\この記事を読むメリット/
「アドラー心理学を実践するコツを知りたい」
「仕事がうまくいかなくてモヤモヤしている」
そんなあなたにオススメな書籍『もしアドラーが上司だったら』について他サイトよりもくわしく・わかりやすく全章要約。この記事を読むだけで、本のエッセンスがすべてわかります。
今回読んでいくのは『もしアドラーが上司だったら』という本です。

この記事に出会っていただき、心より感謝いたします。
執筆者のあつくてゆるい(@atsukuteyurui)と申します。
読んでくださった方にご満足いただけるよう、わかりやすく書くことを心がけています!
しかし、もし難しいところや、質問などあればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。精一杯対応させていただきます。
なお『もしアドラーが上司だったら』は“聴く読書”Audible(オーディブル)で聴き放題で聴けます。
※オーディオブックで読まれる方の備忘録としても、本記事をぜひご活用ください。
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【書評】『もしアドラーが上司だったら』まとめ・要約・感想

『もしアドラーが上司だったら』は、
・ダメダメ営業マンのリョウくん
・アメリカでアドラー心理学を学んできた上司のドラさん
を中心に進む物語です。
第1章 自分を追い込んでも、やる気が続かないんです
「できているところ」に注目する。「できていないところ」は注目しない。
リョウくんとドラさんは同じ会社の上司と部下。2人はジョギングという共通の趣味もあります。
しかし、ジョギングをサボってしまい自己嫌悪に陥るリョウくん。「平日5日間のうち、2日しか走ることができなかった」といいます。
そんなリョウくんへの、ドラさんのアドバイスがこちら。

君はとっても『できている』じゃないか!キミは、なんと一週間のうち二日間も走ったんだぞ。 それはすごいことだよ。〔…〕週に二日も早起きしてジョギングして、そのうえ、きちんと仕事までこなしている。なぜ、その『できていること』に注目しないんだね?
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第1章より

「毎日やるぞ」と決めたことを週2日しかできない。そんな程度で満足していいわけがない。
あぁ自分は何てダメなんだ。そんなことで成長できるわけがない。もっとストイックにならないと!
そう思った経験、みなさんもありますよね?
しかし、人は「自分には能力がある。自分には価値がある」と思えたとき、放っておいても「もっと、もっと」とさらなる優越を目指します。
だとしたら、ネガティブに自分を責めるのは逆効果。
まずは「できていること」に注目し、心のエネルギー「勇気」を満たすことを優先しましょう。
- 正の注目:「できていること」に注目して自分を認める
- 負の注目:「できていない」ところに注目してダメな自分を責める
→「できていること」に注目すれば勇気がわく。勇気がわけば人は自ずと高みを目指す!
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第2章 失敗から目をそらすなんて、できません

多面的に意味づけて見る。ポジティブな面に注目する
仕事で大失敗をしたリョウくん。
どれだけ「できているところ」に注目しようとしても、「失敗」の二文字を頭から追い出すことなんて不可能だとドラさんに訴えます。
そんなリョウくんにドラさんはこう答えます。

ボクはそうは思わないよ。ボクはね、これはキミにとっての素晴らしい『経験』だと思うんだよ。良かったじゃないか!これでキミはミスの重大さに気づき、セコさん(※取引先の人)の気持ちがよぉくわかった。それもこれもこの経験のお陰じゃないか!
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第2章より

いやいや、さすがにそれはちょっと無理があるでしょう…。事実をねじ曲げてはいけないよ
そう思うかもしれませんね?
しかし、たとえば円錐という立体は、真横から見たら三角だけれど、底から見たら円になります。

これはどちらかがニセモノというわけではなく、両方ともが本当ですよね?
同じように、ある出来事について「失敗」という見方も「経験」という見方も、どちらも本当。決してこれはこじつけではありません。
そして、そのどちらかに注目するかは、あなた自身で決めることができるのです。
人が困難という上り坂を登るには「勇気」という心のガソリンが必要。
どれだけ「できていない」と思える出来事も、やっぱり「できているところ」に注目しよう。多面的に見れば必ず「できているところ」は見つかる!
第3章 カラ元気を出すのに疲れちゃいました…

無理矢理ポジティブに考えない。ネガティブな自分も、ただ見る
通勤の満員電車。「あー憂鬱だなぁ…」とこぼすリョウくん。
しかしドラさんの言葉を思い出し「電車のなかでは考え事ができる!本だって読める!」と無理矢理ポジティブに考えようとします。
そんなリョウくんに対するドラさんの一言がこちら。

ネガティブな感情を押し殺してはいけない。なかったことにしてはいけない。『否認』『抑圧』『歪曲』せず、きちんとありのまま、そのままに見る。自分に正直であることはとても重要なことなんだよ。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第3章より
第1、2章でドラさんは、「ネガティブに注目するのをやめよう」といいました。
しかし「ネガティブな面を見ずに目をつぶれ」とはいっていません。
むしろネガティブ感情を見て見ぬふりをしてはいけない。しかし、やたらと注目もしない。
できていない自分、ネガティブな自分をただ見るようにしましょう。一切の評価を交えずに「また、やっちゃってるな」という具合に。
ネガティブな感情を押し殺してはいけない。無理矢理ポジティブなふりをしてはいけない。
自分がネガティブであることを見る。認める。そのうえで、ポジティブな側面のほうを長く見よう。
第4章 やらなくちゃならない仕事が山積み

「やりたくない」ならやめる。「やりたい」ならやる。「やらされている」と嘘をつかない
「やるべき」「やらなくてはならない」仕事が山積み…。気が滅入っているリョウくんに、ドラさんは伝えます。

アドラー心理学では『やりたいけどできない』を人生の嘘と呼ぶんだ。それは単に『やりたくない』だけだ。『痩せたいけど食べたい』んじゃない。単に『食べたい』んだ。人間は一つだ。意識と無意識が葛藤することはなおい。これはアドラー心理学では『全体論』と呼ぶんだよ。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第4章より

山盛りの仕事など本音ではやりたくない…
けれどもやらなければならないし、まわりに迷惑をかけるから仕方なくやっている…
こんなふうに思うことってありますよね?
もちろん世の中は理不尽なことだらけだし、モヤモヤすることも多いでしょう。
けれども、突き詰めれば
- やりたくないからやらない
- 今の仕事を続けたいから、山盛りの仕事も片づけたい
という選択肢は2つ。
そこからあなたは「やっぱり、仕事を片づけたい(やりたい)」と、自己決定しているわけです。(「やめる」という選択肢だってあります)
このことをドラさんは、“「やりたくない」ならやめる。「やりたい」ならやる。「やらされている」と嘘をつかない” と伝えるのです。
「やらされた」「〜するしかなかった」と思うことも、最終的にはあなた自身が自己決定してきた。決して誰かからやらされているわけではない。
これまでも、そしてこれからも、すべては自分で決めることができる。
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第5章 成績の悪いボクは劣っている。負けている

「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしない。ありのままの自分を受け止める
営業成績がビリから3位のリョウくん。「ビリではない」「失敗は経験でもある」などと、自分を勇気づけようとします。
けれども、営業成績1位の同期との差にやっぱり落ち込むリョウくんに、ドラさんはこう伝えます。

たしかに転職マーケットでは、ツヨシ君(※リョウくんの同期)は年収一千万の価値があるかもしれない。そして、残念ながらキミには年収三百万円分の価値しかないかもしれない。でもね、そんなことはどうでもいいことなんだ。〔…〕ツヨシ君もキミも『人間として』はまったく平等だ。優秀も上下もないんだよ。どちらもかけがえのない世界で唯一の素晴らしい存在なんだ!
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第5章より

「人間としては平等」だなんて、なにをそんなきれいごとを!
ボクは彼よりも劣っている。人間として負けているんだ。
そう反発したくなるのはわかります。
しかし、そう思うあなたは「機能価値」と「存在価値」をごちゃ混ぜにしてしまっています。
機能価値:人間の能力・できること(Doing)の価値
存在価値:存在そのもの(Being)の価値
機能価値(Doing)なんて経験と訓練と努力で、いかようにでも変えられる。あせる必要なんてないし自己否定する必要なんかみじんもない。
けれども、私たちは「営業成績が悪い人は人間としてダメな存在、劣った存在」であると、存在価値(Being)までも否定してしまいがち…。
テストの点、営業成績、年収…そんなくだらないことであなたの大切な存在価値(Being)を傷つけてはいいはずないのです。
機能価値(Doing)と存在価値(Being)をごちゃごちゃにするべからず。
どれだけいろんなことができなくても、あなたは今のあなたのままで素晴らしい!
第6章 自分を追い込んで、やっとできるようになったんです

不完全な自分をそのまま抱きしめて、自己受容する
リョウくん、同僚のリカ、そしてドラさんが「存在価値」と「機能価値」の話の続きをしています。
「ダメな自分を今まで責めて、むち打ってきた」と打ちあけるリカたちにドラさんは伝えます。

『自己受容』に条件は不要だ。 弱さや不足がある、不完全な自分をありのままに受け容れる。それが『自己受容』だ。『人間だもの。弱さもあるさ。できないこともあるさ。失敗もする。でも、 そんな自分をそのまま抱きしめよう』そうやって、飾らず自分を受け容れる。それこそがつまり『存在価値』を認めるということにつながるんだ。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第6章より
ここでのキーワードは「自己受容」。これはよく言われる「自己肯定」とは意味が違うことに注意しましょう。
自己肯定:「機能価値(Doing)」を根拠とした、条件つき肯定
ex)売り上げランキング1位だから自分はすごい
自己受容:「存在価値(Being)」を認める、無条件の肯定
不完全な自分を自己受容する。それが自分の「存在価値」を認めることにつながる。
「存在価値」の土台をしっかり築けば、きっと「機能価値」もうまくいくようになる!
第7章 自分を勇気づける、次のステップとは何だろう?

毎日誰かを喜ばせる
リョウくんはその後ドラさんの教えを守り、自分の「存在価値」を認めて、自分自身を勇気づけるようになりました。
すると、営業成績もぐんぐんとあがり、ついには営業成績2位となり、みんなの前で表彰されます。
そんなリョウくんに“次のステップ”として、ドラさんから新たな宿題が示されます。

相手を勇気づける。すると、自分も勇気づけられるんだ。これはね、自分で自分を勇気づける以上に大きな勇気づけになるんだ。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第7章より

自分は相手に貢献でき、誰かの役にたつことができる。自分には価値があり、能力がある!!
そう思えるとき、人は勇気に満ちています。
あなたがだれかを勇気づければ、相手は「自分には能力があり、価値がある」と感じます。
そして同時に、あなた自身も「自分は相手の役に立っている」と強く実感できるはず。
相手を勇気づけたとき、その瞬間に、実はあなた自身も勇気づけられているのです。
自分を勇気づけたら、次は相手を勇気づけよう。
相手を勇気づけると自分も勇気づけられる。勇気は循環していく。
第8章 誰かを喜ばせようとしても、無視されたりバカにされるんです

相手からの見返りを求めずに、まずは自分から始める。
ドラさんの教えを守り、だれかを喜ばせようと同僚たちのカップを洗ったリョウくん。
素直に感謝の気持ちを伝えてくれる人もいる一方で「余計なお世話だ」とバカにする人たちも…
「感謝もされずバカにされるくらいなら、やらないほうがマシ」とこぼすリョウ君にドラさんは伝えます。

カップを洗うか洗わないかはリョウ君の課題。それにどう反応するかは、彼らの課題。こんな風に『それは誰の課題か?』を明らかにして、自分の課題だけに集中する、他人の課題を解決しない。アドラー心理学ではそれを『課題の分離』と呼ぶんだ。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第8章より
他人の課題に踏み込むから対人関係はうまくいかず、他人の課題を背負うから苦しくなります。
あなたはあなたの課題だけを考えればOKです。
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え?
じゃあ、他人のカップなんて洗ってあげなくてOKということ?
いえいえ、決してそういう意味ではありません。
アドラー心理学のベースは「共同体感覚」といって、自分のことと同じように相手や共同体を大切にする感覚です。
「相手を喜ばせる」「だれかの役に立つ」ことは大事ですが、「相手が認めてくれる」かどうかは相手の課題なので求めてはいけないということ。
あなたがあなたなりに「相手のため」を思っての行動なら、たとえそれが誰からも認められず、一人相撲になってもそれでいいのです。
拒絶されても、バカにされても、無視されてもいい。どう反応するかは相手の課題。
あなたがあなたなりの善意で「相手のため」と信じて行動したものであればそれでいい!
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第9章 自分の意見だけでなく、存在までも否定された……

自分と異なる意見を攻撃と見なさない。
相手と異なる意見を言うことを恐れない。
社内で「残業削減」のタスクフォースプロジェクトのメンバーに抜擢されたリョウくん。
その会議で、リョウくんの意見にいちいち反対してくるメンバーがいます。
自分の存在を全否定された気持ちになり、言い返してやろうとしたその瞬間、営業成績1位のユウくんがスルッと会話に入ってきます。
ユウくんは共感的に聴くところからスタートし、しかし最後には「ボクの意見を言ってもいいかなぁ?」と前置きしながらも、自分の意見をきちんと述べたのです。
「こんな話し方があったのか!」と衝撃を受けたリョウくんに、ドラさんは伝えます。

人と人の間には 常に『返報性』が働くんだ。相手から優しくされたら『ご恩返し』というポジティブな返報性が働く。しかし、相手から攻撃されたら『復讐』というネガティブな返報性が働く。まさに『相手の行動は自分の鏡』だ。だからこそ、たとえ自分とは違う意見だったとしても、それを尊重して『共感』する。それをユウ君は辛抱強く続けていたからこそ、二人の間に信頼関係が生まれ『対話』が成立したんだね。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第9章より
自分と違う意見は攻撃ではない!まずは「共感(同意ではない)」から始めよう。
ex)「なるほど、あなたはそう考えているんですね」「あなたは〇〇という意見をお持ちなのですね」
それと同時に、あなた自身の意見をいうことも恐れない。
→これらは「課題の分離」の応用そのものである!
第10章 目の前の人のため、が共同体感覚なんですか?

目先の共同体よりも、もっと大きいな共同体を大切にする
営業目標達成のために、広告主のロイヤル自動車のキャンペーンをなんとしても取りたいリョウくん。
しかし「ロイヤル自動車は燃費データをねつ造している」という噂も耳にします。
もしその噂が本当だとすれば、ねつ造したデータを信じて車を買う消費者は迷惑を被ることになる…
目先の利益か、それとも正義感か…。
迷ったリョウくんは同僚のユウに、それとなく質問をすると次のように返ってきました。
アドラー心理学の「共同体感覚」に沿うならば、迷ったときはより大きな共同体の利益を優先します。
今回でいうと広告主や自社という1企業の利益よりも、より広い社会全般の利益を優先することが、共同体感覚の原則には沿っているわけです。
ということで、迷ったリョウくんは結局ロイヤル自動車の大型案件を断ることに。
結局、燃費データのねつ造は事実として発覚。車を買う予定だったユーザーに迷惑をかけることはありませんでした。
しかし、ロイヤル自動車の担当者との関係は悪化、自社の売上にも大きな穴を開けることになってしまったのです…。
迷ったときは目先の利益ではなく、より大きな共同体の利益、「永遠の視点」を優先せよ!
第11章 あなたを信じていたのに……

会社のルールは信用で動くが淡々とこなす。
しかし、対人関係は裏切られても信頼する。
第10章のロイヤル自動車の一件で売り上げ目標を達成できなかったリョウ君は、ドラさんから降格がいい渡されます。
「キミの判断で間違いない」「キミを100%信頼するよ」と言っていたはずなのに…とショックを隠しきれないリョウ君にドラさんは伝えます。

リョウ君。会社で働くときにはね。信頼と信用という異なる二つの考え方を両方併用しなければならいんだよ。〔…〕ボクは課長という人格で部下という人格のキミを信用システムで判断する。キミの機能価値を冷静に実績や担保で判断するよ。〔…〕
でもね。一人の人間としては、ボクはキミを無条件で信頼するよ。課長ではなく一人の人間、ドラとしてボクは人間リョウ君を無条件に信じる。
『もしアドラーが上司だったら』小倉広著 第11章より
会社の信用システムと、人としての信頼システム。これらは一見すると矛盾しているように見えるかもしれません。
しかし、現実社会で生きていく上では、機能価値に基づく信用システムと上手につき合っていくこともまた大切です。
社会は機能価値で動いている側面もある。
あくまでもそれは機能価値の話だと割り切りつつ、淡々と進めていこう。

この記事は、少しずつコツコツと更新していきます。
連載漫画のように気長にお楽しみいただけるとうれしいです!
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「なるほど。そうか。〇〇さんはそう考えているのですね」
「〇〇さんは『減らす業務なんてない』と思っているんですね」