【アドラー原著】『人生の意味の心理学』わかりやすく要約(アドラー心理学)

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ゆるい
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こんにちは、アドラー心理学を哲学的に研究する、あつくてゆるい(@atsukuteyurui)です。

この記事は、アドラーの主著『人生の意味の心理学』がテーマ。

大学院でアドラーの原著を読み込んできた筆者が『人生の意味の心理学』の中からグッとくる箇所を8つピックアップ!

アドラー自身の言葉から、アドラー心理学のエッセンスを学んでいきましょう!


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『人生の意味の心理学』とはどのような本か?

ゆるい
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まずは、「人生の意味の心理学」の基本情報から見ていきましょう!

『人生の意味の心理学』とは?

英題:What Life Should Mean to You

著者:アルフレッド・アドラー(1870年2月7日 – 1937年5月28日)

出版年:1931年

・アドラーの亡くなる6年前の著作で、アドラー心理学の考え方や重要概念が網羅されている

・一般の読者を対象とし、専門用語も含まず、読みやすい

・基本的なテーマは、我々の人生へのアプローチは幼少期に起源があり、我々が親や子ども、恋人、友人、さらには隣人や仕事仲間と関わる仕方にも分かちがたく影響を与えているもの

・アドラーの著作の中では「人間知の心理学」と並び、好評を得た1冊

参考:『アドラーの生涯』E・ホフマン著、岸見一郎訳 p356

ゆるい
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続いて『人生の意味の心理学』の章立てを見ていきます!

『人生の意味の心理学』の章立て
※参考までに重要だと思う章を太字にしました!

第1章 人生の意味

第2章 心と身体

第3章 優越コンプレックスと劣等コンプレックス

第4章 早期回想

第5章 夢

第6章 家族の影響

第7章 学校の影響

第8章 思春期

第9章 犯罪とその予防

第10章 仕事の問題

第11章 個人と社会

第12章 愛と結婚


日本語訳は、高尾 利数訳と、岸見一郎訳の2つがあり、手に入りやすいのは岸見一郎訳です。


岸見訳は2巻に分かれています。


第1章〜第6章 が上巻に、


第7章〜第12章が下巻に、それぞれおさめられています。


重要度が高いのは上巻です。


少しかじってみたいと思う人は、上巻の特に1、3章あたりから読まれることをオススメします。


赤字にしていないところは、アドラー心理学の実際の分析について書かれている箇所が多く、カウンセラーを目指すような人でなければ、重要度が下がると判断しました。


ゆるい
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アドラーは多数の書籍を出していますが、その内容は重複するものも多く、全てを読む必要はよっぽど専門家を目指さない限りないでしょう。

特に重要なのは出版順で以下の3冊。

『人間知の心理学』
『人生の意味の心理学』
『生きる意味を求めて』


アドラーを原著で本格的に学びたい人は、これら3冊をまず手に取られることをオススメします。

『人生の意味の心理学』でグッとくる箇所8選

ゆるい
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グッとくる箇所を8箇所ピックアップしつつ、アドラー心理学の重要ポイントをできるだけ網羅するように構成しています!

1. あなたは事実ではなく、事実の解釈を見ている

1. あなたは事実ではなく、事実の解釈を見ている 『人生の意味の心理学』

『人生の意味の心理学』の冒頭の一節。


アドラー心理学のスタンスとして、私たちは現実それ自体を見ているのではなく、現実を自ら意味づけ解釈(interpretation)したものを体験していると考えます。




例えば、この水が入ったコップ。

このとき、これを見たあなたは、


「コップの水が半分なくなっている」


と意味づけ、解釈するかもしれません。




もしくは、


「コップに水が半分入っている」


と意味づけ、解釈するかもしれません。





このように同じ現実を見ているにも関わらず、人によって意味づけ・解釈は変わる可能性があるわけです。


1人1人は事実そのものを見ているわけではなく、事実を自ら意味づけて解釈している。


これが、アドラー心理学の認知論の説明です。


そして、個人の人生はこうした意味づけ・解釈の繰り返しの中で決まると考えるわけです。

ゆるい
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この意味づけを決めるのが、ライフスタイルという認知の枠組みで、1人1人固有であるとアドラー心理学では考えます。

詳しくは以下の記事をお読みください!

2. 人は一人では生きていけない

2. 人は一人では生きていけない 『人生の意味の心理学』

アドラーの思想を一言で要約するならば、

他者といかに共に生きていくべきか

という点に要約されると言ってもよいでしょう。



ところで、アドラーブームの火付け役となった『嫌われる勇気』。

この本の中には、


「他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない」(『嫌われる勇気』岸見一郎著 p150)


というセンセーショナルな一節とともに「課題の分離」という考え方が紹介されています。


これを読むと、アドラー心理学とは1人1人が「他者と切り離され、自立した個人」として生きていくための心理学である、という印象を受けるかもしれません。


しかし、それは完全に誤解です。


アドラーは、

アドラー
アドラー

他者と切り離されがちな時代だけれども、あなたは1人で生きているわけじゃない!私たちはつながり合い、助け合わないと生きていけないんだ!


と、熱く、泥臭く語ります。


そして、他者とつながっていると感じられることを、アドラーは「共同体感覚」と呼び、この感覚こそが「自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献する」と主張するのです。


ゆるい
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なお、アドラーは他者とのつながりや協力を説きながらも、「個」を大事にする視点もきちんと持っている。

ここに魅力があると私は感じます。

「個の時代」「価値の多様化」「馬鹿は相手にするな」などの言説も聞かれますが、個を尊重するあまり、人間同士を「分断」してはいないでしょうか?


アドラーは「共同を基本としつつ、個を大事にする」ためのヒントを与えてくれるのです。

『人生の意味の心理学』第1章では、他者との共同や人とのつながりについて、その紙面の多くが割かれています。


くわしくは以下の記事にまとまっていますので、ぜひあわせてお読みください!

※『人生の意味の心理学』からもたくさん引用しています

3. 関心、貢献、協力

3. 関心、貢献、協力 『人生の意味の心理学』

あなたが他者とは切っても切り離されず、共に生きていく存在だとするならば、あなたは他者へどのように向き合うべきか?




アドラーの答えはとってもシンプル。


それは、

他者へ関心をもち、他者へ協力しよう


ということ。




こう聞くと、なんだか綺麗事だよなぁ…なんて思うかもしれません。


けど、アドラーの思想は一貫してこんな感じで、どこまでも理想を熱く語るんです。



さて、先ほど少し触れたつながり感覚である「共同体感覚」


この感覚が育まれたとき、つまり人が他者とつながっていると心から感じられたとき、他者に自然と関心を抱き、そして他者に貢献し協力するとアドラーは考えます。


つまり人が他者と共に生きていくならば、「自分のため=人のため」となるような生き方を目指すべきで、たとえ困難に直面しても、自分が助かることだけでなく、他者の幸福をも考えられる人になろうと言うのです。




人生の意味とは、このように他者へ関心をもち、協力・貢献して生きていくこと。


そしてアドラーによると、そうした他者への貢献は、例え身体は滅んだとしても、精神として永遠に生き続けるのです。(『人生の意味の心理学(下)』A・アドラー著 岸見一郎訳p104)

ゆるい
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「共同体感覚」は重要な概念なのですが、『人生の意味の心理学』だけではすこし説明不足な感じは否めません。

特に晩年の著作『生きる意味を求めて』を読むことで、その全貌を理解することができます。

なお、アドラーの他の著作も交えながら、「共同体感覚」について詳しく書いていますので、ぜひあわせてお読みください。

4. 目的のために感情をつくりだす!?斬新な目的論の考え方

4. 目的のために感情をつくりだす!?斬新な目的論の考え方 『人生の意味の心理学』

アドラー心理学の目的論の考え方を示した1文。


「人間は自分の経験を、目的にあった形で意味づけ解釈し、目的のために利用する」


これを、アドラー心理学では目的論と呼びます。



例えば『人生の意味の心理学(上)』p170〜171には、暗闇で怖がる子どもの例が挙げられています。



子どもが暗闇で怖がっているとき、

暗闇(原因)→恐怖(結果)


というように、原因と結果(決定論)で考えるのが一般的です。


しかし、アドラー心理学の目的論では、なにか目的のために、経験を利用していると考えます。


この例で言うならば「母親の関心を引くという目的のために、暗闇という状況を利用して、恐怖という感情を作り出している」と考えるのです。


他にも「怒る」や「泣く」などの行為も、「相手を支配するため」など目的のために感情を自らつくり出していると考えます。
※「〜だから私は怒っている/泣いている」という、「原因→結果」では考えない。


事前に何かが起こっていたとしても、それをなんらか意味づけ、「怒る」という最終決定を下したのは自分であるわけです。




アドラーは、

アドラー
アドラー

私たちは自分で人生を作っていかねばならない。それは、私たち自身の課題であり、それを行うことができる。私たちは自分自身の行動の主人である。

『人生の意味の心理学(上)』A・アドラー著 岸見一郎訳 p32〜33

とも述べています。




経験そのものによって、あなたは決められるのではない。


あなた自身が、その経験を意味づけ、いかに行動していくかを決定するのです。

ゆるい
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「最終的に自分で決めることができる」という自己決定の考え方は、どんなときも自分で人生をつくっていけるという意味で、前向きです。


しかし同時に「〜だから…できなかった」という言い訳が言えなくなってしまう厳しさもあると感じます。

5. 劣等感は成長の原動力だ!

5. 劣等感は成長の原動力だ! 『人生の意味の心理学』

みなさんは「劣等感」という言葉に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?


背が低い、運動オンチ、勉強が苦手、給料が低いetc…


「劣等感が全くない!」なんて人はなかなかいないのではないかと思います。




そして、劣等感ってなんだかネガティヴなイメージで「ない方がよい」と思われるかもしれません。


しかしアドラーは「劣等感」はあって当然のものであり、むしろ成長の原動力であると考えます。


つまり、人は劣等感を感じるからこそ、成長し続けることができるのです。


これはアドラーの基本的な成長の考え方であり、人は劣等感をモチベーションとして上へ上へと優越性を追求する生き物であると考えるのです。




アドラーは次のように述べます。

アドラー
アドラー

われわれは、すべての人間の中に、人の人生を通じて流れているこの主要なテーマ ー 劣等の位置から優越した位置へ、敗北から勝利へ、下から上へと上昇する闘いを常に見出すだろう。それは、われわれのもっとも早い子ども時代から始まり、われわれの人生の最後まで続く。
『人生の意味の心理学(上)』A・アドラー著 岸見一郎訳 p61

こう聞くと、

優越性追求ってなんだか、競争社会で他を蹴落として勝ち残っていくイメージ?権力争いみたいな感じ?

などと、思われるかもしれません。


確かにアドラーの言う「優越性追求」は、こうした競争の中にも見られますが、それ以上に幅広く「人間は基本的に成長を目指している」くらいの意味です。



あなたは、自分の中に「劣等感」を感じることはあるでしょうか?


適度な劣等感は、アドラーに言わせると、成長のチャンス!なのです。

ゆるい
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ただし「劣等感」が強すぎると、問題が発生するともアドラーは言います。
アドラー心理学の用語で、「劣等コンプレックス」「優越コンプレックス」と呼ばれる状態です。

「劣等感」が”適度に”あるときにのみ、成長へとつながります。

6. アドラー流「共感」とは?

6. アドラー流「共感」とは? 『人生の意味の心理学』

アドラー心理学に限らず、心理学を実践すると、人の心がわかるようになるのではないか?と思われるかもしれません。


けれども、アドラー自身が述べているように「人間を理解するのは容易ではない」のです。


アドラーは別の著書で、個人心理学(アドラー心理学)は「視界を一時的に照らす補助手段以上ものであってはならない」と言っています。(『生きる意味を求めて』A・アドラー著 岸見一郎訳 p.3)


つまり、

アドラー心理学学んだ〜
人の心がすいすい読める〜

みたいに思うべからず!


ということです。



では、どうすればいいのか?


まず、人間を理解することは難しい…というより不可能であるという前提に立つ!
(これがとにかく大事!)


そして、他者に関心をもち、他の人の眼で見て、他の人の耳で聞くことができねばなりません。

きらら
きらら

え、相手のことは理解できないのに、他の人の眼で見て、他の人の耳で聞くことができねばならないって、矛盾してない?

はい、そのような疑問を持たれた方はとても鋭いです!



これはつまり「そのよう心がけて相手に接しなさい!」という意味なのだと私は解釈しています。


完全に、相手の眼で見て、相手の耳で聞くことは不可能です。


けれども、「自分が!自分が!」という思いを捨て去り、相手の立場に最大限立ってみる。


そのよう接することができるようベストを尽くしなさい!ということなのではないかと私は考えます。

ゆるい
ゆるい

「他の人の眼で見て、他の人の耳で聞き、他の人の心で感じる」というのは、アドラーのお気に入りのフレーズで他でもちょこちょこ出てきます。

これがアドラー流の「共感」であり、またこれが「共同体感覚」の許容し得る定義であるとも、別の著書で述べています。

7. アドラーから教師へ、熱いメッセージ

7. アドラーから教師へ、熱いメッセージ 『人生の意味の心理学』

アドラー心理学では、人間の認知の枠組みであるライフスタイルが作られる子ども時代の教育が非常に重要であると考えます。


その中で、アドラーが必ず強調するのが、1つは家族関係、もう1つは学校教育の大切さです。


特に学校教育に対して、アドラーは強い信頼を寄せており、家庭教育での失敗を補うことができると考えます。

ゆるい
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現実では、学校教育が子どもを苦しめてしまっている面があるのは残念ですが…

教師に対してアドラーが推奨するのは、1人1人を少しでも理解するために、とことん向き合うこと。


教師が心理学の知識を身に付け、何年もに渡って同じ子どもに関わり続けることで、関係を築き、相手を深く理解しようと努めるべきだと説きます。


他者とのつながりや協力を伝えながらも、1人1人の個に向き合う眼差しをもつところに、アドラー思想の魅力があるのです。

ゆるい
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1人1人に向き合う際の姿勢や心構えをアドラー心理学では「勇気づけ」と呼びます。

教師は子ども1人1人と向き合い、子どもに「勇気」を与える存在でなくてはなりません。

詳しくは以下の記事をお読みください!

8. 与えてもらうことばかりを考えていませんか?

8. 与えてもらうことばかりを考えていませんか? 『人生の意味の心理学』

あなたの身の回りに、

この人は「人から与えてもらう」ことばかりを考えているなぁ〜

と見ていて感じる人はいますか?


「〜してくれない」といつも文句ばかり…


「この人は自分がもらうことしか考えてないな〜」と感じる人、私の周りにもいます。




また「ありがとうございます」と口では言うものの、やってもらうばかりで、ちっとも自分から動き、恩返ししなかったり…。


「ありがとう」って思うなら、ちょっとくらいこっちのサポートもしてよ!って言いたくなる人、いますよね?




アドラー思想のテーマの1つは「貢献」


つまり「自分がもらうことばかり考えるな!与えなさい!」と言うのです。


この一説では特に「愛と結婚の問題(愛のタスク)」について述べていますが、カップルや夫婦って、

私はこれだけ尽くしてるのに、あの人は何もしてくれない💢


みたいな問題が特に起こりがち…。


これは相手が何も貢献しないのも問題だし、こちらとしても何かをしてすぐに見返りを求めるのも少し違います。


“GIVE & TAKE”というよりも“GIVE & GIVE”のイメージ。


大事なのは、お互いに与え続ける関係性です。




そのために、アドラーの言うように「私はそこから何を得ることができるか?」ではなく、「私はそこに何を与えることができるか?」へと根本的に問いを変させます。


関心を自分に向けるのではなく、外へ他者へと方向転換することが必要なのです。

アドラーのオススメ書籍紹介!

『人生の意味の心理学』いかがだったでしょうか?


今回取り上げたのはごく一部!興味をもたれた方はぜひ、ご自身で手に取り、アドラーの世界にじっくり浸かってみませんか?


まずは少しかじってみたいという人は、上巻から。


下巻には、アドラーの教育論や愛についての話も!



『人生の意味の心理学』に加えてアドラー原著はこの2冊を押さえればOK!


アドラー自身の言葉を岸見氏が解説したこちらの本は、隠れた名著。

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