【アドラー心理学】早期回想とは?わかりやすく解説|幼少期の思い出が自己理解への扉を開く

アドラー心理学

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アドラー心理学によるカウンセリングの大きな特徴は、個人のライフスタイルを診断し、その誤りを発見して修正すること。そのライフスタイル診断に最も有用な情報源として、

  • 家族布置
  • 早期回想
  • 特殊診断質問

の4つがある。この記事では、その中から早期回想について紹介する。

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【アドラー心理学】早期回想とは?わかりやすく解説|幼少期の思い出が自己理解への扉を開く

早期回想とは

『アドラー心理学教科書』によると、早期回想とは次のような条件を満たす回想のことだ。

  1. ある日ある所での特定の出来事の思い出であること。
  2. 始めと終わりのあるストーリーであること。
  3. ありありと視覚的に思い出せること。
  4. 感情を伴っていること。
  5. できれば10歳くらいまでの出来事の思い出であること。

『アドラー心理学教科書 -現代アドラー心理学の理論と技法-』p77

これらをベースに、カウンセラー養成講座では、最も古い記憶、一番鮮明な記憶、そのときの感情、MVP(Most Vivid Part:最も印象に残った部分)を語ってもらうよう教えられた。

注意しないといけないのは、ある日の1度きりの思い出だということ。
「昔よく〜したものだ」という思い出は「報告(レポート)」と呼ばれ、ライフスタイル診断法としての利用価値は、早期回想よりもはるかに低いとされる。

早期回想はなぜライフスタイルを反映するのか

そんな昔の思い出で本当にいろんなことがわかるの?と思うかもしれない。

しかし、実際に体験してみると、早期回想が自分のライフスタイルを知る上で超強力なツールだと実感する。

なぜ早期回想はライフスタイルをよく反映するのか。それには次のような理由が考えられる。

  1. 人は自分の過去の記憶の中から、現在のライフスタイルに一致したものだけを思い出す。
  2. 記憶もまた、認知バイアスの作用によって、ふるいにかけられている。
  3. 記憶は自分の信念を強化するために使われる。

実際に何があったのか、それがどれほど真実に近いかは重要ではない。

大事なのは、クライアントがどんな物語に生きているのかどのような思い出をくり返し、自分自身の物語として強化してきたのかなのである。

早期回想の解釈

当然のことながら、早期回想は語って終わりではない。
さまざまな角度から物語を解釈することで、以下のライフスタイルの構成要素に落とし込んでいく。

  1. 自己概念:自己の現状
    「私は〜である」という信念群
  2. 世界像:世界(周囲の人々)の現状
    「世界(周囲の人々、男性、女性)は〜である」という信念群
  3. 自己理想:自己の理想の状態
    「私は〜であるべき」という信念群 「他者は自分に対して〜すべき」という信念群

またそれ以外にも、クライアントの「感覚タイプ1」や、決めつけや誇張ぐせなどの「ベイシック・ミステイクス」などが読み取れる。

これらのライフスタイルの構成要素を知ることで、クライアントには大きなメリットがある。

まず、自分がくり返してきた失敗のパターンや苦しみの原因に気づくことができる。これにより、自分の陥りやすいミスに対して具体的な対策を立てられるようになる。

また、ライフスタイルが極端にネガティブな場合、それを認識することで、自分の “認知の悪いクセ” を変えるための第一歩を踏み出すきっかけになる。

早期回想を通じたライフスタイルの理解を通して、クライアントは自分の無意識の行動パターンや思考の傾向を客観的に見つめ直す機会を得られ、より意識的で建設的な選択をする力を身につけていくことができるのである。

「家族布置・早期回想」を語っていただける人を募集します

自分のライフスタイルを知るための、アドラー心理学の超強力な技法「早期回想」について解説してきた。

ちなみにアドラー・カウンセラー養成講座では「早期回想を100人分、解釈の練習をしなさい」と伝えられた。早期回想の解釈はそれほど奥が深く、経験を要するスキルなのだ。

この記事を読んで、自分の家族布置や早期回想を通じて、ライフスタイルを探求したいという人がいたら問い合わせから声をかけてほしい。語っていただくだけでなく、もちろん解釈もお伝えする。

練習中の身なのでもちろん無料で、何かを勧誘することも一切ない。興味のある人は気軽に声をかけてもらえたらと思う。