✔︎ 他人と比較してしまって苦しい。自分はダメ人間だ
✔ 他人から干渉されてて人間関係マジきつい
✔︎ 言い訳ばかり、人のせいにばかりするこんな自分を変えたい
✔︎ 自分の人生 or 他人への貢献、どっちが大事?
✔︎ 会社や学校のルールや文化になじめない
この記事では、このような悩みに答えるための、アドラー心理学の実践を5つ紹介。
突然ですが、生きるって大変ですよね…。
私自身も家庭で、学校で、職場で、ずいぶん人間関係に苦労してきました。
その中で7年前に出会ったのアドラー心理学。アドラーと出会って、考え方も前向きになったし、人間関係の悩みは圧倒的に減りました。
この記事では、そんな私の7年間の実践の中で、特に役立ったと感じるエッセンスだけをお届けします。
この記事を書いている人(@atsukuteyurui)のプロフィールは以下の通りです。
生きるのが楽になるためのヒントが少しでも得られるように、アドラー心理学の実践5つを書いていきます。
アドラー心理学の実践5つ【生きるのが楽になる】
今回紹介するアドラー心理学の実践は以下の5つです。
アドラー心理学を実践する5つの具体的方法
※冒頭の悩みに対応しています。お好きなところからお読みください!
1.「勇気づけ」で自分と他人を受容する
他人と比較してしまって苦しい。自分はダメ人間だ
こんな悩みを抱える人へ。
「勇気づけ」で自分と他人を勇気づけ、自分と他人を受容する考え方を身につけます。
ここでは「勇気づけ」の中で特に重要なポイントを2つに絞って紹介します。
①無条件に「存在そのもの」の価値を認める
これは「実践」というよりも「信じるかどうか」という話です。
他者も自分も、
生きているだけで価値がある
存在そのものに価値がある
と信じること。アドラー心理学の「勇気づけ」では、このような前提に立ちます。
もし人間が、自分の存在そのものに価値を見出せないと、生きていくのって結構苦しいです。
例えば、
自分の年収200万ちょっと。ワンルームのアパートで、恋人もなし、一人寂しく暮らしている。
かたや同じ大学を卒業した友人は大手企業に入って、すでに年収は700万円超えたって。おまけに恋人もいて、もうすぐ結婚!
はぁぁぁぁ…どこでこんなに差がついてしまったんだろうなぁ…。
こういうとき、どうしても自分と相手とを比べて、自分の価値が他人より小さい気がしてしまいがち…
こういう発想のとき、私たちは人間の価値を、いくら稼げるかとか、結婚しているかとか、「〜がある」「〜ができる」という「機能」で見てしまっています。
たしかに、転職活動の「市場価値」と呼ばれるような「機能」の価値があることは事実です。
けれども、それだけで人間を測っていては、極端な話だと、「能力のない人は生きる意味がない」という危険思想に陥ります。
また、所詮比較でしか物事を見れませんので、上には上がいるので、いつまで経っても生きるのは苦しいままでしょう。
「機能」だけでなく「存在」のレベルで価値を認めていく。
これが、勇気づけの前提となる考え方です。
そして、存在価値があると信じることは、自分と相手とを、たとえできないことがたくさんあったとしても、最後の最後まで「受容」する理由に他ならないのです。
②楽観的に物事を見る
「勇気づけ」のもう一つのポイントは楽観的に物事を見ること。
世の中で起こっている様々なこと、一人の人間を見ても「100%よい or 100%悪い」というのはありません。
良い面、悪い面がそれぞれ必ず存在している。
アドラー心理学はとても楽観的な心理学だと言われています。
そして、楽観的というのは、何があってもポジティヴシンキング〜な「楽天的」とは違うのです。
楽観的とは、悪い面を視野に入れつつ、それでも努めて良い面に焦点を当てることです。
何か悪いと感じられることが起きた時、悲観に暮れるのではなく、必ずある「よい面」に光を当てていくこと。
これが、アドラー心理学「勇気づけ」の実践です。
一つ目のアドラー心理学の実践として「勇気づけ」を取り上げました。
特に、
・無条件に「存在そのもの」の価値を認める
・楽観的に物事を見る
という2つのことが「勇気づけ」のポイントであり、自分と他者とを受容することにつながります。
そして、この考え方を身につけるだけで、随分生きやすくなることでしょう。
より詳しい内容は、以下の記事にまとまっています。
2. 「課題を分離」で自分の人生を確保する
他人から干渉されてて人間関係マジきつい
そんな人にオススメの実践は「課題の分離」です。
アドラー心理学では、
✔︎ 自分の個性、自分の一度きりの人生
✔︎ 他者への貢献と協力
という、2つの両立を目指します。
そして、そのために重要なのが「課題の分離」です。
「課題の分離」のポイントは、人間同士のほどよい距離感を作ること。
相手が自分に過剰に干渉してくる…
自分が相手に過剰に干渉してしまっている…
みたいな悩みを抱えるときは、相手との距離が近すぎるのかもしれません。
こうしたときに「課題の分離」では、次のことを問います。
これはだれの課題なのか?
その選択によってもたらせる結末を最終的に引き受けるのは誰か?
この問いの結果「自分の課題ではない」と判断されたことには、ひとまずはその課題を自分から切り離す必要があります。
「ひとまずは」と書いたのは、後に「共同の課題」として、部分的にお手伝いすることはあるからです。
いずれにせよ、自分の課題ではないものに、過剰に干渉することはしません。
より詳しい「課題の分離」の進め方については、以下の記事にまとまっているので、こちらをお読みください。
3.「目的論」で考え、主体性を身に付ける
言い訳ばかり、人のせいにばかりするこんな自分を変えたい
このような悩みを抱える人は「目的論」の考え方を身につけましょう。
アドラー心理学の目的論は、フロイトの原因論と対比して理解します。
アドラーとフロイトは非常に仲が悪かったのですが、
フロイトは、
人間の行動はリビドー(性的衝動)によって決まる
「原因(リビドー)→結果(行動)」という原因論にこだわりました。
一方アドラーは、
いや、そうではない。
人間はどんな環境的な影響があったとしても、最終的には自分の人生の目的を、自己決定して行動する
という「目的論」の立場をとったのです。
フロイトの原因論 v.s. アドラーの目的論
というのは、とても深刻な対立で、この溝が埋まることは決してありませんでした。
目的論では、
どんなに厳しい環境に置かれても、自分の行動を選択し、最終決定していく力がある!!
と考えるので、とっても前向きな考え方です。
ただし、逆に言うと「全ての行動は自分で目的を決めて、自分で選択している」という話になります。
つまり、
〜のせいで××できない。
〜があれば、もっと〇〇なのに!!
私はかわいそうな子…
みたいな言い訳は一切通用しなくなるので、結構厳しいです!!
特に、一般的にはネガティヴだと言われる行動…怒ったり、泣いたり、何かを諦めたりしたとき、「〜のせいで」という原因論で考えた方が楽だとは思いませんか?
けれども、怒ったのも、泣いたのも、全てあなたに何らかの目的を果たすためであると、アドラーは言うわけです。
厳しいですが、主体的な人生を生きるというのは、そういう厳しさも受け入れるということ。
自分がなにか行動したときに
こう自分に問いかけることで、常に自分自身の行動に、責任感と納得感をもって生きていくことがとても大事です。
目的論については次の記事に、具体例も含めてまとめています!
4.「ライフタスク」に協力・貢献する
自分の人生 or 他人への貢献、どっちが大事?
このような悩みを抱える人は、「ライフタスク」という考え方を参考にされてみてください。
先にお伝えした「課題の分離」や「目的論」を身につけることで、あなたは自分の人生を生きられるようになります。
ただ、アドラーの本意は「自分個人の人生を生きる」ことばかりを強調するものでは、決してないです。
むしろその真髄は「協力・貢献」にこそあります。
アドラーは「自分の人生」と「他者への貢献」は矛盾するものだとは考えていませんでした。
わかりやすく言えば、
自己実現=他者貢献
だとアドラーは言うのです。
具体的には、アドラーは人生の中で「仕事」「交友」「愛」の3つのライフタスクに貢献・協力しなさいと説きました。
3つのライフタスク
仕事のタスク
地球という有限な環境で、どんな仕事を見つけ、他者とどのように分業して生きていくか。
交友のタスク
そもそも人は1人で生きているわけではなく、他者とどのように共に生きていくか。
愛のタスク
人類は子孫を残さないと存続できないことを前提に、恋愛・結婚・出産・子育てなどにいかに取り組むか。
この「ライフタスク」に、賛同されるかどうか、意見は分かれるところでしょう。
けれども、アドラーは人間は生まれた瞬間から、他者とともに生きることを強いられた社会的存在であるので、「ライフタスク」を引き受けていかねばならないと考えたのです。
つまり、他者とのつながりの中で生まれる「仕事」「交友」「愛」のタスクに取り組むことそのものが、個人の自己実現に他ならないのです。
アーティストや哲学者などは、ライフタスクに取り組まずに作品づくりや研究に没頭することをアドラーも認めています。
ただしそうした人も、好き勝手に生きているというわけではなく、大きな意味で人類の発展に協力・貢献しているのです。
ライフタスクについて、詳しくは以下の記事をお読みください。
5.「共同体感覚」をもち、視野を広げる
会社や学校のルールや文化になじめない
このような悩みを抱える人には「共同体感覚」の考え方を学び、視野を広げましょう。
共同体感覚とはアドラー心理学の価値観で、
他とのつながりを感じ、つながっている他へ関心を向けている
という感覚をいいます。
では、「他へ関心を向けている」とはどういうことか?
アドラーは、
他の人の眼で見て、他の人の耳で聞き、他の人の心で感じる
といいます。
つまり、「他へ関心を向ける」とは、自分視点ではなく、他者視点をもった共感の態度を意味するのです。
また「他の人」というのは、決して身近な他者だけにとどまりません。
(共同体感覚は)良好な状態の時には、家族だけではなく、一族、国家、全人類にまで拡大する。さらには、この限界を超え、動物、植物や無生物まで、ついには、宇宙にまで広がる
とアドラーは述べています。
つまり、「他」への視点はどんどんと広がり、普通では聞こえてこないような声なき声を聞いていくことが大切なのです。
時に、「今いる目の前の共同体の声」と対立することもあるでしょう。
これは『嫌われる勇気』の言葉ですが、
われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p193
例えば、職場や学校で「おかしいな?」と思うことがきっとあるでしょう。
そのときに、われわれは、目の前の小さな共同体にこだわりすぎることはありません。
目の前の小さな共同体の常識は、より大きな視点で見ればただの非常識…なんてことばかり。
「おかしいな」と感じる違和感を大事にし、あなたの信じる道を行けばよいのです。
同じ違和感をもっている仲間は、きっといます。
共同体感覚については以下の記事をチェック!
まとめ
この記事は、生きるのが楽になるアドラー心理学の実践を5つ紹介しました。
再度まとめると以下の通りになります。
アドラー心理学を実践する5つの具体的方法
アドラー心理学の知恵が、あなたの悩みに少しでも答えるものであり、今日からの人生に少しでもプラスになれたら嬉しいです。
なお、生きるのが楽になるアドラー心理学実践本で、イチオシは『もしアドラーが上司だったら』です。
個人的に何冊も買って悩みを相談されたときなどにプレゼントしている本。
とってもいい本なので、この記事で「アドラーいいかも?」と思った方は、是非読んでみられてください。
また、この本はAmazonの「聴く読書」Audible(オーディブル)でも聴けます。