『嫌われる勇気』を自分の人生に生かしていきたいが、どんなことが書いてあるんだろう?
そんなあなたへ。名著『嫌われる勇気』から、人生に役立つ名言8つを厳選してお届けします。
✔︎この記事の信憑性
筆者(@atsukuteyurui)のプロフィールは以下の通り。『嫌われる勇気』をきっかけにアドラー心理学の世界にどっぷり浸かってしまった人間です。
『嫌われる勇気』人生に役立つ名言8選
『嫌われる勇気』は、
・アドラー心理学を研究している哲人
・生きることに悩みを抱える青年
という二人の対話形式で書かれています。名言は、すべて哲人の台詞からの引用です。
1. 変われないのは、「変わらない」と決心しているから
あなたは変われないのではありません。人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p51
人は、自らの生まれを選ぶことはできません。この国に生まれること、この時代に生まれること、この両親のもとに生まれること、すべて自分で選んだものではありませんよね。
しかもそれらは、実際に大きな影響力を持ちます。不満もあるでしょうし、他を見て「あんな境遇に生まれたかった」と思う気持ちも出てくるでしょう。
けれども、そこで終わってはいけません。問題は過去ではなく、現在の「ここ」にあります。この先どうするのかはあなたの責任なのです。
人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。変われないとしたら、それは自らが「変わらない」という決心を下しているから。
もちろん口では「私は変わりたい」と言うかもしれません。けれども本心では、少しくらい不便で不自由なところがあっても、いまのまま変わらずにいるほうが楽であり、安心なのです。
人が変わろうとするとき、大きな“勇気”を試されます。変わることで生まれる「不安」と、変わらないことでつきまとう「不満」。「変われない」人は後者を選択します。
では、変わるにはどうすればよいのか?哲人は答えます。
アドラー心理学は、勇気の心理学です。あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ“勇気”が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。
2. 誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいい
誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいいのです。もちろん、他者と自分を比較する必要もありません。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p92
私たちは他者と自分を比べてしまいがち。劣等感は、他者との比較から生まれるように感じます。しかし、健全な劣等感とは、他者との比較ではなく「理想の自分」との比較から生まれるもの。
性別、年齢、知識、経験、外見…
われわれは誰しも違っており、まったく同じ人間など、どこにもいません。他者と違いがあることは事実ですが、われわれは同じでないけれど対等なのです。
いまの自分よりも前に進もうとすることにこそ、価値がある。対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません。
3. 権力争いに足を踏み入れるべからず
人は、対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p107
「いくら自分が正しいと思えた場合であっても、それを理由に相手を非難しないようにしましょう」と哲人はいいます。
なぜなら「わたしは正しい。すなわち相手は間違っている」と思った時点で、議論の焦点は「主張の正しさ」から「対人関係のあり方」に移ってしまうから。
つまり、「わたしは正しい」という確信が「この人は間違っている」との思い込みにつながり、最終的に「だからわたしは勝たねばならない」と勝ち負けを争ってしまう。これは権力争いに他なりません。
そもそも主張の正しさは、勝ち負けとは関係ありません。自分が正しいと思うのなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結すべき。
誤りを認めること、謝罪の言葉を述べること、権力争いから降りること、これらはけっして「負け」ではありません。
勝ち負けにこだわっていると、眼鏡が曇って目先の勝ち負けしか見えなくなる。われわれは競争や勝ち負けの眼鏡を外してこそ、自分を正し、自分を変えていくことができるのです。
4. 他者の期待など、満たす必要はない
あなたは他者の期待を満たすために生きているのではないし、わたしも他者の期待を満たすために生きているのではない。他者の期待など、満たす必要はないのです。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p135
哲人のこの言葉を聞いた青年は、
と戸惑いを隠せません。しかし、哲人は答えます。
あなたは、あなただけの人生を生きています。誰のために生きているのかといえば、無論あなたのためです。
もし、自分のために生きていないのだとすれば、いったい誰があなたの人生を生きてくれるのでしょうか?私たちは、究極的には「わたし」のことを考えて生きている。そう考えてはいけない理由はありません。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになります。
承認されることを願うあまり、他者が抱いた「こんな人であってほしい」という期待をなぞって生きていくことになる。つまり、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになります。
あなたがもし他者の期待を満たすために生きているのではないとしたら、他者もまたあなたの期待を満たすために生きているわけではない。相手が自分の思うとおりに動いてくれなくても、怒ってはいけません。それが当たり前なのです。
「自由とは、他者から嫌われることである」
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p162
あなたが誰かに嫌われているということ。それはあなたが自由を行使し、自由に生きている証であり、自らの方針に従って生きていることのしるし。
たしかに嫌われることは苦しい。できれば誰からも嫌われずに生きていたい。承認欲求を満たしたい。でも、すべての人から嫌われないように立ち回る生き方は、不自由きわまりない生き方であり、同時に不可能なことです。
自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。そして対人関係における自由のコストとは、他者から嫌われることなのです。
5. より大きな共同体の声を聴け
われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p193
学校、会社、家庭…私たちは、どこからしらの共同体に所属し、そこで生きています。しかし、その共同体になじむことができずに苦しむことが少なくありません。
これに対するアドラー心理学のアドバイスは「より大きな共同体の声を聴け」ということ。
たとえばあなたの学校で、絶対的な権力をもつ教師がいたとします。しかしそんな権力や権威は、学校という小さな共同体だけで通用する話であって、それ以上のものではありません。
「人間社会」という共同体で考えれば、あなたも教師も対等の「人間」にすぎません。理不尽な要求を突きつけられたのなら、正面から異を唱えてかまわないのです。
もちろん、目の前の教師に異を唱えるのは、むずかしいと感じるかもしれません。けれども、哲人は言います。
もしもあなたが異を唱えることによって崩れてしまう程度の関係なら、そんな関係など最初から結ぶ必要などない。こちらから捨ててしまってかまわない。
関係が壊れることだけを怖れて生きるのは、他者のために生きる、不自由な生き方。私たちは、目の前の小さな共同体に固執することはありません。
大丈夫。もっとほかの「わたしとあなた」、もっとほかの「みんな」、もっと大きな共同体は、かならず存在します。
6. 縦の関係か横の関係か、どちらか一方しか選べない
もしもあなたが誰かひとりとでも縦の関係を築いているとしたら、あなたは自分でも気づかないうちに、あらゆる対人関係を「縦」でとらえているのです。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p214
人間関係には、上下の優劣で捉える「縦の関係」と、対等に協力し合う「横の関係」の2つがあるといいます。そして、アドラー心理学ではすべての対人関係を「横の関係」とすることを提唱します。
また、人間は「この人とは対等に」「こっちの人とは上下関係で」とはなりません。つまり、縦の関係か横の関係か、どちらか一方しか選べないのです。
もしあなたが、相手が友達であったとして、
- A君はわたしよりも上だが、B君はわたしよりも下だ
- A君の意見には従うが、B君には耳を貸さない
などと考えていれば、それは「縦の関係」を築いている証拠。こうした関係を「横の関係」に変えていくためには、まずは他者との間に、ひとつでもいいから横の関係を築いていくことから始めましょう。
7. 自己肯定ではなく、自己受容
ありのままの「このわたし」を受け入れること。そして、変えられるものについては、変えていく”勇気”を持つこと。それが自己受容です。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p229
アドラーの言葉に「大切なのはなにかが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」という言葉があります。
私たちは「わたし」という容れ物を捨てることもできないし、交換することもできません。しかし、大切なのは「与えられたものをどう使うか」ということ。つまり、「わたし」に対する見方を変え、いわば使い方を変えていくことが大切なのです。
青年は問います。しかし哲人は「ことさらポジティブになって自分を肯定する必要はない」と答えます。求められるのは、自己肯定ではなく、自己受容。両者は明確に違うのです。
哲人は、自己受容とは肯定的なあきらめであり、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めることだといいます。
私たちは「なにが与えられているか」について、変えることはできません。しかし「与えられたものをどう使うか」については、自分の力によって変えていくことができます。
だとしたら「変えられないもの」ではなく、「変えられるもの」に注目するしかないのです。
8. 世界とは、ただ「わたし」によってしか変わりえない
「わたし」が変われば「世界」が変わってしまう。世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない、ということです。
『嫌われる勇気』岸見 一郎/古賀 史健 著 p281
哲人は、長年アドラーの思想と共に生きてきて、ひとつ気がついたことがあると言います。それは「ひとりの力は大きい」いや「わたしの力は計り知れないほどに大きい」ということ。
つまり、「わたし」の見方が変われば「世界」そのものが変わってしまうのです。他の誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自ら、今この瞬間から歩み始めてみませんか。
いかがでしたか?
「アドラー心理学」の理論や用語にこだわることなく、あえて『嫌われる勇気』らしい名言を選んでみました。「気に入った!」と思われた方は、ぜひ実際に本を手にとってみられてくださいね。
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↓アドラー心理学まとめ
い、いや、それはあまりにも身勝手な議論です!自分のことだけを考えて独善的に生きろとおっしゃるのですか?