\この記事を読むメリット/
「運動、勉強、ダイエットetc. 継続しようとするけど続かない」
「何度もチャレンジしてきた“習慣化”にもう失敗したくない」
そんなあなたに絶対にオススメできる超良書『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』を全章要約。この記事さえ読めば本のエッセンスはすべて理解でき、今すぐ行動につなげられるレベルになれます。
今回読むのは、こちら『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』です。

この本は、数ある習慣化術のなかでも読むべき超良書。
本家の英語版は、300万部以上が売れており、評価もとてつもなく高い大ベストセラー本です。

この記事では名著『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』を、大学院進学で鍛え上げた要約力と読解力で、他のどのサイトよりもわかりやすくまとめていきます。

この記事に出会っていただき、心より感謝いたします。
執筆者のあつくてゆるい(@atsukuteyurui)と申します。
読んでくださった方にご満足いただけるよう、わかりやすく書くことを心がけています!
しかし、もし難しいところや、質問などあればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。精一杯対応させていただきます。
なお『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』は“聴く読書”Audible(オーディブル)で聴き放題で聴ます。
※オーディオブックで読まれる方の備忘録としても、本記事をぜひご活用ください。
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【書評】『複利で伸びる1つの習慣』要約・まとめ(ジェームズ・クリアー)

基本 なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか
第1章 最小習慣の驚くべき力
習慣は小さな自己改善を複利で積み上げたもの
成功は日々の習慣の産物であり、一生に一度の大転換などではない。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p27
大きな成功には大きな行動・劇的な変化が必要だと、私たちはプレッシャーに思いがち。
しかし、この本ではそうした大きな変化ではなく、目立たず気づかれもしないような1%の改善「最小習慣」に注目します。
1%良くなる選択をするか、1%悪くなる選択をするか…。それは、その瞬間には些細なことに見えるでしょう。
しかし、小さな改善・日々の習慣のわずかな変化が、人生の旅路のなかで、まったく違う目的地へと導いていくのです。(あたかもそれは複利のように)
時間が、成功と失敗との差を広げていく。与えられたものを何でも増やすからだ。良い習慣は時間を味方にし、悪い習慣は時間を敵に回す。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p28
良い習慣のときの逆で、悪い習慣は時間のなかでいとも簡単にあなたを打ちのめします。
だからこそ習慣についてよく理解することが大切なのです。この本を通じて、習慣の作用の仕方や、習慣を設計する方法を知っていきましょう。
すぐには成果は出ない。停滞期間を乗り越えよ

「潜在能力のプラトー(停滞期間)」を打ち破るまで習慣を続ける必要がある。
懸命に努力しているのに成果が出ないと愚痴をこぼしているのは、 温度をマイナス3度からマイナス0.5度に上げて角氷が解けないと文句を言っているようなものだ。 努力は無駄にはなっていない。 蓄積されているだけだ。すべての変化は摂氏0度で起こる。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p31
-4℃から-2℃まで室温を上げたところで、角氷は溶けない。室温が0℃に達したとき、氷はようやく溶けだします。
角氷とおなじで、小さな習慣をコツコツ積み上げても、成果が引き出されるまでなんの違いもないように見えがち…。
この“最小習慣”積み上げのプロセスには、「潜在能力のプラトー(停滞期間)」「失望の谷」があるとジェームズ・クリアーは説明します。(次図を参照)

ついに「潜在能力のプラトー」を打ち破った時、まわりの人は一夜にして成功したと言うだろう。世間はもっともドラマチックな出来事だけを見て、それまでの一切は見ようとしない。でもあなたは、今飛躍できるのはずっとまえの -なんの進歩もないように見えたときの- 努力のおかげだと知っている。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p31〜32
長続きする習慣を身につけづらいのは、明確に成果が見えづらいから。
では「潜在能力のプラトー」を超えて、向こう側へ行き着くまで習慣を続けられるかどうかは、何によって決まるのでしょうか?
より良い結果を得たいなら、徹底的に仕組み化しよう

もし習慣を変えるのに苦労しているなら、あなたに問題があるのではない。問題があるのは仕組みである。悪い習慣が勝手に何度も繰りかえすのは、あなたが変えたくないからではなく、変えるための仕組みが間違っているからだ。目標ばかり追っていてはいけない。仕組みから取りかかろう。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p38~39
習慣を続けるコツ…それは徹底的な仕組み化です。
人生で欲しいものを手に入れるには、具体的で実行可能な目標を設定することが必要だといわれがち。
しかしながらこの本では、結果は目標とはほとんど関係なく、取り入れた仕組みに左右される仕組み第一主義で考えていきます。

「目標にまったく意味がないとは言わない。しかし、目標第一主義にはいくつも問題点がある」と筆者はいいます1。ここらへんも面白いので、実際に本を手に取ったときは注目してみられてください。
第2章 習慣がアイデンティティーを形成する(逆もまた真なり)

行動がアイデンティティーと完全に一致すれば、もう行動変化を追い求めなくてもいい。これが自分だと信じているタイプの人らしく、行動するだけだ。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p47
この本のポイントの1つが、習慣を変えるには、アイデンティティーそのものを変化させよというメッセージ。
たとえば「アスリート」というアイデンティティーを強くもった人にとって、運動することはごくごく当たり前のことですよね?
つまり、自らのアイデンティティーが変化すれば、行動・習慣は自然と変わっていくわけです。
習慣を変えたければ、アイデンティティーそのものを変化させよ!
例)
本を読むことではなく、読書家になることを目標にする
マラソン大会に出ることではなく、ランナーになることを目標にする

それぞれの行動は、なりたいタイプの人へ1票を投じるようなものだ。1つの実例では信念は変わらないが、票が集まれば、新しいアイデンティティーへの証拠も集まる。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p51
ここで「アイデンティティーベースの習慣」という方法を身につけましょう。
ステップ1:どのようなタイプの人になりたいか決める
ステップ2:小さな勝利で、自分自身に証明する
この方法はとっても簡単で、まずは「こんな人になりたい!」という特定のアイデンティティーを決めます。
そして、そのアイデンティティーを強化・体現するような小さな行動(習慣)を積み重ねていくのです。

ここでのポイントは、アイデンティティーと習慣が双方向の関係にあるということ。
①なりたいアイデンティティーを決めることが、あなたに行動を起こさせやすくします。
②行動をコツコツとくり返すこと(小さな勝利)で、あなたは特定のアイデンティティーへと一歩一歩近づくことができます。

第3章 シンプルな4つのステップで良い習慣を身につける

この第2章は、この本全体を理解するうえで一番大事。
しっかりついてきてくださいね!
習慣形成の4ステップ

第3章のアイデンティティーに加えて、この本のもう一つの基礎となるのが習慣形成の4ステップです。
行動主義心理学の研究から「習慣はどのように形成されるか?」というのは次の4ステップに集約されるといいます。
①きっかけ→②欲求→③反応→④報酬
次の「①きっかけ→②欲求→③反応→④報酬」の流れの具体例をみてください。

ある行動を取るとき、私たちはこれら4つのステップを、なかば無意識的にたどってしまっています。
そして、この「①きっかけ→②欲求→③反応→④報酬」はくり返されることで、どんどん強化され、自動化されていく…。
つまり、ふたたび「①きっかけ」が起こったときに、それがある特定の「③反応」と瞬時に結びついてしまうのです。(“パブロフの犬”で知られる条件反射と同じ)
これを著者は「習慣ループ2」と名づけていますが、このような自動化された条件反射こそが習慣だといえるでしょう。
習慣形成の4ステップに注目して、よい習慣を身につけ、悪い習慣を断とう!
第4章からは、習慣形成の4ステップ(①きっかけ→②欲求→③反応→④報酬)のそれぞれの段階に注目して
- よい習慣は起こりやすく
- 悪い習慣は起こりにくく
するための具体的な戦略をみていきましょう。
▼習慣形成の4ステップに注目し「よい習慣を身につけ、悪い習慣を断つ」ための概略


第一の法則 はっきりさせる
第4〜7章では、習慣形成の4ステップの「きっかけ」に注目。
- よい習慣を身につけるために「きっかけをはっきりさせる」
- 悪い習慣を断つために「きっかけを見えないようにする」

第4章 人は正しく見ていない

新しい習慣を効果的に身に付けるには、まず現在の習慣を把握する必要がある。これは思ったより困難かもしれない。というのも、一旦習慣が生活に根付いたら、それは大抵無意識で自動的なものだからだ。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p78
習慣は自動的で、無意識的なもの。習慣を変えるために、まずは自分の行動をはっきりと意識するところから始めましょう。
行動を意識化するために「習慣得点表」がオススメ。習慣得点表ではまず次のように、毎日の習慣をリストアップします。
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リストアップできたら、よい習慣には「+」悪い習慣には「−」よくも悪くもない習慣には「=」を書いて評価していきます。
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「良い」「悪い」というのはあなたの状況、あなたがどんなアイデンティティーを目指しているかによります。
「この行動は、なりたいタイプの人になるのに役立つかな?」
「この習慣は、望んでいるアイデンティティーへの賛成票になる?それとも反対票?」
などと自問してみましょう。
第5章 新しい習慣を始める最善の方法
〈いつ〉〈どこで〉〈何を〉するのかをはっきりさせよ

あなたの習慣に、この世界で生きる時間と場所を与えよう。目標は、時間と場所を明確にして何度も繰りかえすことによって、ふさわしいときに、理由もなくふさわしい行動したくなることだ。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p88
〈いつ〉〈どこで〉〈何を〉するのかをまずはっきりさせるだけで、行動へのハードルは一気に下がります。
例)
運動。私は午後5時に、ジムで、1時間運動する。
勉強。私は午後6時に、寝室で、20分間スペイン語を勉強する。

「もっと健康的な食事をしよう」「もっと文章を書こう」のように、曖昧なままではダメだということなのね!
習慣を連鎖的に積み上げよ

行動のきっかけをはっきりさせるのに、もう1つ有効な作戦が「習慣の積み上げ」です。
〈現在の習慣〉をしたら〈新しい習慣〉をするというように、すでに毎日行っている現在の習慣の上に新しい習慣を積み上げていきます。
例)
・瞑想。毎朝コーヒーをカップに注いだら、1分間瞑想する。
・運動。 仕事用の靴を脱いだら、すぐ運動服に着替える。
大事なコツは、身に付けたい習慣を、既に行っている習慣と結びつけること。
この基本的な構造をマスターしたら、小さな習慣を連鎖的につなげていくことで、より大きな習慣の山が積み上がるようになるのです。
例)
1. コーヒーをカップに注いだら、60秒間瞑想する。
2. 60秒間瞑想したら、その日のやることリストを書く。
3. その日のやることリストを書いたら、 すぐ最初の作業に取り掛かる。
第6章 モチベーションを過大評価せず、環境を重視する

あなたは生活や仕事の場所を作りかえて、ポジティブなきっかけに触れる機会を増やし、ネガティブなきっかけに触れる機会を減らすことができる。環境作りによって、主導権を取りもどし、自分の人生を設計することができる。世界を消費するだけでなく、自分の世界の設計者になろう。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p105
キッチンカウンターにクッキーがあるのを見たら、空腹でなくてもつい手を伸ばして食べてしまいがち…。
習慣はあなたがいる部屋や、目の前にあるきっかけによって容易に変化するものです。
生産的なきっかけが多く、非生産的なきっかけの少ない環境で仕事や生活をすることがとても大切。
最善の選択肢を、一番目立たせましょう。よい習慣のきっかけが目の前にあれば、よい決断をする事は自然でやさしいものになります。
第7章 自制心を保つコツ

もっとも自制心のある人は、たいていもっとも自制心を使わない人だ。自制心は、あまり使わなくていいときに練習しやすい。そう、たしかに、忍耐力や根性や意志の力は成功するのに不可欠だ。だが、こういう資質を向上させる方法は、もっと自制心のある人間になりたいと願うことではなく、規律正しい環境を作ることである。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p113
5〜6章は、よい習慣を身につけるために、きっかけをはっきりさせる具体的戦略を見てきました。
7章は悪い習慣を断つために「きっかけを見えないようにする」ことを考えます。
結論として、悪い習慣を断つためにも「環境」がとても大事です。
私たちが悪い習慣を絶とうとするとき「自制心」を頼りがち…。
しかし恐ろしいことに、一度身体へと刻みこまれた習慣は、すっかり取り除くのはほぼ不可能だそうです。

本の中では、薬物中毒の例を出してこのことが説明されています3が、一度薬物にはまった人が何年もあとになにかの「きっかけ」で再びそれに手を出してしまうのはよく聞く話…。
それだけ一度打ち込まれた習慣の楔はかたいという証拠ですね。
「自制心のある」人は、自分の自制心に頼っているのではなく、むしろ自制心が入らないように生活を設計するのがうまいのです。
誘惑的な状況にはなるべく身を置かない・最初から避けるようにしましょう。
例)
仕事ができそうになければ、スマホを数時間別の部屋へおく。
常に満たされていないと感じるなら、SNSで嫉妬を感じる人をフォローするのをやめる。
テレビを見るのに時間を使いすぎるなら、テレビのコンセントを抜く。

習慣形成の4ステップ「きっかけ」について見てきました。
・身につけたい習慣はそのきっかけをはっきりさせる
・断ちたい習慣はそのきっかけを見えないようにする
というのがポイントです。

第二の法則 魅力的にする
第8〜10章では、習慣形成の4ステップの「欲求(“やりたい”と思えるかどうか)」に注目。
- よい習慣を身につけるために「やりたいと思えるよう魅力的にする」
- 悪い習慣を断つために「やりたいと思わなくなるようつまらなくする」

第8章 習慣を魅力的にする方法

人は「やりたい!」と思える魅力的な行動は放っておいてもやります。
逆にいうと、あなたが運動や勉強など“よい習慣”が続かないのであれば、それが「やりたい!」と思えるような魅力的なものではないからです。
習慣を魅力的にするために「誘惑の抱き合わせ」を試しましょう。
誘惑の抱き合わせとは、自分がしたい行動と、しなければならない行動をセットにすること
例)
①フィットネスバイクに乗りながら好きなアニメを見る
②スマホを取り出したら、腹筋を10回する(必要なこと)
腹筋を10回したら、twitterを見る(したいこと)
理想は「フィットネスバイクに乗ること」「腹筋10回」が楽しみになること。そういう行いが自分の中で「好きなアニメを見る」「twitterを見る」ことを意味するようになるからです。
このシンプルな戦略で、ほぼどんな習慣でも魅力的にできるはずです。
第9章 習慣作りにおける家族と友人の役割

仲間に属することほど、モチベーションを保つものはない。個人的に追い求めるものが、仲間と一緒に追い求めるものに変わる。〔…〕新しいアイデンティティーを根付かせ、行動が長続きするよう助けてくれるのは、友情と仲間たちである。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p140
人間にはまわりの人たちに「所属しよう」「溶けこもう」という基本的欲求があります。
つまり、望ましい行動がふつうの行動である文化に加わることでよい習慣は身につけやすくなるのです。
その習慣を続けることが、所属する集団に溶けこむこととなり、承認・賞賛されるような…。(これが「“習慣”を魅力的にする」につながる)
あなたが身に付けたい習慣を持っている人々に囲まれるようにしましょう。そうすることで、あなたも一緒に上昇していくことができるでしょう。
第10章 悪い習慣を見つけて直す方法

悪い習慣がつまらなく思えるように、それを避けることで得られる利益を強調しよう。
習慣はポジティブな感情と結びついていると魅力的になり、ネガティブな感情と結びついていると魅力を失う。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p157
8〜9章では続けたい習慣を「魅力的にする(やりたいと思えるようにする)」ことを見てきました。
今度はその逆で、やめたい習慣は「つまらなくする(やりたいと思えないようにする)」ようにします。
習慣をつまらなくするために悪いとわかっていてもついやってしまう習慣は、とことんネガティヴな側面を強調しましょう。
たとえば『禁煙セラピー』という本。アマゾンのレビューでも「タバコをやめられました!」と絶賛されています。

この本には喫煙がいかに健康に悪いか、なんの役にも立たないかが「これでもか!」と書かれているそう。本を読み終わる頃には、タバコを吸うことが世界で最も馬鹿げたことに思えてくるといいます。
悪い習慣がつまらなく思えるように、それを避けることで得られる利益をとことん強調しましょう。

『超筋トレが最強のソリューションである』という本がありますが、この本には「筋トレはすごい!」「筋トレ最強!」というメッセージがひたすら書かれています。もはや洗脳なのですが、これを読むと筋トレへのモチベーションが爆上がりします。
この場合はさっきの『禁煙セラピー』の逆で、良いけどしんどい習慣はそのポジティヴ面をとことん強調するとよいわけです。

第三の法則 易しくする
第11〜14章では、習慣形成の4ステップの「反応(欲求を満たすための行動)」に注目。
- よい習慣を身につけるために「易しくする(行動へのハードルを下げる)」(11、12、13、14章)
- 悪い習慣を断つために「難しくする(行動へのハードルを上げる)」(11、12、14章)

第11章 ゆっくり歩もう、でも後退してはいけない

習慣を身に付けたいなら、大事なのは完璧を求めることではなく、繰りかえしから始めることだ。新しい習慣について、あれこれと未来の計画を立てる必要はない。必要なのは、実行することだけだ。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p164
あなたは計画を立てたり、よりよいやり方を求めることに時間を割きすぎて、行動へのハードルが上がっていませんか?
習慣形成とは、くり返しによって習慣が次第に「自動化」するプロセスです。
ここで一番大事なのは「くり返し」です。
完璧じゃなくてもいい。「質」より「量」を意識して、まず行動してみることを優先しましょう。
第12章 最小努力の法則

大事なのは、できるだけ良い行動がしやすい環境を作ることだ。良い習慣を身につけるための闘いとは、要するに、良い習慣に伴う抵抗を減らし、悪い習慣に伴う抵抗を増やす方法を見つけることである。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p177
12章の話は「よいきっかけを見えやすくする/悪いきっかけは見えにくくする」という6〜7章とかぶります。
よい習慣は行動へのハードルを下げ、悪い習慣は行動へのハードルを上げるよう環境を作りこみましょう。
○よい習慣へのハードルは下げる
✔︎食事を改善したい!
→週末にたくさんの果物と野菜をこまかく切って、容器に詰めておく
✔︎もっと絵を描きたい!
→お絵かきセットを、机の手が届きやすい所へ置いておく
○悪い習慣へのハードルは上げる
✔︎ テレビを見すぎていると思ったら、使い終わるたびにプラグを抜いてみる
✔︎ さらにハードルを上げたければ、リモコンの電池を抜く、テレビをクローゼットにしまう etc.

この本がおもしろいのは人間の意志の力を信じていないところ。
だから意志でなんとかしようとするのではなく、環境をとにかく作り込むことをくり返し伝えるのです。
第13章 二分間ルールで先延ばしをやめる方法


行動へのハードルを下げるって、具体的にどれくらい下げればいいの?
行動はほとんど意志を使わずに、2分間でできるレベルまで小さくせよ!と著者はいいます。
一見するとなんの効果もないようなたった2分の小さな習慣が、あなたのその後の行動を決定するからです。
あなたの1日を分析すると、以下の図のように「選択→行動の継続→選択→行動の継続…」というように、選択の連続・積み重ねでできています。
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ここで「選択」そのものは数秒で完了するが、そのあとの数分や数時間の行動に影響しつづけているということに注目してください。
たとえば「ソファに腰掛けてテレビをつける」という選択をした瞬間、そのあと数分〜数時間は「テレビを見る」という行動をふつう続けてしまうわけです。
つまり一番大事なのは「選択」「決定」「分かれ道」の一歩踏み出す瞬間です。
これを逆手にとると「一歩踏み出す瞬間」を習慣化することだけを考えれば、そのあとの数分〜数時間の行動をコントロールできてしまうというわけです。
1つの選択が、そのあと数分〜数時間の行動に影響をあたえる
→一歩踏み出す「選択」の瞬間がもっとも大事。「1歩踏み出す選択の瞬間」を習慣化することをまずは考えよう
運動を例にとると「毎日1時間運動しよう」などと、習慣をいきなりハードル高いものにする必要はありません。
「トレーニングウエアに着替える」「腕立て伏せを1回する」などと、小さな意志で絶対にできるものでOK。これを著者は「2分間ルール」と呼びます。
新しい習慣を始めるときは、2分間以内にできるものにする
例)
「毎晩寝る前に読書する」→「1ページ読む」に
「5キロ走る」→「ランニングシューズの靴ひもを結ぶ」

1ページの読書、ランニングシューズの靴ひもを結ぶみたいなことで変われるわけないじゃん!
このように考える人も多いでしょう。
しかし一番のポイントは、何かを行うことではなく、習慣が“確実に”現れるようにすること。はじめからカンペキな習慣をやり遂げようとするのではなく、やさしいことを“いつも”行うのです。
習慣を出現させる技をマスターすると、最初の2分間(選択の瞬間・習慣)がもっと大きなルーティンを始めるための儀式になります。
プロセスの始まりの儀式ができるほど、大きなことをするのに必要な、深く集中した状態に入りやすくなるのです。
そして儀式をきっかけに、段階的に少しずつ大きな習慣へと変化させていけばOK。(下表参照)
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▼あわせて読みたい
第14章 良い習慣を必然にし、悪い習慣を不可能にする方法

悪い習慣を断つ最善の方法は、実行困難にすることである。行う選択肢がなくなるまで、抵抗を大きくすればいい。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p196
よい習慣を身につけ、悪い習慣を断つために、強制力をもたせた思い切った行動をとるのが効果的です。
○悪習慣を実行不可能にする
・酒やお菓子をそもそも家に買い置かない
・タイマー付きのコンセントを買って、22時になったらインターネットのルーターの電源を強制的に切る
○よい習慣をせざるを得なくする
・姿勢を保てるよう、よい椅子を買う
・熟睡できるよう、遮光カーテンを買う

「悪習慣を実行困難にする」と「よい習慣をせざるを得なくする」は裏表の関係になることも多いですね!
このように“半強制的”になにかを実行する(実行困難にする)ためには、テクノロジーを利用して、生活をできるだけ自動化するというアイデアもおすすめです。
✔︎ 自動引き落としで貯金する
✔︎ ウェブサイトブロッカーでソーシャルメディアを閲覧制限する

第四の法則 満足できるものにする
第15〜17章では、習慣形成の4ステップの「報酬(行動の結果なにが得られるか)」に注目。
- よい習慣を身につけるために「報酬を満足できるものにする」
- 悪い習慣を断つために「報酬を満足できないものにする」

第15章 行動変化の大原則

習慣を長続きさせるには、たとえほんの少しでも、成功したとすぐに感じることが必要である。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p216
第15章のポイントは「我慢ばかりでダメ。習慣づくりのなかにすぐに得られる報酬を設けよう」ということ。
私たちの生きる現代社会は、目先の利益ばかりを追い求めていては破滅しがちな「遅延報酬の環境」を生きています。
将来の利益のために、今この瞬間は我慢するのが「遅延報酬」の考え方
例)
・今日運動したら来年も体重が増えずにすむ
・コツコツ貯金すれば将来の備えができる etc…
しかしながら「社会がおもに遅延報酬の環境へと変わったのは、つい最近、ここ500年くらいのこと4」だといいます。
それまでの長い長い人類史のなかで、私たちは他の動物たちと同様、その日をいかに生き延びるかという短期的な視点だけで生きてきました。
つまり、私たち人間には長期的な見返りよりもすぐに得られる見返り(即時報酬)を好むというDNAがしっかりと刻み込まれています。
たしかに成功するにはどこかで即時報酬を無視し、遅延報酬を選ぶ必要があるでしょう。
しかし人間には「すぐに報われる行動はくり返す。すぐに罰せられる行動は避ける」という行動の大原則があるのです。
我慢ばかりでは続きません!がんばったら、すぐに達成感やごほうびが得られるように工夫していくことが、習慣を続けるうえでとても効果的なのです。

たとえば
・タバコを我慢したら、そこで浮いたお金を旅行のために貯金していく
・ジムで運動したら銭湯やサウナでゆっくり汗を流す
などの方法があるでしょう5。
第16章 良い習慣を毎日続ける方法

習慣を積み上げたら、習慣トラッカーを使ってきちんと習慣を記録する。
それだけで「よし!今日もやれたぞ!」と手軽に満足感や達成感を得ることができるでしょう。
習慣を積み重ねたら、すぐに記録するというシンプルな方法
→もっとも基本的なやり方は、カレンダーを買い、ルーティンを守った日に×印をつける

習慣トラッカーには、達成感だけでなく習慣をはっきり見える化するというメリットもあります。
ただし「食事のカロリー計算」のように、記録や測定そのものがあまりに大変になってしまうと、記録することがあまりに億劫になってしまうでしょう…。
歩数や健康状態を記録するスマートウォッチを使って記録を自動化したり、「カレンダーに×印をつける」などシンプルな方法で、できるだけ記録そのもののハードルを下げることが「習慣トラッカー」を成功させる秘訣です。
第17章 見張ってくれる人がいればすべてが変わる

早く苦痛を感じるほど、その行動が起こりにくい。悪い習慣を防いで不健康な行動をなくしたいなら、その行動にすぐ代償を払わせるのが、起こりにくくする効果的な方法である。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p231
第15章では「すぐに報われる行動はくり返す。すぐに罰せられる行動は避ける」という行動原則を確認しました。
この原則から考えると、悪い習慣をしてしまったとき「すぐに不快を感じる」ようにすれば、その習慣をくり返すことはなくなるでしょう。
本の中では、悪い習慣によってすぐに損失が生じる「習慣契約」を結ぶことが提案されています。
ある習慣をするという約束と、守らなかったときの罰を明言する。アカウンタビリティー・パートナー(見張ってくれる人)を見つけて一緒に署名してもらう。

さらなる戦略 改善するだけでなく、本物になるには
4〜17章では習慣形成の4ステップ「①きっかけ→②欲求→③反応→④報酬」に注目して、よい習慣を身につけ、悪い習慣を断つための戦略をみてきました。
18〜20章は“おまけ”みたいな内容ですので、やや重要度は下がります。かけ足で見ていきましょう!
第18章 才能の真実(遺伝子が関係するときと、そうでないとき)

習慣を長期的に満足できるものにする最善の方法は、あなたの性格とスキルに合った行動を選ぶことだ。あなたがやりやすいことに全力を注ごう。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p254
生まれつきの遺伝的要素が、私たちの性格や得意不得意などあらゆることに影響を与えます6。
つまり、習慣も生まれながらの能力にあったものだと、成功しやすくなります。
次のような質問を頼りに、自分にあった分野を選ぶようにしましょう。
- 自分は楽しいのに、他の人には仕事だと思えるものは?
- 時間を忘れてしまうものは?
- ふつうの人より良い評価を得られる分野は?
- 自分にとって自然なことは?
第19章 ゴルディロックスの原理 ー 生活や仕事でモチベーションを保つ方法

習慣が自分にとって本当に大切なら、どんな気分のときでも続けようとしなければならない。プロは、たとえ気分が良くなくても行動する。楽しくはないかもしれないが、繰りかえす方法を知っている。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p264〜265
本章のポイントは2つ。1つはゴルディロックスの原理です。
ゴルディロックスの原理とは、 人は現在の能力ギリギリの仕事をするとき(ちょうどいい難しさのとき)に、最高のモチベーションを得られるというもの。
もう1つのポイントは「退屈」への向き合い方。
習慣が日常化すると、面白くなくなり、退屈するようになります。
しかし、優れた人になる唯一の方法は、同じことの繰り返しに、いつまでも魅了されること。
退屈に恋をしなければならないのです。
第20章 良い習慣のマイナス面

習慣は多くの益をもたらすが、そのマイナス面は、まわりの状況が変わっているときでさえ、それまでの考え方や行動パターンに私たちを閉じ込めてしまうことだ。永遠に変わらないものなど何もない。人生は絶えず変化している。だから定期的にチェックして、それまでの習慣や信念が、まだ自分の役に立っているかどうか見なければいけない。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』p279
「習慣=自動化」そのプラス面は、考えずに行動できるようになること。
しかしそれによって、小さなミスに注意を払わなくなるというマイナス面もあるのです。
同じやり方やアイデンティティーにこだわっていては、成長はやがて行き詰まります。
見直しと考察によって、自分のパフォーマンスを定期的に再確認していくことで、あなたは成長し続けることができます。

まとめ

この記事をここまで読んでくださったみなさんは『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』のエッセンスはすべて学べたと思ってOKです。
改めてざっくりまとめます。
・習慣は小さな自己改善(最小習慣)を複利で積み上げたもの
・習慣を変えたければアイデンティティー(なりたい人)を変えよ
・習慣は「1.きっかけ→2.欲求→3.反応→4.報酬」の4プロセスが自動的に起こるもの
・よい習慣は、
- きっかけをはっきりさせよう
- その習慣を思わずしたくなるような魅力をもたせよう
- 行動へのハードルを下げ、やりやすくしよう
- できたらすぐに自分自身にご褒美を与え、達成感や満足感を得られるようにしよう
・悪い習慣は、
- きっかけを目立たなくしよう
- その習慣をやっても自分にはなんの益もないと、つまらくしよう
- 行動へのハードルを上げ、やりにくくしよう
- やってしまったら罰せられ、満足できないようにしよう
意志や根性論にたよらない、超合理的な習慣術。
ほかにも習慣術の本はいろいろ目を通していますが、これを超えてくる本にはなかなか出会いません。
今日が人生で一番若い日。この記事を読んで「今度の今度こそ、絶対に習慣化に成功して人生を変えてやる!」と思われた方は、本書を手に取ってみられることをオススメします。

○よいクチコミ
絶対に一回は読んでおくべき超良書
過去に読んだ本の中で、人生に一番活かせる本だと思います。自ら体現された経験や、色々な実験を織り混ぜて、非常にわかりやすくて、実行に結びつくと思います。
小学校の高学年ぐらいで授業に入れて欲しいぐらい、勉強になって実用的でわかりやすかったです。
買うのを迷われてたら、一回読んだほうが良いと思います。もし気に入らなかったらメルカリで売れば、大した損にはならないと思います。
こんな安い投資で、このリターンはお得と言うしかないでしょう。
ジェームスクリアーさん本当にありがとうございます。
Amazon.co.jp(pomsanさんのレビューより)
●悪いクチコミ
習慣系本をまだ読んだこと無い人にはおすすめ
習慣系の本を読んだことがあれば、似たような内容なので新しい発見は少ないと思います。
ただ、あらためて、習慣を身につけるにはそうだよなーと向き合いたいときにはいいかも知れません。全体的には、構成が親切で、わかりやすく
各章にまとめがあるのでポイントだけでも読み進めやすく
具体的な例などもありイメージしやすかったです。自分は、あらためて、良い習慣を行うハードルはさげて悪い習慣を行うハードルはあげられるにはどうするか、
Amazon.co.jp(maさんのレビューより)
この機会に向き合ってアイデアひねり出したいなと思います。

見てみるとわかりますが、ネガティブなクチコミがほとんどありませんでした。
それだけ評価されている本だということですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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それではこの本が、あなたの人生の大いにプラスとなる一冊となりますように。