【ショーペンハウアー】『読書について』わかりやすく要約・解説

哲学

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『読書について』ってどんな本?
『読書について』ってどんなことが学べるの?

このような人に向けて、この記事ではショーペンハウアーの『読書について』をわかりやすく要約。

ショーペンハウアーの主張を簡単に要約すると…

ショーペンハウアー
ショーペンハウアー

読書に頼りすぎるな!自分の頭で考えよ!

というもの。

そして、どうせ読むなら悪書に手を出さず、良書を読め!そして考えよ!と彼は手厳しく伝えます。19世紀のドイツの哲学者ショーペンハウアーのちょっぴり過激な読書論を、一緒に読み解いていきましょう。

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【ショーペンハウアー】『読書について』わかりやすく要約

読書について
著者 :ショーペンハウアー(著)鈴木芳子(訳)
発行年:2013
※原著は『余録と補遺』(1850)より
出版社:光文社

著者のショーペンハウアー1(1788〜1860)は、ドイツの哲学者。主著は『意志と表象としての世界』(1819)です。

今回紹介する『読書について』は元々そういうタイトルの本があったわけではなく、『余録と補遺』の中に収められている「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」という3つの短篇たんぺんをまとめたもの。

タイトルとなっている「読書について」以外も、いずれも読書に関連するテーマなので、3つ通して読まれるとよいと思います。(もしくは、「自分の頭で考える」と「読書について」を先に読むのがオススメ)

読書に頼りすぎるな、自分の頭で考えよ

ショーペンハウアー
ショーペンハウアー

いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜吞みにした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある。

『読書について』(「自分の頭で考える」より)
ショーペンハウアー(著)鈴木芳子(訳)

ショーペンハウアーの基本スタンスは「読書に頼りすぎるな。自分の頭で考えよ!」ということです。彼は、とことん考え抜くからこそ、はじめて真に知ることができると主張します。

もちろん、さんざん苦労して、時間をかけて自分の頭で考えてたどり着いた真理や洞察が、ある本を見たら、さらりと書かれているということもあるでしょう。

しかし、自分の頭で考えて手に入れた真理と洞察には、読書で単に得た知識の100倍の値打ちがあるのです。ショーペンハウアーはこのような「自分の頭で考えること」すなわち「思索」と対比して「読書」を置きます。

「思索」は、ただ次から次へと本を読むだけの読書家には決して経験できないことなのです。

読書するとは、他人に考えてもらうことである

ショーペンハウアー
ショーペンハウアー

読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ。それは生徒が習字のときに、先生が鉛筆で書いてくれたお手本を、あとからペンでなぞるようなものだ。

『読書について』(「読書について」より)
ショーペンハウアー(著)鈴木芳子(訳)

みなさんは自分の頭で考えるのを止めて、読書にうつると、ほっとした経験はないでしょうか?筆者自身も論文を書いた後に読書に移ると、脳の負荷がとっても軽減されると実感することがあります。

このように、読書は考える作業だと感じるかもしれませんが、実はものを考える活動は大部分、棚上げされているのです。

ショーペンハウアーは「人生を読書についやし、本から知識をくみとった人は、たくさんの旅行案内書をながめて、その土地に詳しくなった人のようなものだ」と例えます。

これに対して「人生を考えることについやした人は、その土地に実際に住んでいたことがある人のようなものだ」と彼は言います。

学者、物知りとは書物を読破した人のことを指します。一方、思想家、天才、世界に光をもたらし、人類の進歩をうながす人とは、世界という書物を直接読破した人を意味するのです。

読むなら良書を。読んだらじっくり考えよ

ショーペンハウアー
ショーペンハウアー

悪書から被るものはどんなに少なくとも、少なすぎることはなく、良書はどんなに頻繁に読んでも、読みすぎることはない。悪書は知性を毒し、精神をそこなう。良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。なにしろ人生は短く、時間とエネルギーには限りがあるのだから。

『読書について』(「読書について」より)

ショーペンハウアー(著)鈴木芳子(訳)

「ショーペンハウアーは読書を完全否定しているのか?」と言われるとそういうわけではありません。彼は「一分でも空き時間ができたら、すぐさま本を手に取る」というような多読や読書依存を避けなさいと言います。

一方で、読書をした後に、自分の血肉にするように、反芻はんすうし、じっくり考えることを勧めるのです。また彼は、読書のためにどうせ時間をくなら悪書は避け、良書を読めと主張するのです。

ゆるい
ゆるい

ショーペンハウアーの言う「悪書」と「良書」の違いを以下に整理しておきます。

良書と悪書の違い

悪書の特徴
金儲けのために書かれた本、明快さを欠いた本、体裁ばかり取り繕った本、マニュアル本、書店で平積みされているような新刊書、二番・三番煎じの本(先人の知見を改悪している本)

良書の特徴
著者に思想や経験があり伝えたいことがはっきりしている本、解説本ではなく原著、テーマの創始者・発見者の本、その分野で高い評価を得ている大家の本、歴史を耐え抜いてきた偉大な古典


無数の悪書は、この世界に生い茂る雑草のようなもので、小麦から養分をうばい、小麦を枯らしてしまいます。つまり悪書は、本来なら良書とその高尚こうしょうな目的に向けられるべき時間と金と注意力を、読者からうばいとるのです。

私たちが本を読む場合、もっとも大切なのは、そうした悪書を読まずにすますコツです。

ショーペンハウアーによると、「読書のための短めの適度な時間を、もっぱらあらゆる時代、あらゆる国々の、常人をはるかにしのぐ偉大な人物の作品、名声鳴り響く作品へ振り向けよう」と提案します。

私たちを真にはぐくみ、啓発するのはそうした良質な作品だけなのです。

まとめ

ショーペンハウアーのなかなか手厳しい読書論、それは「読むだけで満足するな!自分の頭で考えよ!」ということでした。

筆者自身、いろんな書籍を読んでブログ記事を書いていますが、それだけで考えた気になってはいけないということですね。

また、「年間○冊読む!」というような目標を立てている人もいますが、ショーペンハウアーはそのような読書そのものを目標とするやり方には反対するでしょう。

そもそも、どんな本を読むか?も大事ですし、読んだ本から自分自身が何を考えるか?ということが何より重要なのです。

ショーペンハウアーの本はなかなか毒舌ですが、ウィットに富んだ表現も多く、読み物としてもとても面白いと感じました。興味を持たれた方は直接手にとって読んでみられてください。

↓『読書について』


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