プラトンのイデア論とは?わかりやすく解説

哲学
ゆるい
ゆるい

こんにちは、大学院で教育哲学を研究する、あつくてゆるい(@atsukuteyurui)です。

この記事では、
プラトンのイデア論についてわかりやすく解説。

※この記事は「岩波 哲学・思想辞典」イデア論・プラトン・プラトン主義の項目を始め、複数の書籍を参考にして書いています。

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イデア論とは何か?

イデア論 (ギ: idea, eidos 英: idea, form)とは、プラトンの哲学・思想の中心となる言葉で、プラトンによればイデアは時空を越えた、非物体的な永遠の実在であると言います。

簡単に言うならば、イデアとは現実とは別の世界(イデア界)にある「究極の理想の存在」のこと。


「現実世界は不完全でイデアの影」に過ぎず、哲学者は「完全で真実の世界であるイデア」を知るために探究すべきだとプラトンは考えたのです。


現実世界とイデア界の関係性



この「真理はある!絶対的な真理を探究すべきだ!」というプラトンの考え方は、師匠ソクラテスの教えを受け継いでいます。



↓ソクラテスについてはこちらの記事に詳しく書いています

きらら
きらら

イデアの影?イデア?
何か具体例はあるかしら?

ゆるい
ゆるい

一例として三角形のイデアで考えてみましょう。


以下に、4つの三角形があります。


質問ですが、これらは「完全な三角形」だと言えるでしょうか?

三角形のイデアとは何かを考える。
きらら
きらら

左上の岩の三角形は三角形ぽいだけで、ゴツゴツしてるし…
右上の道路標識みたいなのは、角がまるいし…
右下の楽器のトライアングルは角がつながってないし…
左下が一番まともな気もするけど、よく見たら線がなかぶつぶつ切れてる…?

どれも「究極の理想の三角形」とは言えないと思うなぁ…



では、この三角形はどうでしょう?これなら「完全な三角形」だと言えそうですか?

これは三角形のイデア(完全な三角形)であるか?
きらら
きらら

そうそう!これだよこれ!
これこそが完全な三角形!


でも、この三角形の角の部分を拡大してみたらこんな感じなんですが…

完全な三角形に見えても、拡大するとそんなことはない。


きらら
きらら

ぎゃあぁぁぁあぁ!!
めっさガタガタしてる!!!!!!
角もなんか四角いし!



そうなんです!!


一見完全に見える三角形も、厳密に見れば「完全な三角形」とまでは言えません。


というより「完全な三角形」なんて、そもそも現実世界には存在しないということも突き詰めるとわかると思います。



でも、私たちはなぜ「この三角形は完全ではない」と言えるのでしょうか?


それは私たちが「完全な三角形」をイメージし、それと比較しているからではないでしょうか?




つまり「完全な三角形」は現実にはない…けれどもある…


このとき「完全な三角形」を「三角形のイデア」と呼び、イデア界に存在しているとプラトンは考えるわけです。


そして、現実世界にあるものはイデアの影にすぎず、それらは常に不完全であると考えるのです。


現実世界の三角形は不完全なイデアの影であり、三角形のイデアはイデア界に存在する。



プラトンは「善」「美」「正義」などの抽象的な価値についても、現実界にある不完全なものに対し、イデア界にその真実の価値があると説きます。


イデアには「大そのもの」「小そのもの」や、「寝椅子」など物に対応するものなど、いろんな種類があります。


中でもプラトンは「善のイデア」が最高のイデアであり、「イデアの中のイデア」としてイデア界に秩序をもたらすものであると考えました。

イデアには順位がある。善のイデアが最高のイデアである。


ゆるい
ゆるい

なお、もう一つプラトン思想で有名なものに想起説があります。

想起説では、私たちは生まれる前にイデアを見ていたけれども、生まれるときにそれを忘れてしまうと考えます。
そして、私たちは生まれてから忘れられたイデアの記憶を「想い起こす」、つまり学習とは想起に他ならないと考えるのです。

なお、プラトンのイデア論は時期によって変遷があり、後期の思想ではこの想起説は取り下げられます。

このように、一概に「これがイデア論である」とは言いにくいところに注意をせねばなりません。

洞窟の比喩

出典:https://www.quora.com/What-message-does-Platos-Allegory-of-the-Cave-convey
ゆるい
ゆるい

イデア論を理解する上で、手掛かりになるのが有名な「洞窟の比喩」です。


彼は、著書『国家』の第七巻で、次のように説明します。

プラトン
プラトン

地下の洞窟に住んでいる人々を想像してみよう。明かりに向かって洞窟の幅いっぱいの通路が入口まで達している。人々は、子どもの頃から手足も首も縛られていて動くことができず、ずっと洞窟の奥を見ながら、振り返ることもできない。入口のはるか上方に火が燃えていて、人々をうしろから照らしている。火と人々のあいだに道があり、道に沿って低い壁が作られている。

『国家(下)』プラトン著 藤沢 令夫訳


これを簡単に表したのが以下の図です。

洞窟の比喩を簡単に説明した図。


現実のわれわれは洞窟の奥で身動きが取れない囚人と同じであると、プラトンは言います。


つまり、私たちが現実に見たり経験したりすることは真実ではなく、影にすぎず、不完全なものなのです。


そして、囚人が拘束を解かれて洞窟の外に出たとき、初めて本当の世界を知ることができると言うのです。





このことはゲームの世界でも例えることができるでしょう。


ゲームの世界というのはプログラムによって構築され、第三者の手によって操作される仮想の世界にすぎませんが、ゲームの主人公自身はそのことを知りません。


つまり、ゲームの主人公は、真実の世界を知るよしもないわけです。

洞窟の比喩をゲームの世界に例える。



また、映画『マトリックス』も、現実だと思っていた世界が実は仮想の世界で、真実はその外側にあるというのがテーマになっており、この構図はまさに「洞窟の比喩」と同じであると言えます。

映画マトリックスは洞窟の比喩と同じ構造。
出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/85186/
ゆるい
ゆるい

余談ですが、マトリックスの1作目は本当に名作なのでオススメ!
しかし、2作目、3作目とどんどん面白くなくなると感じるのは私だけでしょうか…涙


さて、現実世界とイデア界の対比、おわかりいただけたでしょうか?


ところで、これを読まれたみなさんの中にも思う人もいるかもしれませんが…


え、イデア界なんて本当にあるん?
もし本当にあったとして、それが何の役に立つん?


みたいな疑問が浮かびます。


プラトンの弟子、かの有名なアリストテレスも、まさにそのような疑問をもった1人でした。

アリストテレスとの対比

アテネの学堂

上の絵は、ルネサンスの画家ラファエロの作品である『アテネの学堂』


この絵の舞台となっているのは、プラトンの作ったアカデメイアという学園です。


この絵の中央で語り合う2人の男がいますが、左がプラトン、右がソクラテスだとされています。

天井を指差すプラトンと、地上を指すアリストテレス。


2人の手を見ると、プラトンは天上を、アリストテレスは地上をそれぞれ指しています。


これはプラトンがイデア界に真理があると主張したのに対し、アリストテレスは現実の世界に真実があると反論していることを示しているのです。





アリストテレスは、現実の世界を探究した哲学者でした。


彼は万学の祖と呼ばれ、天文学、気象学、動物学、植物学、地学などの学問はすべてアリストテレスから始まっていると言われます。


アリストテレスの研究は

アリストテレス
アリストテレス

よく観察して、その特徴を整理してみよう!


というのがモットー。


生物学、特に動物学の研究で大きな成果を上げていると言われ、数百種にわたる生物を詳細に観察し、多くの種の解剖にも着手したそうです。

ゆるい
ゆるい

イルカを哺乳類であると分類したのものアリストテレスだって!

きらら
きらら

へー!



この記事を書く上でも参考にさせていただいている飲茶さんは、「人智を超えた存在」をあるかないかで哲学の歴史を振り返ることができると述べています。


プラトンとアリストテレスの違いは、まさにこの2つの大きな流れの分かれ目にあると言え、後世に大きな影響を与えていくのです。

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プラトンの影響

ホワイトヘッド
ホワイトヘッド

西洋の全ての哲学はプラトン哲学への脚注に過ぎない。


このホワイトヘッドの言葉にあるように、”もし<プラトンの哲学>を「プラトン主義」(プラトニズム)と呼ぶことができるとすれば、西洋哲学の歴史はたしかにプラトンの哲学の受容と影響の歴史である“との指摘がされています1


しかし、実際にどのような影響があったのかを正確に取り出すことはそれほど容易なことではないようです。




3世紀に成立した新プラトン主義(ネオプラトニズム)やその後の中世の哲学では、イデアは宇宙的な精神や神の精神のなかにある超越的なものとして捉えられ、ネオプラトニズムでは、万物は一者(善のイデア)から流出したと考えられていました。



しかし、近世になると、デカルトやイギリスの経験論哲学者たちによって、しだいに人間が心に思い浮かべる、意識的、心理的な「観念」を意味するようになります。


これは近代が人間中心主義的な考え方に変化してきたからなのですが、一般にギリシア思想におけるイデアという言葉は、このような近代的な「観念」の意味は含むものではありませんでした。



その後、カントにはじまるドイツ観念論の哲学では、イデー(Idee)2※という言葉を、感覚や経験の世界を越えた理性の普遍的な形式としてとらえようとする傾向が強まり、よりプラトン的な意味に近づくことになります。

ゆるい
ゆるい

イデーをこうしたドイツ哲学的な意味でとらえる時は「理念」という訳語が用いられることが多いです。

参考図書

この記事で参考にしたのは以下の書籍です。


↓哲学・思想の決定版(分厚い)!高価なこともあり私はまだ購入できていませんが、近所の図書館で気になるページだけをよく読んで勉強しています。


↓「哲学」全般を学ぶ入門書として超オススメ。読んでいてとても面白い一冊。


↓有名な「洞窟の比喩」は、プラトン著、国家の下巻に登場します。

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まとめ

この記事では、プラトンのイデア論とは何か?わかりやすく解説!というテーマに書いてきました。


まとめると以下の通りです。

プラトンのイデア論とは何か?

・イデア論 (ギ: idea, eidos 英: idea, form)とは、プラトンの哲学・思想の中心となる言葉

・プラトンによればイデアは時空を越えた、非物体的な永遠の実在

・現実で私たちが見ているものはイデアの影にすぎない

・目に見えない世界を想定したプラトンに対し、弟子のアリストテレスは目に見える現実世界を観察することで自身の哲学をつくり上げた


【オススメ記事紹介】アドラー心理学についてくわしく書いています。よければぜひ。