『嫌われる勇気』実践法!自由への3ステップ

アドラー心理学

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『嫌われる勇気』を読んだけど、具体的にどのように実践していけば良いのだろう?

この記事ではこのような疑問に答えます。『嫌われる勇気』は2013年12月の発売から以降、売れに売れ、海外で出版された翻訳版も含めると世界累計発行部数は485万部(2020年2月時点)を突破した名著です。


この本のタイトルにもなっている、

「自由とは、他者から嫌われることである」

『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p162

という考え方。こう言われてもよくわからないし、難しいよ…と思う人、いますよね。

この記事はそんな人に向けて、「嫌われる勇気」実践法を3つのステップに分けて解説

  • アドラー心理学の各種講座受講済み
    ※アドラー心理学ベーシック講座, SMILE, STEPなど
  • ELMリーダー
  • アドラー心理学実践 10年以上
  • 大学院にて、アドラーの原著を読み込み論文執筆(完了)

ちなみに、記事を書いている人(@atsukuteyurui)のプロフィールは以下の通りです。

日々、アドラーの研究&実践をする筆者が、「嫌われる勇気」を実践する超重要ポイントを3つの具体的なステップにまとめました。

この記事を読んだあなたは「嫌われる勇気」を生活で生かすための具体的な道筋が見えるでしょう。

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『嫌われる勇気』実践法 ー 自由への3ステップ

『嫌われる勇気』を実践する上で、重要な3ステップは以下の通りです。

『嫌われる勇気』実践法 ー 自由への3ステップ

ステップ① 課題を分離する

ステップ② 伝え方を工夫する

ステップ③ 権力争いに乗らない

なお、「嫌われる勇気」とは「積極的に嫌われてもいい」という意味ではないです。

相手から好かれることばかり考えていては、相手に振り回されるので、不自由で自分の信じる道を行けません。

そこで自らの信じる道を自由に行くためには、時には「嫌われる勇気」を持つことが必要なのです。

ゆるい
ゆるい

今回はくわしく触れませんが、アドラー心理学は「よりよい協力・協働」を目指す心理学です。
「嫌われる勇気」をもつことは、適切な人間関係の入り口に立つことにすぎません。
「嫌われる勇気」によって得られた自由の先には、「他者との協力」があるということを、忘れないでください。

ステップ① 課題を分離する

他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない

『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p150 

『嫌われる勇気』を実践し自由を手に入れるためには、「課題の分離」の考え方はかなり重要です。

なぜなら、

他人があなたの課題に干渉してくる場合

他人が自分の課題をあなたに押し付けてくる場合

というのはとっても不自由ですし、ストレスを溜めたり、貴重な時間を失うことにつながるからです。

なので「課題の分離」の考え方を身につけるのは、「嫌われる勇気」実践のキホンであると言えるでしょう。

「課題の分離」では、何か問題が発生した時、次の2つのことを問います。

これはだれの課題なのか?

その選択によってもたらせる結末を最終的に引き受けるのは誰か?

この問いの結果「自分の課題ではない」と判断した場合は、「嫌われる勇気」をもち“NO”を伝えていく必要があるのです。


なお「課題」はすべてだれか1人に帰属すると考えるのが原則。

ただ、現実には課題が複数の人に帰属するように見えること、もしくは誰にも帰属しないように見えることもあるように思えます。

そのときは、まずは「ここまではあなたの課題」「ここまでは私の課題」というように、問題を細かく分析することが必要になるかもしれません。

また、事前の責任範囲や仕事の分担が細かく決められていないことに、そもそもの問題がある場合もあるでしょう。

ゆるい
ゆるい

アメリカでは「課題の分離」を「誰の責任か (Who’s Responsibility?)」と考えるようです。

だれの課題か見えにくい場合は、責任の所在がはっきりしないことの裏返しだと言えるでしょう。
(日本人はそもそも、ここら辺の段階でつまずいているケースも多そうですよね…)

より詳しい「課題の分離」の進め方については、以下の記事にまとまっているので、こちらをお読みください。

ただし、あなたの立場が弱い場合は「課題の分離」を使いたくても使うことはなかなか困難です。

あなたの方が相手より立場的に弱く、半強制的に支援するよう依頼された場合
例:上司から手伝わないとクビにするぞと脅されている場合

あなたの方が相手より立場的に弱く、過干渉を受けている場合
例:上司にいつも仕事を監視され、文句を言われる場合


つまり、

こっちとしては「課題の分離」をしたいのに、なかなか親や上司が分離させてくれないんです…

という場合です。

この場合も「嫌われる勇気」なので、なんとかして相手にあなたの思いを伝えていく必要があるのです。

けど、言い方を間違えると、大きなトラブルに発展しかねません…。

ゆるい
ゆるい

そこで重要になるのが「伝え方」です。
実際同じ内容でも、伝え方ひとつで決まることって本当にたくさんありますよね。
ステップ②では、アドラー心理学で大事にされる「伝え方」について解説します。


↓『嫌われる勇気』続編の『幸せになる勇気』もオススメ。

ステップ② 伝え方を工夫する

ステップ②は「伝え方を工夫する」

「嫌われる勇気」は「積極的に嫌われに行く勇気」ではありません。だから、あなたの思いは伝えつつ、できれば嫌われない方がいいに決まっています。

そこで、重要なのが「伝え方」なのです。

特に、ステップ①で示した「課題の分離」を実際にやってみようとすると、「伝え方」の重要さを実感するでしょう。


伝え方と言っても、表情・姿勢・場の雰囲気・言葉選びなど、いろいろな要素が必要です。

ここでは、アドラー心理学でよく用いられる「伝え方」のテクニックとして、「私」メッセージを紹介します。

これは以下の型で、自分の思いを伝えるという方法です。

「私」メッセージ

(1)相手の行動
「あなたが〜するとき(したので)」

(2)自分の感情
「私は〜と感じる(感じた)」

(3)相手の行動の影響
「なぜならあなたの行動により〜(という影響がある)からです」

(4)相手に託す思い
「あなたには今後〜」

※「私」メッセージは、最低限(1)〜(3)から構成されており、できれば(4)を加えるとよい

【参考】ELMテキスト(ヒューマン・ギルド)


「私」メッセージは、I(アイ)メッセージとも呼ばれ、聞いたことのある人もいるかと思います。

ポイントは、「あなたは〜だ」「常識的〜だ」と、相手を断定するように伝えるのではないということ。あくまでも「個人の意見として、私は〜と思う」と伝えます。

以下は、「課題の分離」を「私」メッセージで伝えてみた一例です。

(1)相手の行動
先輩が、私の仕事をじっと見て、細かくアドバイスをしてくださるとき、
※本当はめちゃめちゃ過干渉でいちいち口出ししてくるが、オブラートに包んで伝えている

(2)自分の感情
勉強にはなるとは思っていますが、私は正直悲しい気持ちになってしまいます。

(3)相手の行動の影響
なぜなら「あなたには力がない」って言われているように、私は感じてしまうからです。

(4)相手に託す思い
締め切りの3日前までには先輩にチェックをしてもらうようにしますし、わからないことがあれば早めに質問をしますので、それまでまずは私に任せていただけると嬉しいです。

ゆるい
ゆるい

なお、これは当たり前のことですが、あなたの思いを伝えるためには、普段からの相手との関係性がとても重要。
「勇気づけ」という技法を使って、日常的なコミュニケーションをよりよくしていくことで、いざというとき、相手に思いを届けられる関係性ができるのです。

なるほど!
けど、どれだけ伝え方を気をつけても、相手が無視してきたり、怒ってきたらどうすればいいの?



こんな悩み、ありますよね。

「嫌われる勇気」を出して、相手に自分の思いを伝えたけど、うまくいかない!

そんなときに、次のステップへと移ります。

ステップ③ 権力争いに乗らない

ステップ③は「権力争いに乗らない」

伝え方をどれだけ気をつけても、また周囲の人を勇気づけるよう努力をしていても、相手が怒ってきたり、無視してくるときがあったりします。

このとき相手は、あなたに「権力争い」を挑んできているのだと理解します。

人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。

『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p107 


で、こういうことが起こったとき、「私の正しさを証明しよう」と、権力争いに乗ってはいけません。

『嫌われる勇気』の中では次のように述べられています。

あなたが正しいと思うのなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結するべき話です。ところが、多くの人は権力争いに突入し、他者を屈服させようとする。

仮に、今回は自分の正しさを証明して相手に負けを認めさせたとしても、相手は復讐のチャンスを狙ってくるでしょう。

相手が怒ってきたり、無視してきたりしたとき、冷静になり、決して相手の挑発に乗ってはいけないのです。

え〜!そんなことできるか自信ないし、怖いな…

確かに、その通りでしょう。私自身も、自分の正しさを証明するために、相手を論破!みたいなことをやりがちでした。

けれども、もし喧嘩みたいになったら、周りから見たら「こいつらめんどくさいやつ!」と思われるだけです。

また、あとで自分が失敗したときに、復讐されることが本当に多いです。

ゆるい
ゆるい

相手が怒ってきたときに、怒りコミュニケーションで返してうまく行ったことなんて、まずありません。

ステップ①で「誰の課題であるか」を見極め、ステップ②で「伝え方を工夫」しました。

けれども、相手は人間なので、自分の思った反応が返ってこなくて当たり前。

そこで、最後は「嫌われる勇気」なのです。

自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。 

関係が壊れることだけを怖れて生きるのは、他者のために生きる、不自由な生き方です。

もしもあなたが異を唱えることによって崩れてしまう程度の関係なら、そんな関係など最初から結ぶ必要などない。こちらから捨ててしまってかまわない。

ゆるい
ゆるい

アドラー心理学は、よりよい協力関係を目指すための心理学。
なので、関係が壊れた状態がよい状態というわけではないです。
ただ、今のままではあなたがあまりにも報われない、適切な協力関係を目指せないと判断したとき、一時徹底する。
この勇気ある撤退こそが「嫌われる勇気」なのです。


もし『嫌われる勇気』を読まれてない方は、是非手に取ってみられてください。


続編の『幸せになる勇気』はまだ!という方は、こちらも名著ですので、是非手に取ってみてください。


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