「嫌われる勇気」は自己中か?おかしいと思う人へ【アドラー心理学】

アドラー心理学

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\この記事を読むメリット/

「まわりに“嫌われる勇気”に影響されている人がいるが、自己中に見える…」
「本を読んだけど、これってただの自己中じゃない?

このようなあなたのモヤモヤに答えます。この記事を読めば“嫌われる勇気”の本当の意味も理解していただけます。

ゆるい
ゆるい

この記事に出会っていただき、心より感謝いたします。
大学院でアドラーを研究し、日々の生活・仕事でもアドラー心理学を実践する、あつくてゆるい(@atsukuteyurui)と申します。

アドラー心理学ブームの火付け役になった『嫌われる勇気』(世界累計発行部数485万部超1

著:岸見 一郎, 著:古賀 史健
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この本は文句なしの名著ですが、多くの人が誤読した結果「ただ自己中なイタい人」を量産しているのもまた事実。

この記事は「嫌われる勇気って自己中じゃない?」「嫌われる勇気っておかしくない?」というあなたのモヤモヤを晴らします。

記事後半は有名ドラマ『半沢直樹』も例に挙げ、“嫌われる勇気”が本当に意味するところも探求していきましょう。

▼筆者(@atsukuteyurui)は以下の通り、アドラー心理学を専門としています。

  • アドラー心理学の各種講座受講済み
    ※アドラー心理学ベーシック講座, SMILE, STEPなど
  • ELMリーダー
  • アドラー心理学実践 10年以上
  • 大学院にて、アドラーの原著を読み込み論文執筆(完了)
ゆるい
ゆるい

読んでくださった方にご満足いただけるよう、わかりやすく書くことを心がけています!
しかし、もし難しいところや、質問などあればお問い合わせからお気軽にご連絡ください。精一杯対応させていただきます。


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「嫌われる勇気」は自己中なのか?

結論「嫌われる勇気=自己中」というわけではないです。

しかし次の2つのパターンで“自己中”に見える可能性はあります。

嫌われる勇気が“自己中”にみえる2つのパターン

  1. 「嫌われる勇気」を正しく理解せず、本当にただの“自己中”になっている
  2. 信念をもって理不尽なルールや常識を打破しようとした結果、“自己中”だと批判される

多くの人が「嫌われる勇気」を誤解している!

間違った“嫌われる勇気”
“嫌われる勇気”の先に、自分自身の利益しかない or 他者を犠牲にしている

正しい“嫌われる勇気”
“嫌われる勇気”の先に、自分と他者とのwin-winの関係がある

残念ながら『嫌われる勇気』を誤読して、勘違いしている人はたくさんいます。

あなたのまわりに

ことり
ことり

この人“嫌われる勇気”の影響をうけているけど、ただの“自己中”なだけじゃない?

と感じる人がいたら、その人はただの“自己中”である可能性は高いでしょう。

『嫌われる勇気』にはこんな一節があります。

「自由とは、他者から嫌われることである」〔…〕
あなたが誰かに嫌われているということ。それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるしなのです。

『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p162

これを読んで、

ことり
ことり

自分は今まで自分の人生を生きてこなかった!

これからは“嫌われる勇気”を持って自分の人生を生きよう!

みたいにスカッとした結果、自分勝手に生きていくわけです。

しかし、これは完全なる誤読です。

たしかに、他者の言いなりになる生き方、他者に依存しつづける生き方は不自由。

また“嫌われる勇気”とは「自分の人生を自由に生きる勇気」であるのは確かです。

しかし「自分の人生」も「自由」も、人は1人で生きているわけではないという大前提のうえに成り立つことを忘れてはいけません。

アドラー心理学で「自由」というとき、「自分さえよければいい」「あなたはあなた、わたしはわたし」という「個人主義」の自由を言っているのではないのです。


そして、ここがとっても大事なのですがアドラーは

アドラー
アドラー

人と人は共に生きていくんだよ!だから協力・貢献していこうね!

ということをこれでもか!と強調します。

つまり、アドラーは「自分勝手」「自己中」には真っ向から反対の立場。

したがって自分自身の利益しか考えていない、あるいは他者を犠牲にするような“嫌われる勇気”は間違い(単なる“自己中”)だということになります。

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正しい「嫌われる勇気」とはなにか?

きらら
きらら

単なる自己中ではだめってことはわかった。
けど、つまりなにが正しい“嫌われる勇気”なの?

“嫌われる勇気”を正しく行使したとき、私たちは自分のことだけでなく、他者のことも考えます。

もちろん自分自身の“自由”が大事ではあるのですが、決して「あなたはあなた、私は私」とバラバラになるわけではない。

目指すはつかずはなれずの適度な距離感、win-winの関係です。

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“嫌われる勇気”とセットなのが“課題の分離”です。適度な距離感で、win-winの関係を目指します。


では、なぜwin-winの関係を目指すうえで“嫌われる勇気”が必要なのでしょうか?

最初から適度な距離感ならば、わざわざ“嫌われる勇気”なんて言い方はしなくてよいでしょう。

しかし、往々にして私たちの人間関係は不健康です。

社会(他者・組織)のルールや常識が、個人をあまりにも抑圧し、不自由を強いることが多い…。

そしてそのとき、もしあなたが、より健康的な“win-winの関係“を目指すとするならば?

信念をしっかりもち、理不尽な社会のルールや常識に勇気をもってNOを突きつけねばならないことが多いですよね?

これこそが本当の“嫌われる勇気”なのです。

“嫌われる勇気”の先にあるのはただの「私利私欲」か?それとも「よりよいwin-winの協働関係」なのか?

ここが“嫌われる勇気”が“自己中”となるかどうかの分かれ道だということになります。

ゆるい
ゆるい

アドラー心理学の“土台”となるのが「共同体感覚」です。
共同体感覚とは「他とのつながりの感覚、つながっている他へと向けられる関心」のこと。
“嫌われる勇気”のベースにも「共同体感覚」があるのだと理解できると、単なる“自己中”とは違うのだと理解していただけるはず。

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正しい「嫌われる勇気」が“自己中”だと誤解される理由

さて、難しいのが…

きつね
きつね

“嫌われる勇気”を誤解して、自分勝手に生きることを決めたAさん

ことり
ことり

“嫌われる勇気”を正しく理解して、理不尽なルールや常識に勇気をもってNOをいうBさん

これら2つのケースがともに「社会のルールや常識に盾突たてついている」のは同じだということ。

たとえば同調圧力しかない会議のなかで、正しい嫌われる勇気を振り絞って、意見を述べたのに…

ふくろう
ふくろう

あいつは自分勝手だ!

空気が読めていない!

などと批判されることがありますよね?

いくらあなたが信念をしっかり持っていても「まわりと違ったことをする=自己中」だと安易に批判されてしまう…。

すごく悔しいとは思います。

しかし、そうした批判にめげずに、みんながより生きやすい社会をめざして信念を貫く。

これが“嫌われる勇気”の本質なのです。

ゆるい
ゆるい

同調圧力が大きな日本ではこの問題が深刻。
まさに“嫌われる勇気“が試されます。

半沢直樹は「嫌われる勇気」のロールモデルだ!

ぺんぎん
ぺんぎん

“嫌われる勇気”ってどうやるか、もうちょっと具体的にイメージしたいなぁ…

そんなあなたに最高のロールモデルを紹介します。

それは、大ヒットドラマ『半沢直樹』の主人公、半沢直樹です。

出演:堺雅人, 出演:上戸彩, 出演:及川光博, 出演:片岡愛之助, 出演:賀来賢人, 出演:今田美桜, 出演:池田成志, 出演:山崎銀之丞, 出演:角田晃広, 出演:今井朋彦
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半沢直樹は、より大きな正義のために信念をもって行動する人物として描かれます。

しかし、所属する組織のルールを無視することもありますし、“組織の論理”にどっぷりの人から見ると

ぺんぎん
ぺんぎん

なんなんだ!あの自分勝手な行動は!


という具合に“自己中”に見られてしまいます。

ゆるい
ゆるい

半沢自身は正しいことをしているはずなのに、正当に評価されず、何度も出向のピンチに遭うわけですよね。


しかし、半沢は “私利私欲”のために、ルールを逸脱しているのではないですよね。

彼が行動する先には、いつだって他者がいる。

理不尽な仕打ちに苦しむ仲間のため、よりよい協働関係を築き上げるために、彼は動きます。

私利私欲のために不正をする悪徳政治家に対して放った半沢の次のセリフには、まさにそうした彼の信念が現れています。

「政治家の仕事とは、人々がより豊かに、より幸せになるよう政策を考えることなはずです。今この国は大きな危機に見舞われています。航空業界だけでなく、ありとあらゆる業界が、厳しい不況に苦しんでいる。それでも人々は必至で今を耐え忍ぶ。苦難に負けまいと歯を食いしばり、懸命に日々を過ごしているんです。それは、いつかきっと、この国にまただれもが笑顔になれるような明るい未来が来るはずだと信じているからだ。そんな国民に寄り添い、支え、力になるのがあなたがた政治家の務めでしょ。あなたはその使命を忘れ、国民から目をそらし、自分の利益だけを見つめてきた。謝ってください。この国で懸命に生きるすべての人に。心の底から詫びてください。」

『半沢直樹2』第10話より


彼は信念のために、彼の上司をはじめ、他者から嫌われることを恐れません。

半沢はまさに“嫌われる勇気”を体現する人として描かれていると私は感じます。

まとめ − 「嫌われる勇気」は結局どう実践していけばよいのか?

「嫌われる勇気」は自己中か?おかしいと思う人へというテーマで書いてきました。

まとめ

  • “嫌われる勇気”は自己中ではない。けれども、勘違いしてただの“自己中”になってしまっている人がとっても多い
  • よりよい協働関係、win-winの関係を目指して、信念をしっかりもち、社会(組織・他者)の理不尽なルールや常識にNOをいうのが本当の“嫌われる勇気”
  • “嫌われる勇気”を正しく発揮しても「まわりと違う」という一点だけで“自己中”だと批判されることもある
  • 半沢直樹は“嫌われる勇気”のロールモデル

みなさんの「嫌われる勇気」に対するモヤモヤは少しでも晴らせましたでしょうか?

なお「嫌われる勇気」の実践って、言うのは簡単だけど実際すごくむずかしいです。

たとえば、信念をもった正しい“嫌われる勇気”のつもりでも、知らぬ間に「権力争い」へと目的がすり替わっていたり…

ゆるい
ゆるい

「自分は間違ってない」「相手がおかしいんだ」と必死になったことはありませんか?そのときあなたはすでに「権力争い」に突入してしまっています。

▼あわせて読みたい

ことり
ことり

これは本当に正しい“嫌われる勇気”なんだろうか?
ただの自己中になってないだろうか?


あなたがそうやってもし迷われているとしたら、煙に巻くような答えですが、実はそれが正解である証拠。

だから大丈夫。迷い苦しみながら「それでもやっぱり自分はこう思う!」と、嫌われることを恐れず、信念を貫いていきましょう。

もっともっと一人一人が生きやすい社会を目指して!!


最後に宣伝です。“嫌われる勇気”のロールモデル半沢直樹の小説は、Amazonの“聞く読書”Audible(オーディブル)で全巻聴き放題。

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今日が人生で一番若い日です。

池井戸作品は“嫌われる勇気”をもった主人公が活躍する作品がたくさん。読むと勇気がわいてくること間違いありません。

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ゆるい
ゆるい

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