学者の父・哲泰を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波は惑星〈三体〉の異星人に届き、驚くべき結果をもたらす。現代中国最大のヒット小説にして《三体》三部作の第一作
中国発大ヒットSF、シリーズ3部作(全5巻)の大作。かなり長いので、自分はオーディブルじゃないと挫折していたと思います。
このシリーズは名作だとは思いますが、好き嫌いは確実に分かれます。(「数学も理科も大の苦手!」という人は読み進めるのは辛いかと…)
チャレンジする場合は、1作目から必ず読むようにしましょう。
▼シリーズ2作目『三体Ⅱ 黒暗森林』個人的にはこれが一番面白かった。

▼シリーズ3作目『三体Ⅲ 黒暗森林』1作目2作目とくらべてハードなSFになるので、覚悟して読まれてください(自分は読み進めるのが結構苦しかった…)

アルケミスト: 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ
▼聴き放題 対象
羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドへ旅に出た。錬金術師の導きと様々な出会いの中で少年は人生の知恵を学んでゆく。世界中でベストセラーになった夢と勇気の物語。
81ヶ国語に翻訳され、全世界8500万部の大ベストセラー。ノーベル平和賞受賞のマララ・ユスフザイさん、オバマ元大統領や、ウィル・スミスなどなど多数の著名人の愛読書。
なのですが、個人的にそこまでハマったかというと、うーん…というのが正直な感想。
苦難や安定への誘惑があっても、自分の心の声を信じ抜く。そうすれば、全宇宙があなたの味方をしてくれる。迷いながらも前へと進み続ける、勇気がもらえる1冊だと感じました。
ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー
▼聴き放題 対象
私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。やがて彼は妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた。村上春樹の新訳で甦った名作『長いお別れ』
一九八四年/ジョージ・オーウェル
▼聴き放題 対象

〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する超全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは、真理省記録局で歴史の改竄に従事していた。彼は奔放な美女ジュリアとの出会いを契機に、伝説的な裏切り者による反政府地下活動に惹かれるようになる。世界文学に燦然たる足跡を残す傑作の新訳版。
夏への扉/ロバート・A・ハインライン
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ぼくの飼い猫のピートは、冬になると「夏への扉」を探し始める。家にあるドアのどれか一つが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、冷凍睡眠で未来へと送りこまれてしまったぼくは……永遠の名作を新版で刊行。映画化原作。
1956年初版。 タイムトラベルSF “永遠の名作”と名高いこちらの作品。2021年に山崎賢人さん主演で、映画化もされました。
小説はおもしろかったですが、大いに楽しめたか?と聞かれれば、やはり古典としての教養的な要素もあるかなぁ…という印象を自分は受けました。
50年代当時、作者は2000年の未来をこんな風に予想したのか!というのは興味深いです。
アウシュヴィッツを生きのびた「もう一人のアンネ・フランク」自伝/エディス・エヴァ・イーガー
▼聴き放題 対象

世界35万部突破のベストセラー!
ビル・ゲイツ(世界最大の慈善基金団体 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 創設者、
デズモンド・ツツ(ノーベル平和賞受賞者、反アパルトヘイト・人権活動家)絶賛バレエに夢中で、ハンガリーのオリンピック・体操チームの強化メンバーだったユダヤ人の少女エディスは、1944年アウシュヴィッツに強制収容される。父と引き離され、母はその日のうちにガス室へ。姉とともに過酷な日々が始まった。メンゲレに呼ばれてバレエを舞い、間一髪でレイプを逃れる。手にした一塊のパンを仲間と分けあう。死んだ仲間を食べるのではなく草を食べることを選び、諦めて死ぬのではなく生きることを選び続けた。
第二次大戦終了後も、ユダヤ人差別は消えない。過酷な収容所生活で体重は32キロになり、背骨を骨折し、胸膜炎を患ったエディスは病院に。そこで出会った裕福な男性と結婚、娘が誕生するが、夫にはチェコスロヴァキアの共産党政府による弾圧が待っていた。
夫の投獄を前に迫られる、「どこへ逃げるか?」という人生の選択。紛争が絶えないイスラエルに行くか。未知の世界のアメリカに行くか。1949 年、22歳のエディスが選んだのは自由の国アメリカ。しかし、自由の国は移民への言葉の壁と経済格差が立ちはだかる「不自由な国」だった。
それでもエディスは選び続ける――絶望の中から可能性を。選択とは自由の証しなのだ。懸命に働いてアメリカに溶け込み、3人の子どもを育て、大学を卒業したときは41歳。ヴィクトール・フランクルとの出会いに力を得て、50歳で心理学博士に。アウシュヴィッツから生還した臨床心理士として、PTSDに苦しむべトナム戦争帰還兵から虐待を受けた子どもたちまで、多くの治療にあたる。90歳を超えた現在もなお現役で「絶望の中から可能性を選ぶ」ことを提案している。
本書はアウシュヴィッツ生存者による類まれなメモワールであると同時に、「今、できることを選び続けた」女性が綴る、困難を超えて力強く生きるためのメッセージである。
ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ
▼聴き放題 対象外
ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…
みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。全米500万部突破、感動と驚愕のベストセラー。
家族に捨てられた少女の成長物語、ミステリー小説、差別や環境破壊などがテーマの社会派作品…いろんな角度から楽しめる重厚な傑作です。
○よい感想
2019年の全米ベストセラー小説。どうせ看板倒れでがっかりするんだろうな、という予感をみごとに裏切る読書体験になりました。読者は少女といっしょに闘い、悩み、悲しみ、成長する。少女が感じる大地の息吹を共有する。動植物、鳥獣たちとの交感を仮体験する。孤独の真実の意味を理解する。救いの手を差し伸べる黒人や少年に慈愛の思いを抱く。陥る窮地にはらはらする。最後は――やはりこういう結末でなきゃあね、と一種の胸すく思いとともに、じわっと込み上げてくるものを余韻として本を閉じる。象徴的なのは、父親が焼いてしまった母親からの手紙のわずかな燃えかすを後生大事にガラス瓶にしまう、彼女の心情。このガラス瓶が物語の最後に再び登場し、歳月と情愛の糸を読者の心に巻き付ける。作者はこの長編小説を書き上げたとき69歳。自然と人間の内奥をここまで迫真的に描くにはそれなりの人生の年輪が必要なのでしょう。
●悪い感想
見捨てられた環境で野生の中でなんとか生き抜く少女の厳しいサバイバルミステリー…と思って読むと途中から彼女は非常な美人で、頭がとてもよく、生物学と美術と文学に非常な才能を持ち合わせており、学校教育を受けていないのに恋人の教えで20そこそこで生態学の専門書の傑作を何冊も書くまでに…みたいな感じになり、そこで非常に冷めてしまいました…
彼女の置かれた逆境と彼女が簡単に発揮する才能やら美貌の強さが非常にアンバランスでリアリティがなく、なんだかディズニープリンセスみたいで非現実的だなと感じてしまいました。メアリー・アニング美少女版サクセスストーリーという感じです。
踏みにじられた女が逆境の中でシビアな現実と闘う物語は北欧ミステリーなどではわりとよく見られ、そっちを期待してしまったのですがこれはあくまでティ―ン向けノベルの亜種ですね。
そのように割り切って読むとシナリオ運びは丁寧で読ませる力はあり、読んでるときは楽しめたと思うので★3つです。