「啓蒙とはなにか」ってどんな本?
「啓蒙とはなにか」ってどんなことが学べるの?
このような人に向けて、カントの「啓蒙とはなにか」をわかりやすく要約。
↓「啓蒙とはなにか」はこちらに入っています。
カントの主張を超簡単に要約すると…
「啓蒙」とは、自分の理性を使い、自分の頭で考えること。
自分の頭で考えるための勇気ある一歩を踏み出せ!
というもの。
そして、人々に考え、発言する自由を与えさえすれば、啓蒙への道は開けると述べるのです。
18世紀の偉大なる思想家カントが訴える「自分の頭で考えることの大切さ」について、一緒に読み解いていきましょう。
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【カント】「啓蒙とはなにか」わかりやすく要約
著者のイマヌエル・カント(1724-1804)は、プロイセン王国(ドイツ)の哲学者。主著は『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の3つ。どれも難解だと言われています。
けれどもこの「啓蒙とはなにか」は短編ですし、とても読みやすいので、古典初心者にもとってもオススメ。
訳者の中山元氏によると、この論文「啓蒙とはなにか」は、もともと哲学者が孤独に、かつどこか生活とかけ離れておこなっていた「哲学」を、哲学者に限らず誰でもできるもので、いまここの社会や生活を対象とするものだと説いたという点において価値があります。
「啓蒙とはなにか」を以下の3つのポイントから読んでいきたいと思います。
【カント】「啓蒙とはなにか」わかりやすく要約
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啓蒙とは、自分の理性を使い、自分の頭で考えられるようになること
啓蒙の標語とでもいうものがあるとすれば、それは「知る勇気をもて」だ。すなわち「自分の理性を使う勇気をもて」ということだ。
「啓蒙とはなにか」カント(著)中山元(訳)
啓蒙とは、自分の理性を使い、自分の頭で考えられるようになることを意味します。
くわえて啓蒙は、人間が未成年の状態から抜けでることなのです。未成年の状態について、カントの定義を確認しましょう。
人間が未成年の状態にあるのは、理性がないからではなく、そっちの方が自分で考えなくていいから楽だし、そもそも自分の頭で考える勇気もないから。
したがって、ほとんどの人間は、実年齢としては立派な大人でも、死ぬまで他人の指示を仰ぎたいと思っているとカントは考えます。
自分の頭で考えるのは困難であり、危険であると考えがちです。けれども、実はそんなに大きなものではないとカントは言います。
数回は転ぶかもしれなませんが、そのあとはきっとひとりで歩けるようになる。大事なのは、勇気を出して、自分の頭で考えるその一歩を踏み出すことなのです。
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自由に考え、発言できさえすれば、人々は啓蒙へと歩み始める
個人が独力で歩み始めるのはきわめて困難なことだが、公衆がみずからを啓蒙することは可能なのである。そして自由を与えさえすれば、公衆が未成年状態から抜けだすのは、ほとんど避けられないことなのである。
「啓蒙とはなにか」カント(著)中山元(訳)
カントは他の論文や著作でも「啓蒙」つまり自分の頭で考えるにはどうすればよいかについて語っています。
そして、まず本書(啓蒙とはなにか)で提案されるのは、人々に自由を与えること、特に学者や哲学者に自由に発言させることです。
例えば、革命を起こせば、独裁的で間違った政治体制を転覆させることはできるでしょう。
けれども、それだけでは本当の意味で公衆の考え方を革新することはできず、結局は、新たな間違った体制が出てきて、歴史を繰り返すことになってしまうのです。
個人の理性を自由に使わせていくこと、意識そのものを変えていくことが、社会を根本的によりよくしていく上では必須のことだとカントは考えます。
このように、人々が自分の頭で自由に考えていくことをカントは「理性の公的な利用」と呼びます。一方で、いろんな制約の中で自由に考えられないことを「理性の私的な利用」と呼びます。
「公的」と「私的」の使われ方が、一般的なものとは逆になっているので、少し注意が必要です。
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啓蒙を推進することを禁じることは、人間性にたいする犯罪である
もしも一つの世代の人々が集まって誓約し、次の世代の人々がきわめて貴重な認識を拡張すること、誤謬をとりのぞくこと、さらに一般に啓蒙を推進することを禁じたとしたら、それは許されないことである。これは人間性にたいする犯罪とでも呼ぶべきものであろう。
「啓蒙とはなにか」カント(著)中山元(訳)
※一部改訳
「人間性の根本的な規定は、啓蒙を進めることにある」とカントは断言します。
つまり、自由に考えることを禁止し、啓蒙をまったく放棄することは、人間の本質を踏みにじる許されない行為なのです。
このことに関連して、カントは統治者についても言及します。
というのも、国民が啓蒙され、自分の頭で考えることができるようになると、それによって統治者の座が脅かされるように思えるかもしれないからです。
しかし、そんなことはないと、カントは述べます。
もはや機械ではなくなった、啓蒙された人間を、その尊厳にふさわしく処遇することこそが、統治者の側にも必ずや有益なものになるとカントは考えるわけです。
例えば、学校で学級担任の先生が、子どもにある程度自由を持たせながら、自分で考えて行動させる方針にしたとします。
一見それは問題が起きそうな気もします。
しかし、ルールでガチガチ縛り付けることで秩序を保っていたときよりも、楽に、反抗される危険もなく、上手に学級運営ができることが多々あります。このように、啓蒙には逆説的なところがあるとカントは考えます。
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まとめ
カントは「啓蒙」という概念を通して、自分の頭で考えること、自由に考えることの大切さを説きました。
しかし、今日の社会では問題が起こった時に、いろんなことを一律で中止にしたり、細かいルールを決めることで対処しようとする流れがあるように思います。
例えば学校で「いじめ防止の観点からあだ名を禁止する」という校則が話題になっています。
ただ、あだ名禁止をしてもいじめ防止にはちっとも効果がないというニュースも出たりしています。それは本来、大事なのはそういう表面的なルールではないことを示唆していると言えるでしょう。
それよりも、本来大事なのは「人が嫌がること、傷つくことってなんだろう」とケース・バイ・ケースでまさに「自分の頭で考えること」なはず…。
それをむやみに、ルールを際限なく増やすことで管理しようとするのは、カントが言う「未成年の状態」を継続させ、啓蒙への道を逆行することに他なりません。
こうした、現代の社会課題を考える上でもとても有効な「啓蒙とはなにか」は、古典初心者でもとても読みやすい本ですので、ぜひ一度手にとって読んでみられてはいかがでしょうか
↓「啓蒙とはなにか」
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