アドラー心理学とは?【入門〜応用までわかりやすく解説】

アドラー心理学

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アドラー心理学ってなに?どんな風に役立つの?
アドラーの〇〇という概念についてくわしく知りたい
初心者から中〜上級者まで、アドラー心理学を他サイトよりもくわしく&わかりやすく、今日からすぐに使えるよう学べます。

私はアドラー心理学を実践するなかで、対人関係のトラブルが減り、前向きに生きられるようになりました。この体験を多くの人にも味わってもらいたいと思い、アドラー心理学のまとめページを作成しました。

当ブログの執筆方針
  • アドラー自身の思想を尊重しています
  • アドラー自身の原著〜ビジネス書まで、いろんな本を参照して書いています
  • アドラー心理学を今日から実践的に使えることを意識しています

みなさまの人生に、この記事をお役立ていただけたらうれしいです。


✔︎ 補足:記事の信頼性

筆者のプロフィールは以下の通り。アドラーカウンセラーにも弟子入りし、アドラー心理学の勉強&実践を継続しています。

  • アドラー心理学の各種講座受講済み
    ※アドラー心理学ベーシック講座, SMILE, STEPなど
  • ELMリーダー
  • アドラー心理学実践 10年以上
  • 大学院にて、アドラーの原著を読み込み論文執筆(完了)

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アドラー心理学とは?

アルフレッド・アドラー
アドラー心理学とは

アドラー心理学(individual psychology)とは、オーストリア出身のアルフレッド・アドラー(Alfred Adler、1870-1937)が創始し、後継者たちによって発展させられてきた心理学の体系のこと。正式名称は、個人心理学。

アドラーは、フロイト、ユングと並んで、心理学の世界三大巨匠とも呼ばれます。

アドラー心理学では、個人は他者とつながり影響を与えあう社会的な存在であり、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と考えます。また、フロイトの「〜だから、××になる」という原因論ではなく、「目的のために、自ら選択する」という目的論で考えることも大きな特徴です。

たとえば

  • 過去の原因:子どものころに虐待を受けたから
  • 今の結果:社会でうまくやっていけない

というように「原因→結果」で考えるのがフロイトの原因論の考え方です。

一方、アドラーの目的論では、

  • 目的:社会に出て他者と関係を築きたくない
  • 自ら選択:子どものころに虐待を受けた記憶を持ち出す

と「目的のために自ら選択する」ととらえます。つまりアドラーは、人間は過去の「原因」によって突き動かされるのではなく、いまの「目的」に沿って生きていると考えるのです。


アドラー心理学は、

✔︎ 自分の個性、自分の一度きりの人生(個人の視点)

✔︎ 他者や共同体への貢献と協力(社会の視点)

という、両立しづらい2つの大きなテーマを、ともに大事にして実現する心理学(哲学)です。

「社会の抑圧」や「個人の尊重」がこれだけ叫ばれる現代だからこそ、重要な示唆を与えてくれるのです。


【入門】以下の3記事は、初心者向けにかなりカンタンに書いています。


✔︎ アドラー心理学の要約【研究者がとにかく簡単に書きました】
「難しいことわからないから、とにかく簡単に、アドラー心理学のポイントだけを教えてほしい!」という人へ。


✔︎ アドラー心理学の実践5つ【生きるのが楽になる】
みんなが抱えがちな5つの悩みに答える形で、アドラー心理学の実践を5つ紹介。生きるのが楽になるためのヒントが少しでも得られるよう、心をこめて。


✔︎ アドラー心理学おすすめ本まとめ(入門〜上級まで)【研究者が厳選】
アドラー研究者が、入門〜上級まで、マンガ〜専門書まで、自信を持っておすすめできる本をまとめています。

アドラー心理学の5つの理論(基本前提)

アドラー心理学の5つの理論(基本前提)はつぎの5つです。

アドラー心理学の5つの理論(基本前提)

○個人の独自性、ものの見方に関する理論

 ✔︎ 自己決定性

 ✔︎ 認知論

 ✔︎ 目的論

○つながりに関する理論

 ✔︎ 全体論

 ✔︎ 対人関係論(社会統合論)

ゆるい
ゆるい

まずは、個人の独自性や、ものの見方に関する理論から。

自己決定性

人間は、自分の行動を自分で決めることができるという考え方のこと。

環境や自分の特性の影響はあっても、それによって個人の自動的に人生が決まるということはない。自ら行動を決定しているし、決定できる!

というように、主体的で創造的で前向きな人間観です。

認知論

私たちは現実それ自体を見ているのではなく、現実を自ら意味づけ解釈したものを体験しているという考え方のこと。

自分の人生は「起こったことの解釈」の連続で決まるので、逆に言うと「解釈」を制すれば、人生は大きく変わるのです。


✔︎ 認知論とは?わかりやすく解説
認知論は人生を大きく変える力をもった考え方。実際にこの考え方を自分の人生に役立たせるにはどうすれば良いのか?という疑問にもこたえます。

目的論

人が行動を起こすとき、本人が自覚的かどうかにかかわらず必ず目的があるという考え方のこと。

「自分や他者の行動の目的はなんだろう?」と問うことで、相手の行動や、自分の感情に振り回されることなく、冷静に対処することができるようになります。


✔︎ 目的論とは?わかりやすく解説(実用例あり)
「過去や環境のせいで…」と、つい言い訳していませんか?目的論は、行動は自分の設定した目的のために、主体的に選べるという前向きな考え方。人生へのアプローチを根本から変える力をもちます。

ゆるい
ゆるい

続いて「つながり」に関する理論です。
アドラーはつながりをとっても大事にしています。

全体論

人間を分割できない全体、ひとつの統一体としてとらえる考え方のこと。この考え方を身につけると、今まで治らなかった心や身体の不調への、新たな糸口が見つかるかもしれません。

✔︎ 全体論とは?わかりやすく解説【実践例あり】
この記事では、全体論のキホン〜実際の生活に活かす方法まで解説。全体論は、心や体の不調の解決や、バランスのとれた自己成長へと導きます。

対人関係論(社会統合論)/ライフタスク

人間は社会的な存在で、個人個人はつながりあって、絶えず影響を与えあっているという考え方のこと。

アドラー心理学は「すべての悩みは対人関係の悩みである」「すべての行動には相手役がいる」などと言いますが、それは個人同士がつながりあって、影響を与えあうと考えているからです。

また、具体的な他者とのつながりとして、人間として生まれたからには取り組まねばならない「仕事・交友・愛」3つのライフタスク(人生の課題)があるとアドラーは考えました。

✔︎ 3つの「ライフタスク」から考える人と人のつながり
3つの「ライフタスク(仕事・交友・愛)」について、アドラー自身の言葉をもとに徹底解説。「ライフタスク」からアドラーの価値観や人間観まで深めます。

アドラー心理学の価値観 – 共同体感覚

共同体感覚は、アドラー心理学の価値観で「他とのつながりを感じ、つながっている他へ関心を向けている」という感覚のことです。

身近な言葉で言うと「所属感」「思いやり」が近いです。

アドラー心理学では、1人1人に「共同体感覚」を育み、他者や共同体へと貢献・協力することを目指します。


✔︎ 共同体感覚をわかりやすく徹底解説
「共同体感覚についてわかりやすく、けど正確に知りたい」「共同体感覚って自分の人生にどう生きるの?」アドラー心理学の最重要概念「共同体感覚」について、くわしく解説

アドラー心理学の人間分析

ライフスタイル

ライフスタイルとは、1人1人の個人の「解釈の仕方」「個人の人生」をつかさどる法則のこと。個人の性格についての理論だと思えばまずはOKです。

アドラー心理学の治療は、個人のライフスタイルを技法を使って分析し、ライフスタイルの誤りを修正するというアプローチをとります。

✔︎ ライフスタイルとは何か?(アドラーの人間観を探る)
この記事では、アドラーの原著からまず「ライフスタイル」について学び、さらに、アドラーの人間観まで深めます。

劣等感

劣等感とは「自分は〇〇という点で、劣っている」と主観的に感じることです。

「劣等感」と聞くとよくないものだと思うかもしれませんが、アドラー心理学では成長に向けたポジティヴなエネルギーだととらえます。

例えば、テストの点を見て、

こんな点数ではだめだ!(劣等感)

→よし、もっといい点数を目指すために勉強するぞ!

となった場合、劣等感が成長につながっており、とてもよい状態です。

アドラーは、人間は劣等感をエネルギーとして、マイナスからプラスへと優越性を追求する生き物であるととらえたのです。

劣等コンプレックス

劣等コンプレックスとは、劣等感を言い訳にして行動しないことを言います。

先のテストの例で言うと、

こんな点数ではだめだ!(劣等感)

→どうぜ自分は無能さ。努力してもムダ。

というような発想になることです。

このように、劣等感はほどよくあれば成長のエネルギーとなります。しかし、劣等感が強すぎると、今度は劣等コンプレックスになり、成長を止めてしまうのです。


✔︎ 劣等コンプレックスとは?わかりやすく解説
劣等コプレックスは不登校や、他者を執拗しつように攻撃する人たち、自殺の問題など、さまざまな心の病の原因であるといわれます。劣等コンプレックスのキホン〜解決方法までくわしく解説

アドラー心理学の技法 & 実践

アドラー心理学って生活の中でどうやって役立たせていけばよいの?という人へ、アドラー心理学の具体的な技法や実践を紹介します。

記事を読んで、アドラー心理学を生活の中でドンドンご活用ください。

対人関係がスムーズになり、生きやすくなること間違いなしです。

勇気づけ

✔︎ 勇気づけとは?わかりやすく徹底解説
「勇気づけ」とは自分自身や他者に、変化・成長するためのエネルギー(勇気)を与えること。その重要さは、アドラー心理学が「勇気づけの心理学」とも呼ばれるほど。

課題の分離

✔︎ 課題の分離をわかりやすく解説。冷たいのか?コツは?
今やアドラー心理学の代名詞ともいえる課題の分離。しかし、実は「課題の分離」はアドラー自身が提案した話でもないし、非常に誤解されている概念でもあります。課題の分離の本当の意味とは?正しく活用するコツとは?

アドラー心理学と子育て・教育

ゆるい
ゆるい

教育にとっても情熱をそそいだアドラー。
アドラー心理学は、子育てや教育との相性バツグンです。

✔︎ アドラー心理学を教育に生かす5つの大事なこと【体験談あり】
「授業や学級経営で、子どもにどう関わっていけばよいかわからない」「アドラー心理学って教育に使えるの?」子どもの成長を心から願う先生や親御さんに知ってもらいたいアドラー心理学の考え方を、5つに絞ってお届け。


✔︎ クラス会議とは?やり方は?わかりやすく解説
「クラス会議」を取り入れれば、自分たちのことは自分で解決する、主体的な学級をつくることができます。「クラス会議」の目的、ポイント、具体的な進め方までわかりやすく解説。

アルフレッド・アドラーの人物についてもっと知る

✔︎ アルフレッド・アドラーとは?わかりやすく解説
「アドラーの人生は?功績は?生き方から何が学べる?」『アドラーの生涯』という本を参考に、アドラーの人生をまとめています。記事後半には、無料で手に入るアドラーの資料や著書のまとめも。

アドラー心理学を本で学ぶ

もっとアドラー心理学について学びたい!という人へ。こちらではオススメ本をまとめていきます。

嫌われる勇気


✔︎ 『嫌われる勇気』の名言8選
『嫌われる勇気』を学んで、自分の人生に生かしていきたいんだけど、どんなことが書いてあるんだろう?「アドラー心理学」の理論や用語にこだわらず、あえて『嫌われる勇気』らしい名言を厳選しました。


✔︎ 【書評】『嫌われる勇気』要約・まとめ・感想【研究者執筆】
「職場や学校などの人間関係で悩んでいる」「他の人からの評価が気になって仕方がない」このような悩みを抱える人へ。名著『嫌われる勇気』をわかりやすく要約し、まとめています。


✔︎ 『嫌われる勇気』は自己中か?
『嫌われる勇気』ってただの自己中じゃない?この記事では『嫌われる勇気』を実践する上でのありがちな悩みを解決。大ヒットドラマ『半沢直樹』も例に挙げながら書きました。


✔︎ 『嫌われる勇気』実践法!自由への3ステップ
「嫌われる勇気」実践法を3つのステップに分けて解説。この記事を読むと「嫌われる勇気」を生活で生かしていく具体的な道筋が見えます。

✔︎ 『嫌われる勇気』を無料で読むには?
『嫌われる勇気』を無料で読む方法を紹介。

幸せになる勇気

『幸せになる勇気』の名言7選
名著『幸せになる勇気』の中から、人生に役立つ名言7つを厳選。教育関係の話が多いので、学校の先生をはじめ、教育関係者にぜひ読んでいただきたい1冊。専門理論や用語は避けて書きました。

人生の意味の心理学

著:アルフレッド・アドラー, 翻訳:岸見一郎
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✔︎ 【アドラー原著】『人生の意味の心理学』わかりやすく要約
アドラーの主著『人生の意味の心理学』。大学院でアドラーの原著を読み込んできた筆者が『人生の意味の心理学』の中からグッとくる箇所を8つピックアップし、わかりやすく解説!アドラー自身の言葉から、アドラー心理学のエッセンスを学んでいきましょう。

人生が大きく変わるアドラー心理学入門

『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』5つのポイント
『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』を読んで面白かったポイントを5つ選んでまとめています。アドラー心理学の初心者〜中級者で、アドラー心理学の基本理論・全体像を知りたい人にオススメです。